グッコミ当日、ペーパーラリー用に書いた小話です。
当日はペーパー間に合わなかったので、こちらに上げました!
22話のネタバレ入りますので、大丈夫なお方はどうぞ〜
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「あれ?虎徹さん…こんな所にホクロがあるんですね」
事情後の気だるい空気の中で、バーナビーはそう言いながら虎徹の足を持ち上げる。
「んぁ?」
虎徹はベッドの中でぐったりとしながら顔だけを動かしてバーナビーを見上げ、自分の足の裏を見ている様子に首を傾げた。
「ホクロなんて、ある?」
「えぇ、ありますよ」
「うひゃっ!」
多分ホクロの場所を舐めたのだろう。そのくすぐったさに変な声を上げてビクリと震えると、ガツンと何かに当たる音がする。
「あ…」
「…虎徹さん、痛いです」
「す、すまん!」
震えた時に、バーナビーの顎を蹴り上げてしまった虎徹は申し訳なさそうに言うと、のそりと起き上がってバーナビに近寄り、少し紅くなっている顎をべろりと舐めた。
「虎徹さん…?」
「舐めときゃなおるだろ?」
「そんな」
虎徹の行動にクスクスと笑いながらそう言うと、バーナビーは虎徹を抱き締めて自分の足の間に入れた。
「何だか、こんな所にホクロがあるって知れて嬉しいな」
「んなことで嬉しがるなよ…」
「虎徹さんのことなら何でも知りたいですもん」
恥ずかしいことをさらっと言ってのけるバーナビーは、にっこりと笑うと虎徹の体をベッドに押し倒す。
「っ…お、おい…もう勘弁してくれよ…?」
既に疲れきっている虎徹は、これ以上は無理だとバーナビーの体を押し返すと、その手を取られてべろりと舐められた。
「…もっと、虎徹さんの体も知りたいな…?」
「いや、隅々まで知ってんだろ」
少し甘えた声でそう言われても、虎徹はズバッと拒否をする。ここで甘やかすと後が大変なのを身をもって知っているからだ。
「虎徹さん…」
「っ!」
つつ、と足の裏を指先で撫でられ、くすぐったさに震えると、首筋を甘噛みされる。
「…だめ?」
ああ、そんな顔で見るな。甘やかしたくなる。虎徹は降参、と両手を上げると、バーナビーは幸せそうに微笑んだ。
おわり
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キースと一緒の朝は、いつもこれを作る。
「おーい、出来たぞ」
フライパンで焼きあがったそれをお皿に移すと、丁度トーストが焼けた音がチンと響いた。トーストにバターを塗り、かりかりのベーコンとソーセージ、みずみずしいトマトにレタスと色鮮やかな、けれども簡単な朝食が完成する。
「…おはよう、わいるどくんー」
パジャマ姿で現れたキースは、眠たげに目元を擦りながら虎徹の元へ近付くと、朝の挨拶をしてキスをした。
「おう、おはよ。顔洗ってきな」
「んー」
寝癖が付いているキースの頭をわしゃわしゃと撫で、笑いながらそう言うと虎徹はリビングに朝食を運ぶ。その間にキースは洗面所で顔を洗い、スッキリしてくる。
これが、二人で過ごす朝の日常。
「コーヒー、ブラックにしておくか?」
「あぁ、そうだね。お願いするよ」
顔を洗ってもまだ眠たげなキースはそう言いながら大きな欠伸を零す。
「ほい」
「ありがとう」
コーヒーを受け取り、眠気を覚ますために一気に飲むと、虎徹がニヤニヤと笑いながらキースを見つめた。
「…どうかしたかい?」
「いや、ほれ、お前が目玉焼き食べるときのこと思い出してな」
「…あぁ!」
キースが目玉焼きを食べる時、黄身をすすって食べる姿を初めて見たとき、虎徹は大爆笑したのを今でも覚えている。
「で、でも今はちゃんと普通に食べるだろう?」
「って、お前いっつも俺に食べさせてもらってるじゃねぇか!」
「だって、その方が美味しい!そして美味しい!」
「…へいへい、ほら、あーんしろ」
少し赤い顔で、フォークにさしたベーコンを口元に持っていってやると、キースは嬉しげに表情を緩めてぱくりと食いついた。
(なーんか、餌付けしてるみてぇ)
小さく笑いながら、次々に食べさせてやると、キースがにっこりと笑って虎徹の手を掴んだ。
「ん?どうした?」
「これからも、朝ごはん作ってくれるかな…?」
「…おう」
顔を赤くしながら頷く虎徹なのであった。
おわり