独理論

或る人の小説の続きを
楽しみにしている私は
パッチワークの
パーツの裁断から逃げて
小説の在る場所に
親指を導いてみた

私達は忙しい
忌ま忌ましい程に

或る人の小説は
ゆっくりと続きが紡がれる

忙しさの合間に異世界へ
逃げて仕舞うのに調度良かった

本当は逃げるのでは無く
時間を設けるのが正しいのに


私達は忙しい
忌ま忌ましい程に


忙しいのを言い訳に
美しい細やかさを
失っている、様な気がして


秋です
秋なのです

月を眺めるのを
忘れてはなりません

本を読みたい
本が読みたい

時間が無い等
理由にならない



人が想像出来るものは
いつか創造出来ると言う

「時間を想像出来る?
　　私、出来ないのだけれど。」

時計は想像出来るにせよ
時計は時間を刻む物

時間自体はどうしても
想像出来ない



「あら、私、時間作れないみたい。」



そうしてまた、嫌々
パッチワークの裁断に向かう


(私は基本的に夜になったら眠りたいと思っている)