マホロンパの続き
本家ネタバレ含みます
捜査が捜査してない
裁判が裁判してない
オシオキがぬるい
全体的に描写不足兼自己満足の塊でしかない←←
前回の復習だぜ!!
学園に軟禁された九龍颯刃を含む15人の生徒共は、永遠の青春……もとい、学園生活を強制される
学園から出る為には卒業するしか無い
卒業……それは『殺人を犯しきる』と言うもの
15人の生徒は互いに協力しあい、脱出の糸口を探す
学園長、赤兎から配られた映像媒体
颯刃が再生すると、映し出された温かい家族、そして惨状の爪痕
動揺が走る中、消えた1人の生徒
颯刃が荒らされた自室がシャワールームを開いた時、最悪の現実がそこに有ったのだった……
気絶していた俺は、目を覚ました
真っ先に視界に入ったのは、白色の髪をした女子の心配そうな顔だった
「……気が付いたのね……良かった……」
「鳴狐?俺……俺は、確か……」
朝の出来事を振り返る、消えた生徒、荒れた部屋、そして……
「っ!?」
跳ね起きた場所、そこは紛れもない自室
散乱した家具、壁の傷跡、集まっていた3人の生徒
嫌な悪寒に震えながら、進む
心配した勇音が制止するのを無視して、開かれたシャワールームに視線を送る
夢なら良かったのに
「あ、あぁ……ぁ……」
そこには寸分狂わす、凭れた姿
「どう、して?」
俯いた顔、刺さった凶器、流血の痕
「どうしてなんだよ、月影!!」
産まれた頃から共に居た、家族同然の従者は、主の問に答える事は無かった
「傷心の所悪いんだけどね、僕達は君が起きるのを待っていたんだよ
学園長から、体育館への呼び出しが有ったんだ」
エゼルの言葉が、意識を促す
勇音と鳴狐に支えられ、俺は自室を後にした
省略して説明するけど、とエゼルが道中に口を開いた
学食から月影を呼びに行ったきり戻らなかった俺を勇音と鳴狐が探しに行き、暫くしてから妙な放送が流れたらしい
『死体が発見されました!生徒の皆さんは一定時間の後、学級裁判を開始します!!
……っと、その前にオレ様が簡単に説明してやるから、オマエラ体育館に来いよ〜?』
コモンミミイの口調から、一転した赤兎の言葉
学食から更に様子を見に来たエゼルが、ドアが開きっぱなしだった俺の自室に辿り着き、現れた赤兎に俺が起きるまでは説明を待って貰ったらしい
そんな話を上手く回らない頭で聞き流していた
ざわつく体育館で顔を合わせる皆
足りない姿を問わないのは、先の放送のせいだろうか?
「一体、どういう事なのだ!?」
脆い均衡を破ったのは、耐え兼ねた木城の言葉
「どうもこうも無ぇよ。誰かが人を殺したってだけだ、ケケケ……」
壇上に現れた赤兎はまるで当たり前の様に笑っていた
「っ、それじゃあ……誰かが卒業になるの!?」
人を殺したら、卒業が許される
蛍原の声に再び館内がざわめき出す
「オマエラ、学園長の話ぐらいちゃんと聞けよな〜」
そんな俺達を見ていた赤兎は飄々と言葉を続けた
「これからオマエラは『学級裁判』を始めて貰う
殺人を犯したクロを見抜けばシロの勝ち、逆に見抜けなければクロの勝ちだ
なお、負けた奴にはオシオキが執行されるって訳だ」
「オシオキ?でも、殺人を犯したら犯人は卒業になってしまうんだろ??」
勇音が反応する
殺人者は確かに卒業の権利を得る筈なのだ
「何事にもルールってモノが有るんだよ、クロは裁判をやり過ごして初めて卒業なんだ、世の中甘く無いんだよ」
理不尽なルールが、学園を、皆を縛っている
それでも、月影が殺された事実は消えない
このまま、裁判をしたってクロは嘘を吐くに決まっている
月影を殺した誰かが、クロが、卒業なんて……
「……まだ、道は有る!」
俯いた俺は、影が動くのを見る事しか出来なかった
それは一瞬だった
風切り音に次いで鳴り響いた衝撃音
壇上で浮いていた居た赤兎は床に叩き落とされ、左手で拘束されている
「篤瓏先輩!?」
飛び込んで行ったのは、自分の知る青い拳闘士だった
「……お前を壊せば……茶番は終いだ」
「お、オイオイ……笑えない冗談は止めろって!そんなキャラじゃ無いだろ?なぁ!?」
振り上げられる右手に赤兎が動揺する
いくら高性能な機械でも、圧倒的破壊力を受ければ機能は失われるのだ
「……消えろ……」
下ろされた拳は赤兎ごと壇上の床を破壊した
対象の停止を確認した先輩が立ち上がると、パラパラと破片が零れ落ちる
支配者の消失
それは、反乱の末の呆気ない勝利だった
そう、本当に、呆気ない
「あ〜ぁ、本気で壊しちまったよ……しょうが無ぇ奴だなぁ」
見上げた対空に浮かぶ、無傷の愛らしいマスコットは笑っている
壇上に立って居た先輩は、素早く臨戦体制を作り赤兎に向かって跳躍した
「大宮篤瓏、学園長への暴力行動を働いた件でオシオキを開始する」
赤兎の声に背筋を悪寒が駆けた
「篤瓏さん!駄目だ!!」
鳴狐の横から空に浮かぶ2人を目掛けて走り出す
世界がやけに、緩慢に流れていた
「召喚マホウ!出でよ、“聖槍”ロンギヌスの槍!!」
突如空間から幾本もの細い鉄槍が飛来した
高速で落下するそれは、向かい合い跳躍した敵に牙を剥く
「……!?」
突き刺す音、砕ける音、勢い良く滴る水音、墜落音
そして、無音
駆け寄った俺の足元に飛沫が散った
「……ど……して…………くが…………ぅ……」
微かに聴こえた断末魔を吐き出した後
ゴポッ、と口から滴る赤が床の血潮に還る
「きゃあああああああああああああ〜!!」
悲鳴が、上がった
人が、死んだ
目の前で、死んだ
殺された
「……っ……」
言葉を失った、思考を失った
青を赤が染め上げる、黒さすら喚起される赤に
貫かれた四肢はあり得ない方向に縫い止められ、さも誇らしげに槍が電光を受けて輝いていた
「ま、有る意味ぐっじょぶ!って奴だな?」
パチパチと小さな両手が叩かれる
視線を巡らせれば、満足そうに赤兎が拍手を送っていた
「これでオマエラがどんなにボンクラでも解ったろ?
ルールは絶対、もちろんオレ様も絶対……逆らえばオシオキってな?」
誰も何も言えなかった
生々しい人間の死が、俺達を見えない何かで縛り上げていた様に、重苦しい空間と赤兎だけが存在を主張していた
「一定時間、オマエラには捜査時間をやる
その間に裁判でクロを断定する証拠を探すことだな!
捜査時間中の隠蔽行為、終了後の捜査はオシオキ対象だ……裁判は強制参加、拒否って言うなら死ぬこったな?ケケケ」
電子生徒手帳に、赤兎ファイルが追加された
これは殺人を『見ていた』赤兎が、捜査をするのに必要な情報を纏めたモノであるらしい
偽りは書かないと言っていたが、正直疑問だ
「じゃあ、オマエラ精々頑張れよ〜!」
そんな呑気な一言で、赤兎は俺達の前から姿を消した
捜査時間が始まる、そして、その後には命懸けの裁判が控えているのだ
間違いはクロ以下の死
絶対に、それは避けなければならない
スッ、と長身の影が動いた
「斎……?」
「何だ?」
平然とした態度に逆に面食らう
二の句を探す内に斎の方が口を開いた
「時間が有限で有る以上、此所に留まる理由は無い
この先の裁判をやり過ごさねば死ぬのだろう?
ならば、ヤる事は明白だ、違うか?」
「……それは、そうだけど……」
「Wait a minutes.(ちょっと待って)
……君1人で行動する気かい?」
出口に向かう斎を呼び止めるエゼル
「幾ら隠蔽行為が禁止とは言え、今はまだ捜査時間を明言されていない……つまり『今なら』隠蔽行為が可能かも知れない
そんな中、単独行動は認められないよ」
「ならば、来たい奴が来れば良かろう?」
「あ、あのさぁ……」
対峙する2人の会話に、蛍原が恐る恐る口を挟む
「ゴメン、何か私……捜査とか無理そう、かも……
綺咲ちゃんも、こんな感じだし……一緒に教室に居ちゃ、駄目かな?」
見れば顔色の悪い蛍原と、彼女にしがみついて蒼白な綺咲が居た
無理も無い、と心が痛んだ
「O.K.分かったよ、無理はいけないからね
でも、女子だけにするのも危険だろ?」
「あ、じゃあ俺が一緒に居るよ」
「俺も、そうしようかな」
軽く手を上げた勇音と火澄が女子2人に伴って体育館を後にした
「アタシ、難しい事分からないけど……見張り番位出来るから、そうするよ」
「ムッ、ならば俺も一緒行く!多い方が安心だろう」
「……そうだな……」
しばらく考え込んでいた夕華が勢い良く宣言をする
同意した皇、鏡人と共に月影の殺害現場保存へ向かった
「第一発見者は颯刃だったな?」
「え、あ……多分」
「ならばお前と、鳴狐は現場に来い」
「…………」
斎が半ば強引に人選を決めてしまった
鳴狐を見ると視線は下を向いていたが、なんとか落ち着いている様にも見える
「君達はどうするんだい?」
「俺は……流石にこのままには出来ん……」
「ぶっちゃけて赤兎の言いなりになんのは嫌なんだけどよ」
「……分かった、此所には僕が同席しよう」
振り返ったエゼルはやる気の無さそうな漣と、心無しか深刻そうに眉をしかめる木城を見ると体育館に残る事を決めたようだ
ある程度時間が経てば他の皆も捜査させる事を決め、俺達も現場へと足を向ける
胸に蟠る鉛の様な感情は、今だけは目を反らし、長い廊下へと、歩き出した
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DEAD PERSONS(死亡者リスト)
法水月影
(刺殺)
大宮篤瓏
(赤兎への暴力行動によりオシオキ『聖槍召喚』で刺殺)
LIVING PERSONS(生存者リスト)
九龍颯刃
七虎勇音
六凰鳴狐
八蛇火澄
四魚綺咲
五鴉斎
三狼夕華
二猿鏡人
一馬漣
木城誠
蛍原歩夢
李鷲皇
ルシファン=エゼル=ハイゼンヒルド
死亡者数2名
残り 13名
……To be continued……