今年も残りわずかになってました。いつのまにか。一年って早いですね!って去年も言っていた気がしますね!

9月ごろから「海外文学を100冊読もう」と思い立ち、折につけては読むようにしています。読んでみたい本を探したりとかしたのですが、世界には色々な本(小説)があるなーと思いました。ものすごく今さらなのですが。
読んでも読んでも、「これの次にはこれ読むぞ」って何回思っても、ありとあらゆる世界の隙間からまだまだ本が出てくる出てくる。ほんとに文章の世界は広いなあ、と思います。すげーな!

本が好きで良かったなと思うのは、あらゆる国のあらゆる時代のあらゆる人々に触れることが出来るあたりです(事実虚実問わず)。
例えば漫画は印刷された書物として確立されたのが比較的最近で、かつやっぱり日本のものが世界最高峰なので(と信じています)、読むぜ読むぜと言っても範囲はたぶんそんなに広くならないわけで。その点文章は、古くは神話から詩篇や小説等々どこの国にもまず存在するので読むものにそんなに困らないです。
逆に言えば、死んでも読みつくせないです。多分転生しても駄目だろうな、複数回じゃないと。

漫画も今後いろんな国の作品がたくさん読めるようになるといいなあ。
ところで漫画って、表現手段のひとつが絵だからか、製作された国の文化が文章以上に出るような気がするですね。


今年読んだ本の中で(国内外作品問わず)面白かったなー!というのを選ぶとしたら、

1位「競売ナンバー49の叫び」トマス・ピンチョン
2位「ゴドーを待ちながら」サミュエル・ベケット3位「通話」ロベルト・ボラーニョ

になります。実は前ツイッターで「今年読んだ中で一番面白かったのは「ゴドーを待ちながら」だよ」とか書いた覚えがあるのですが、違うくなった。すまんかった。一番最近読んだ「競売ナンバー49の叫び」が一番になりました。わー!

3位は迷ったけど(だいたい何決めるときでも三番目が一番迷う)短編集「通話」で。ちなみに迷ったのはチャールズ・ブコウスキーの「パルプ」でした。以下少しだけ感想↓


「競売ナンバー49の叫び」頭の先からしっぽの先まで予測できない予感に貫かれた本。様々なことが起こりっぱなしに起こる。あらすじを書くと「あるごく普通の女性が過去に関係のあった大富豪の遺産分与執行人になぜか選ばれて、分与作業を取り行う最中不思議な出来事に巻き込まれていく」なんだけど、まあ合ってないというか、それで片付く話じゃない。人生に一度くらい読んでみても良いのか悪いのか。どっちかな?

「ゴドーを待ちながら」会話と会話、文章と文章の隙間を覗くことがとにかく楽しいお話だった。これはどういうことなのか、とかどういうつもりだったのか、とか。そういう意味では「競売〜」と趣向が似てるかも。あれほどてんこ盛りではないけど。ラッキーの長台詞の訳がとにかく圧巻で、これ訳した人ほんとに頭いいな!ってめっちゃ思いました。すごい。

「通話」全体的にそこはかとなく漂う透明な寂寥感みたいなのがあって、そこが好き。前頭葉をつっつくようなちょっと変わった作りのお話もあったりで、楽しい本でした。他の話も読みたいので、次は「野生の探偵たち」かな。「2666」も欲しいんだけど、高くて重いんだよな……。近所で撲殺事件があったら関与を疑われるレベルにごつい(物理)本なんだよね、「2666」。

他に印象に残った本だと、前述の「パルプ」(柴田元幸さんの訳がかなりよいです。良い感じにはちゃめちゃでにぎやかでさみしい話だった)、「論理哲学論考を読む」(読めば読むほど、著者の野矢さんがものすごく頭が良い方なのだと思い知る)、漫画だけど「マンガで分かる心療内科 アドラー心理学編」(すごく面白くてすごくためになった。行き詰った時たまに読み返してる)が今年印象深かったです。

ボラーニョとかピンチョンとかブコウスキーとか、後半はアメリカ系ばっかり読んでたな。アメリカ文学は、楽しげに浮かれてイカれた流れの中たまにすっと寂しげな冷たさが混じってて、なんかそういうとこが好きです。背中に氷のかけらを入れられたような。

明日には自分宛てのクリスマスプレゼントに買った本とかが届きそうなので、そのなかから今度はエーコの「フーコーの振り子」を読むつもりです。年末年始は陰謀で!

来年も素敵な一年でありますように〜!