赤髪金髪コラボでショタ化ネタです。
アネットがショタ化します。
ライニさんは子供好きだけどちょっと距離をとってしまう…
と言う設定があるそうだと言うのを聞いて、思いつきました←おい
*attention*
・赤髪金髪コラボです
・ショタ化ネタです
・ライニさんのさりげない優しさを書きたかった…
・アネットは多分、容姿くらいしか変わらない(ぇ)
・中途半端に長い
・相変わらず妄想クオリティ
・ナハトさん、本当にすみませんでした…!
相変わらず勝手にすみません!
OKと言う方は追記からどうぞ!
ある朝のこと。
ハイドリヒは溜息を吐きつつ、赤髪の少年の部屋を目指していた。
と、言うのも。
朝方、一緒に食事を取る約束をしていたのに彼の姿は食堂になく、
あたりを探してもその姿が見当たらなかったからである。
基本的にとぼけた性格の彼ではあるが、一度した約束は破らない。
それに、時間にルーズな彼がきちっと時間を守るのはハイドリヒとの約束くらいだ。
それなのに、彼の姿がないとなると……おかしい。
彼に限ってありえないが、風邪でもひいて寝込んでいるのだろうか。
そう思いつつ、彼はアネットの部屋に辿りついた。
「アネットさん?起きていますか?」
とんとん、とドアをノックするハイドリヒ。
暫く、部屋の中はしんとしていた。
ハイドリヒは怪訝そうな顔をする。
もう一度ノックしようとしたとき。
「……ラインハルトか?」
中から控えめな声が返ってきた。
その声は、いつものアネットの声ではない。
快活そうな声でないこともそうなのだが、
普段のアネットの声は結構低めの男性らしい声であるのに対して、
今聞こえた声は気のせいかと思うほど高くて。
「?アネット、さん?」
「あー……えっと、今、一人か?」
よくわからない問いかけ。
ハイドリヒは困惑しつつ"そうですが"と応える。
すると、ドアが開いてハイドリヒの手を誰かが掴んだ。
「わ……!?」
部屋の中に引っ張り込まれ、ハイドリヒは小さく声をあげる。
ドアは直ぐに閉じられたが……目の前にいた"彼"の姿にハイドリヒは唖然。
彼……アネットはむすっとした顔をしてハイドリヒを"見上げて"いた。
「アネットさん?どうしたんですか……」
そう、見上げなければならないのはアネットがハイドリヒより小さいからで。
アネットは子供の姿に変わっていたのである。
ぶかぶかの上着を着ている彼。
癖のある赤髪やガーネットの瞳はまるっきり彼のままだが、
その身長は普段よりいったい何センチ低いだろう?
ハイドリヒは彼を見つめ、唖然としたまま固まっている。
「ど、どうしたんですか、本当に……」
もう一度、問いかける。
するとアネットは小さく溜息を吐いた。
「わかんね。目が覚めたら、こうなってた」
そう言いつつアネットはハイドリヒに抱きついた。
どうやら精神的にも少々不安定らしく、彼もこの部屋で一人途方にくれていたらしい。
そこに大好きな彼……ハイドリヒが来てくれたものだから、
たまらず抱きついた、というところだろう。
ハイドリヒの腰のあたりに抱きついたまま、アネットはつぶやくように言う。
「どーしよ、ラインハルト。
多分、魔術かなんかの所為だとおもうんだけどさ……
これじゃあ任務にも行けねぇし」
「あー……任務の時に、何かされましたか?」
そう訊ねつつ、ハイドリヒはアネットの体をおしかえした。
幾ら抱きついているのがアネットとはいえ、子供の力になっている以上、
引き剥がすのも決して難しい所業ではない。
たやすくアネットの体はハイドリヒから離れた。
さりげなく、彼の抱きつきを剥がそうとするのはハイドリヒらしくない。
いつもならば多少嫌がる素振りを見せつつも、
彼のしたいようにさせるのがハイドリヒだ。
だからこそ、はがされたアネットもキョトンとしている。
「あ、ごめん、ラインハルト……」
いきなり抱きついて迷惑だったか?と訊ねるアネット。
心配そうな、赤色の瞳。
ハイドリヒは曖昧に誤魔化して、彼から視線をそらした。
そして、小さく溜息を吐く。
彼……ハイドリヒは、決して子供が嫌いと言うわけではない。
寧ろ、どちらかといえば好きにあたるとは思う。
しかし、オリジナルの境遇ゆえにこう言う不器用な扱いしか出来ないのだった。
それに、事実問題こんな状況になってしまったアネットをどうして良いかわからない。
ほうっておいてもとに戻る問題だと信じたいが、
万が一そうでなかった場合……対処法を考えなければならないからだ。
ハイドリヒは溜息を吐くと、アネットの方を見ずに言った。
「とりあえず……ジェイドさんか、アルさんに相談したら如何ですか?
私では、何もできませんし……
その姿で歩き回るのもなんでしょうから、私が探してきます」
そう言いつつ、ハイドリヒは部屋を出ていこうとした。
この部屋にいると、何だか調子が狂いそうだ。
一緒に居るのが"アネットだから"ではない。
一緒に居るのが"子供だから"だ。
しかし、それは出来なかった。
服を軽く引っ張られる感覚に驚いて振り返れば、
ハイドリヒの制服の裾を掴んでいる、赤髪の少年の姿。
どうやら、無意識なようで。
「……アネットさん」
ハイドリヒが名を呼ぶと、ハッとしたようにアネットは彼を見た。
微かに不安げな色が灯るガーネットの瞳が、自分の手とハイドリヒの服の間をさまよう。
「……あ」
そして"ごめん"と言ってアネットは手を離す。
そのまましょぼんとうつむく彼は、彼らしくない。
どうやら、ハイドリヒに抱きついていたのをはがされたのがショックだったらしい。
そういう、単純なところは昔から変わっていないようだ。
ハイドリヒはそんな彼を見つめる。
そんな状態でほうって置くわけにも行かない。
この場合、サッサと対処法を知っているであろう医療部隊の人間に声をかけるのが賢明だ。
しかし……
ハイドリヒはしばし迷う表情を見せてから、彼に声をかけた。
「……アネットさん」
「?どうした、ラインハルト」
名を呼んでやればきょとんとして顔をあげるアネット。
ガーネットの瞳と、ハイドリヒの蒼い瞳が交わる。
どうした?と言わんばかりのアネットを見つめ返しつつ、ハイドリヒは言った。
「……ジェイドさんたちも、まだ朝食の時間、でしょうし」
「……あぁ、そうだな」
それで?と言う顔をするアネット。
遠まわしな表現に困惑しているのだろう。
ハイドリヒは誤魔化すのをやめにして、自分の伝えたいことを伝えた。
「……もう少し、此処で、待っていましょうか」
ゆっくりと、ためらうように紡がれる言葉。
アネットは目を丸くする。
そして、嬉しそうに笑った。
「うん!ラインハルトと一緒にいる!」
そう言いつつ、再びハイドリヒに抱きつくアネット。
これが彼の普段の行動とさして変わらないのだから、ある意味恐ろしい。
ハイドリヒは一瞬体をこわばらせたが、直ぐにそれを受け入れた。
彼は"自分(オリジナル)"の子供ではないけれど……
こうして傍にある温もりというのは、決して嫌なものではない。
何より、いつもどおりに振舞う彼に安心もした。
これで落ち込んで口も聞かないようであれば、そのほうがよほど心配だ。
アネットは自分よりずっと背が高いハイドリヒを見上げて、ニカッと笑いながら言う。
「へへ、ラインハルトがデカい」
「貴方が小さくなっているだけでしょうが……」
呆れたようにハイドリヒは溜息を吐いた。
彼のこういうところは、昔から変わっていないらしい。
思ったことをポンポン口に出す。
ついでに言うのならば、深く考えるのが苦手。
変わっていないといえば聞こえは良いが、成長していないと言うことでもある。
そう思うと、なんだか可笑しかった。
アネットはハイドリヒの指摘に頬を膨らませる。
「まぁ、そうなんだけどさぁ。俺としては、全然そんな気しないから……」
「貴方の振る舞いだけ見ていれば、私も未だに信じられませんよ」
「な!?それ、俺の普段の振る舞いが子供っぽいって言ってんだろ、ラインハルト」
「何か、間違っています?」
そんな、いつもどおりのやりとりをする二人。
ハイドリヒがちらり、と蒼の視線を向ければアネットは口をつぐむ。
どうやら、自分が子供っぽいと言う自覚程度はあるらしい。
そんな彼を見て、ハイドリヒは僅かに笑みを零した。
そのさりげない笑みを見て、アネットは嬉しそうな、照れくさそうな顔をする。
彼のその表情が好きなのだと、アネットはよく言っていた。
今度はきゅ、と甘えるようにハイドリヒに抱きつきつつ、彼は言う。
「もうしばらく、ってどれくらいだ?ラインハルト」
「え?」
「一緒にいるの」
どれくらい?とアネットはハイドリヒを見上げつつ、訊ねた。
ハイドリヒは少し、考え込む。
別に、考えてはいなかった。
おそらくジェイドもアルも、食事にそんなに時間はかけないだろう。
何より、緊急事態(これもある意味緊急事態だ)とわかれば、
食事など後回しにしてきてくれることは目に見えている。
さっき、"一緒に此処で待つ"といったのは、ただの口実なのだから……
どれくらい、と言われても困る。
「そう、ですね……」
ハイドリヒは迷った末に、その言葉を口に出した。
珍しい彼の言葉にアネットが目を見開くまで、あと三秒……?
―― Pure Smile ――
(貴方の気が済むまで、なんて口にしてしまったのは一体どうして?
……きっと、貴方が無邪気に笑う顔を見たかったから。)
(驚いたけれど、嬉しかった。
いつもと逆で俺を抱きとめてくれるラインハルトの腕はあったかくて…)
2013-6-25 00:17