颯刃は、刀を降り下ろした。
『それ』は絶命した。
たった今、殺した。
刃に付着した血を、振り払う。
骸に目もくれずに歩き出した。
扉の先へ。
赤い目をした存在が待っていた。
「君の選択は?」
「 を止める」
英雄と言う歴史を動かす者は、
裏を返せば殺人者だ。
新たな若い犯罪者が、また1つ、世界を動かした。
・颯刃ルートの話
颯刃はこれまで殺人は行わなかったが、最期の最後に自らの手を汚す
綺麗なままでは、生きていけない
それは、生命の業だから
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最後の1発を撃ち込み、世界は変わった。
帰還を拒んだ同行者を置いて、目を醒ます。
廃墟化の終焉。
そして、それは新しい戦争の幕開け。
小さな列島国で起きた反乱は、瞬く間に人々を呑み込み駆り立てる。
対峙した親友へ向けた銃口。
「俺達は、お前等の道具じゃ無ぇ!!」
腐敗したそれを、日常を、平和を撃ち壊す。
反逆の抗議者は罪を重ねる。
その先に有る、世界の為に……
・漣ルートの話
歴史上何度も繰り返される戦争
壊して作り上げても、恐らくまた壊れる平和
歪み争い、強いものが繁栄する、世界の理
それこそが、生きる姿だと言うのだろうか?
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結末に納得が行かないが、やり直しは不可能で。
理不尽などお構い無しに、世界は平穏と幸福に酔いしれている。
払う必要の無かった代償は、たった1つのモノだった。
奪われたのなら、取り返す。
ほんの少しの変化すら恐れ嫌がる人間達は、過敏に抗う。
「知るか」
ただ1撃を当てる為だけに、存在を賭けた戦いが始まった。
・斎のルート断片
理不尽を強いられ、その上に誰かの幸福が成り立つ
蹂躙された存在は、諦めるか立ち上がるか
失われたモノを求めて
それは皮肉にも、切り捨てられた願いと同じだった