フォルスタSSです。
現パロバージョンでこう言う話は初ですね
*attention*
・フォルスタSSです
・シリアス?
・スターリンさんの養父さん(おとうさん)が日本に来たようです
・フォルは基本走るの苦手ですが…
・とりあえず妄想クオリティ
・色々済みませんでした…!
・ナハトさん本当に済みませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
フォルスタSSです。
現パロバージョンでこう言う話は初ですね
*attention*
・フォルスタSSです
・シリアス?
・スターリンさんの養父さん(おとうさん)が日本に来たようです
・フォルは基本走るの苦手ですが…
・とりあえず妄想クオリティ
・色々済みませんでした…!
・ナハトさん本当に済みませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞー!
スターリンはぼんやりと目を開けた。
チャイムの音で体を起こす。
体調が悪くて今日は学校を休んだのだった。
こんな時間に訪ねてくるとは一体誰だろう。
「フォル……?」
朝確かにフォルに連絡を入れた。
"体調悪いから休む"とそうメールをした。
そのあとにきたメールは"大丈夫?すぐに看病しに行くね!"という冗談めかしたもの。
彼ならば確かに、やりかねないとは思うけれど。
まさか、本気できたのだろうか?そう思いつつドアを開けに行く。
そして、目を見開いた。
「な、んで……此処、に」
スターリンは目の前にいる養父を見て凍りつく。
恐怖故に瞳が揺らいだ。
そう、ドアの前にいたのは久しく顔を見ていなかった男。
スターリンの養父だった。
養父親(ちちおや)に自分の居場所を教えた記憶はない。
(しかし、探し出すことは間違いなく可能で)
そもそも、何故此処まで入ってこられた?
(自分が身内だといったのだろうか)
全て、推測する他ないのだけれど……
―― これから先に、起こる事態を思えば無意識に体が震えた。
ピスマメードフと共に暮らしていた時も、そうだった。
日々の恐怖とストレス故に声を失い、
それに気づいた隣人が連れ出して、恐怖から救ってくれた彼。
少しずつ、少しずつ、恐怖から抜け出して。
声も出せるようになって、それなのに……
ピスマメードフが留守のうちに、連れ出されて、連れ戻されて。
思い返すに……あのあとからだった。
ただ殴られるだけでさえ、なくなったのは。
母親に引き取られるまで、ずっとずっと……
怯え、嘆き、生き続けた日々……
「帰るぞ」
何の反応も見せないスターリンを見て、男は眉を顰める。
不機嫌そうなその顔と声に、スターリンの表情はより一層こわばった。
ぐい、ときつく腕を握られる。
"帰る"
その言葉は間違いなく……"あの時"と、同じだった。
刹那頭を駆け巡ったのは、この国で共にいてくれた人たち。
同じ学校の仲間たち、自分の面倒を見てくれた東条、
そして……いつも、無邪気に笑ってくれる亜麻色の髪の彼。
「嫌だ……!」
嫌だ。
此処から離れるのは嫌だ。
帰りたくなんかない。
スターリンは必死にいった。
掴まれた腕を振り払うように暴れるけれど、それが叶わないのはいつものことで。
そればかりか、体調が良くないスターリンでは余計に無理。
おとなしくしていろ、と言わんばかりの険しい視線を向けられたとき。
「何してんの書記長様。具合悪いならちゃんと部屋で休んでなきゃダメでしょ」
気の抜けるような声が響いた。
声の方に視線を向ければ、にっこりと笑っている亜麻色の髪の彼。
その笑みが真の笑みでないことは推測がついた。
蒼色の目が笑っていない。
不愉快そうにフォルを見る、スターリンの父親。
「何だお前は」
「僕はフォル。フォル・オーフェス。
……貴方、書記長様のお父さん?」
皮肉めいた、刺のある口調。
フォルがそう言う喋り方をするときはかなり怒っていることがわかる。
スターリンは養父に腕を掴まれたまま、フォルをじっと見つめた。
そんな二人の様子に、男の表情はより険しくなる。
「そうだ」
彼の父親に睨みつけられても、フォルは動じた様子を見せなかった
あくまで冷静に、スターリンの養父を見つめて、言う。
「身内だか何だか知らないけれど……
書記長様、嫌がってるよ。その手を離して」
「……何を知ったような」
苛立ちを表した表情。
彼の意識がフォルに移っていたためにかスターリンの腕を掴んだ手が緩んだ。
その隙を見て、フォルはすっと表情を引き締める。
「いくよ、書記長様!」
「え?!」
「あ……っ」
フォルはスターリンの手を掴み、走り出す。
そのまま開いていたエレベーターに駆け込んで、外に出る。
逃げるように走って、走って、走って……
スターリンの家からは少し離れた公園に入った。
いつもフォルと過ごしたあの公園ではなく、
ベンチとブランコしかない小さな公園だ。
そこに飛び込むと、ようやくフォルは足を止める。
「ごめ……、強引、だったね……痛く、ない?怖かった、かな?」
走るのが苦手だと言っていた彼も、息が上がっている。
彼がそう訊ねたのはスターリンが強引に腕を掴まれることを
恐れていると、嫌っていることを知っていたから。
しかしスターリンは小さく首を振る。
フォルに腕を掴まれたとき感じたのは恐怖よりも驚き。
養父に掴まれていた腕が緩んだことに対する安堵と、その次の瞬間には走り出す感覚。
目まぐるしく変わる状況に頭がついて等行かなくて。
フォルは何度か息を吐くと、そっと笑いかけた。
「よかった……ごめんね。調子悪いのに無茶させて。
じゃあ、行こうか」
優しくスターリンの手を握り返して、フォルは言う。
スターリンは驚いた顔をした。
"行く"とは、何処に?
スターリンの家にはまだ、"あの人"がいるだろう。
帰ることはできない。
「ど、何処に……?」
「え?」
スターリンの言葉にフォルはキョトンとした。
すぐに微笑むと、フォルはきっぱりといった。
「僕の家に決まってるでしょ?
君の家からは離れてるし、場所だってすぐにはわからないさ」
ね?と笑うフォルを見て、スターリンは顔を歪めた。
確かに、そうしてしまえばいいのかもしれない。
家に帰れない以上、そうする他ないということも理解している。
けれど……
「でも、フォルの、家……っ巻き込む、ことになる」
走った所為であがった息で、とぎれとぎれに言う。
確かに、暫く自分が家に帰らなければ彼も諦めて一旦は国に帰るだろう。
けれど、いつかは自分の"逃げ場"も、"拠り所"もバレる。
幼い頃に、そうだったように。
だからスターリンは"お前に迷惑かけられない"と言って首を振る。
お前を巻き込みたくはないんだ、と。
フォルはそんな彼を見て、穏やかに微笑む。
そして、静かな声で言った。
「流石に、外で何かすることはないでしょ。
警察沙汰になりかねないし、下手したら入国禁止喰らうかもしれない。
君を連れ戻すつもりだったら、それは避けたい事態でしょ?」
―― だから、もう大丈夫。
フォルはそう言ってスターリンを抱きしめた。
慣れた手つきでそっとスターリンの頭を撫でて、穏やかな声で言う。
「君が僕の傍に居たいって言ってくれたら……
僕は、ちゃんと君を守り抜いてあげるから。
だから、安心して。怖がらなくてもいいし、僕は巻き込まれたなんて思わない」
"帰ろう?"と囁く声をまだ傍で聞けること。
それに安心して、スターリンは小さく頷いた。
―― "守って"と、言ってもいいですか? ――
("あの時"のようにもう一度連れ戻されるのが怖くて)
(大丈夫。守ってあげるからこの手をとって?)