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Lily

真冬に咲いた君の
微笑みは純粋で
染まる事を知らない
真白の百合みたいだ

君がくれた
温もりはもう
消えた消えた
消えてしまった

いつか二人で
見た景色は
白く白く
白く染まった

降り注ぐ
哀しみだけが
君の影を
花で飾った

残された
僕は一人で
百合の花を
空に落としたんだ

凍えて泣いた月の
涙が零れ落ちて
21グラム減った
身体に降り注いだ

君がくれた
温もりはもう
消えた消えた
消えてしまった

いつか二人で
見た景色は
白く白く
白く染まった

降り注ぐ
哀しみだけが
君の影を
花で飾った

残された
僕は一人で
百合の花を
空に落とした

そしてまた
道は違えて
どこか遠く
すれ違って

気付かずに
君は笑って
日々は過ぎて
夜が嘲笑うのさ

スカーレットテイル


この手の中に
残された物
ちっぽけなガラス玉だけ

路地裏の猫が
笑って見てる
十六夜の月が照らすだけ

嘲笑うなら
捨てられるなら
救ってみせて
君の言葉で

消えていく
失っていく
日常なんて
眠って忘れて

ただ世界は眩しかった
僕の声は汚れていた
誰にも見えない傷が
繋がって世界を切り取った

欲しがるのなら
求めるのなら
掴んでみせて
君のその手で

過ぎ去っていく
壊れていく
思い出なんて
目覚めたら消えた

ただ世界は眩しかった
僕の声は汚れていた
誰にも見えない傷が
繋がって世界を切り取った

君の左手の赤い
ラインが僕らを隔て
痛みと言う名の優しさが
溢れて二人を呑み込んだ

いつかまた会えたなら
心は君を欲しがって
月が照らす僕を
君は赤で染めるだろう

ただ世界は眩しかった
僕の声は汚れていた
誰にも見えない傷が
繋がって世界を切り取った

君の左手の赤い
ラインが僕らを隔て
痛みと言う名の優しさが
溢れて二人を呑み込んだ

水の無いプール

水の無いプールの中で
君はただ笑っていた
笑顔だけ残したまま
君はただ消えていったんだ

雑踏の中で動けずに僕は
独りきり空に憎しみを投げた
行く先は無くて捨てられたままで
ゴミ箱の猫に助けてと叫ぶ

水の無いプールの中で
君はただ笑っていた
笑顔だけ残したまま
君はただ消えていった
誰一人気付かずに
街並みは変わっていく
光はもう見えなくて
何もかも失っていく

星空の下で幸せを歌う
子供達みたいになりたかっただけ
伸ばした手の先触れた物は皆
灰色に染まって崩れては消える

水の無いプールの中で
君はただ笑っていた
笑顔だけ残したまま
君はただ消えていった
音の無い世界の中で
僕はただ泣いていた
誰からも愛されず
朽ちていくと知っていたんだ

死産された可能性が見えて
誰も居ない船着場へ帰る
無色透明な夢は弾け
意味も無く降り注ぎ消えた

水の無いプールの中で
君はただ笑っていた
笑顔だけ残したまま
君はただ消えていった
何一つ掴めずに
終わる事を知っていた
だけど君は何も言わず
微笑んで去って行ったんだ

水の無いプールの中で
君はただ笑っていた
笑顔だけ残したまま
君はただ消えていったんだ

ホワイトキャンバス

絵画教室で描いた肖像
輪郭だけの淡い陰影
鏡越しで見えた表情
触れれば壊れそうな君の声

暮れゆく陽の光
センチメンタル
指先なぞって
諦めるのさ

壊れてしまったのは
僕の心が
足りないままで居ると
言っていたから
小さな世界の中
君の言葉は
誰にも届かずにねぇ
消えてしまった

消えてしまった

真空管に映る幻想
夢見ただけの理想の自分
いつしかソレは見えなくなって
硝子となって砕け散るんだ

汚れたままの靴
歩き出したら
何処にも行けずに
立ち止まるのさ

壊れてしまったのは
僕の心が
足りないままで居ると
言っていたから
小さな世界の中
君の言葉は
誰にも届かずにねぇ
消えてしまった

白いキャンバスの中
描いてたのは
何も無い自分の
未来予想図
この街この場所でそう
君と出会って
ちっぽけな世界は
広がっていった

壊れてしまったのは
僕の心が
足りないままで居ると
言っていたから
小さな世界の中
君の言葉は
誰にも届かずにねぇ
消えてしまった

消えてしまった
消えてしまった
でも此処に在るよ

イレウス

君と僕を結んで
運命は引き裂いて
歩き出す夢の中
消えた声は死んだまま

ねぇ、君はもう忘れたの?
ねぇ、君は何処へ行ったの?
明日の色は見えなくて
諦めかけた宵の闇

君と僕を結んで
運命は引き裂いて
歩き出す夢の中
消えた声は死んだまま
明け方の冷たい空
白濁に染めてって
落ちて行く星の声
届かない世界へ

ねぇ、君はもう要らないの?
ねぇ、君は何が欲しいの?
心の中は不可侵で
見せたく無いと拒否反応

君と僕を結んで
運命は引き裂いて
歩き出す夢の中
消えた声は死んだまま
明け方の冷たい空
白濁に染めてって
落ちて行く星の声
届かない世界へ

閉塞感で泣いた夜
何処にも行けず眠ってた
欲しかったのは安心感
唯一無二の存在証明

君と僕を結んで
運命は引き裂いて
歩き出す夢の中
消えた声は死んだまま
明け方の冷たい空
白濁に染めてって
落ちて行く星の声
届かない世界へ

君と僕を結んで
運命は引き裂いて
歩き出す夢の中
消えた声は死んだまま
明け方の冷たい空
白濁に染めてって
落ちて行く星の声
届かない世界へ