※7話ネタバレあり(?)
勝手ながらユーリさんがルナティックだと予想した月虎です。(まだ公式では分からないしね;)
色々と先走りすぎてユーリさんの口調とかおかしいと思いますごめんなさい。
ユーリさんって何かと虎徹と面識あって、虎徹が「いつも迷惑かけてすみませんね〜良かったら飲みに行きませんか?奢りますよ!」とかいって二人で飲み行くんだけどユーリさんも日頃のストレスとか愚痴りながら虎徹の話も聞いてあげて、何だか仲良くなっていく二人は飲み友達になって、ディープな話もしていくんですよ。
普段は冷静なユーリさんが熱く語っちゃったりして、ああこの人ってこういう人なんだなぁと虎徹がより親近感わいて色んなこと話したり自分がヒーローになった訳とか熱く語って、それを聞いていたユーリさんも、虎徹の人柄に惹かれていくんだけど、実はルナティックなユーリさんだから謂わば敵対しているのでこれ以上虎徹に近付かないほうがいいと思うんだけど、太陽のような虎徹に惹かれている自分もいて葛藤し、それならば自分のものにしてしまえばいいじゃないかと思っちゃうんです。
そこからはもう虎徹に優しくしてあげたり親身になってあげたり賠償金の相談を受けたりとしてあげて、虎徹もそんな優しいユーリさんにますます懐いて、周りも焦っちゃうんですよ虎徹を取られるって!んで、あともう一押しで落とせるなってところで自分の正体をバラして揺さぶりをかけるユーリさんの優しさ(優しさなのか?)そんなお話です。
はやくもっとユーリさん(とルナティックも)と絡みが増えて欲しいと思うこのごろですが皆さん月虎ってどうでしょうか?なんだか気になりませんか?きになりませんか?違いますかそうですか(凹み)
すみません荒ぶりました妄想が爆発しました。今後の公式の最大手具合に期待しています、そして期待しています!
そんな勢いで書いた月虎です(前置き長いよ)
こんなんですが、よければお読み下さい…!!
「そ、んな…そんな…!!」
血煙が辺りを多い肉が焦げた臭いが鼻につくのは、無残に瓦礫と化した街の一角。
ここには収容場がある場所で、以前からここが狙われるのではないかと予想していた場所でもあった。
ヒーロー総動員で、一人の敵に挑んでいるにも関わらずこの様である。
この大きな戦いで被害を受けたのは建物だけでなく、人々を絶望的な気分に陥らせた。
収容場にいる多くの人々が巻き込まれ、亡くなった者も多い。泣き叫ぶ声が響き渡る中で、また建物が崩れる轟音が鳴った。
過去最大最悪の事件。きっとそういわれ続けるであろうこの状況に、ベテランヒーローでもある虎徹はボロボロになったスーツを引きずりながら目の前で悠然と佇む相手に視線を奪われていた。
「うそだ…そんな…」
瞳を大きく見開かせて、痛む腹部を片手で抑えながら吐き出した言葉は掠れ、相手には届かないだろう。
けれども虎徹の様子から何と言ったのか察した相手は、その手にしていたマスクを熱風に揺らしながら、狂気にもにた笑みを浮かべた。
「これが、真実ですよ」
銀灰の長い髪を一つに結び、顔色の悪い表情だがその瞳は青く燃え盛るような色を灯していて得も言われぬ恐怖感が背筋を走る。
そして、虎徹はその顔に見覚えがあった。いや、そんなものではない。何故ならば彼は自分の大切な人でもあるからだ。
「どうして…どうしてだユーリ!!」
今度は相手にもハッキリと聞こえる声量で、怒りと哀しみに満ちた声色で言い放つ。
だが腹に力を入れると全身に痛みが走り、口の中の血生臭さが増した。目に見える場所で大きな出血はないものの、内臓を痛めているのだろうそれは、虎徹の体力を確実に減らしていく。
斉藤さんのスーツでさえも壊す彼の力の強さに、諦めの悪い虎徹でさえも心が揺らいでしまっているのは確かだ。
けれど、まだ心は折れていない。
「答えろ…ユーリ…っ!」
ギリ、と歯を食いしばって痛みに堪えながらゆっくりと相手の元に近付く。
そんな虎徹の瞳をじっと見つめながら、ユーリは口元を歪めた。
「言ったでしょう?貴方が自分の正義を貫くように、私も自分の正義を貫いているだけです」
「っ…」
その言葉に、初めて彼と―否、ルナティックと対話した時のことを思い出す。
虎徹は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、何かを言おうと口を開くが、結局は言葉が出ずに口を閉ざしてしまった。
ユーリとそれなりに深い信頼関係を築いてきたと思っている虎徹にそって、彼の言葉を反論することは今は難しい。彼の過去を、そして、信念を知ってしまったから。
そんな虎徹の目の前に、瞬時に移動してきたユーリは少し俯いていた虎徹の顎を取って顔を上げさせ自分と目線を合わせさせる。
「っ…ユー、リ…」
「いいですねぇ…貴方の、その絶望に染まる表情を見ていくのは…」
クツクツと喉の奥で低く笑いながら、ひどく楽しげな口調でそう言うとユーリは虎徹の顎を掴んでいた手を首に移動させて軽く締め付けた。
「っぐ!」
ひゅっ、と息の詰まる音を零して顔を青ざめさせる虎徹。いくら何でも気を抜きすぎだ。
けれども相手はただの敵ではない。ユーリなのだ。
今まで何度も世話になった。互いに何でも話し合える仲になり、よく飲みにも行った。人には言えないことも、何故か彼には話せた虎徹にとって、いつの間にかユーリ・ペトロフという存在は大きなものになっていたのだ。
だから。
「ど、うして…」
ユーリの本心を見抜けなかった自分が悔しい。彼の抱えている深い闇を気付けなかった自分が悔しい。
そんな気持ちが虎徹の中でぐるぐると渦巻き、暗いものを落としていく。
「なん…で…」
段々と首を締め付けるユーリの手の力が強くなっていくと同時に、視界が歪んでいった。
ポタリ、と熱いものが頬に落ち、そこで自分は泣いているのだと気付く。
「ふふっ」
すると急にユーリが手を離して、今度は虎徹の腰にその手を回し、自分の腕の中へと閉じ込めた。
鼻先がくっつくくらいに顔を近付けられ、歪む視界いっぱいにユーリの顔が広がると虎徹は動けなくなる。
ユーリの行動の意図が分からず、ただ呆然と彼の腕の中で荒く息ついていた虎徹は、また息ができなくなった。
「んっ」
冷たい唇が、己のそれを塞ぐ。
その瞬間に虎徹は彼に抱いている己の気持ちに気付いてしまった。気付いてはいけないことに、気付いてしまった。
「……取引を、しましょう…」
ゆっくりと離れていく唇に視線が奪われ、彼が放った言葉に気付くのが遅れてしまう。
ハッとして目線を少し上にし、ユーリと視線を絡ませた虎徹は言葉の続きを待った。
「貴方が私の元にくるなら、今日はこれで引いて差し上げます」
「な…っ…」
「私は貴方を殺したくはありません」
「っ」
じっと自分を見つめるその瞳には真剣な色が含まれており、その言葉がウソだと虎徹は思えなかった。
だからこそ、揺らぐ。
「さぁ、選んでください」
瞳を細めて唇は弧を描き、ユーリは甘い声で言う。
ドクン、ドクン、と心臓が強く脈打つ音が響き、握り締めていた手の中が汗で濡れていた虎徹は、ゴクリと喉を鳴らす。
彼の言葉は、己を犠牲にすればこれ以上の被害は出ない、ということでもあるのだ。
けれども己を犠牲にする、という言葉は少し違っている。
何故なら、虎徹はユーリのことが――
「選んでください、虎徹…」
世界が遠のく音がする中で、誰かが自分の名を叫んでいる気がした。
end...?
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も、もしかしたら続くかも…!
2011-5-18 16:28