フォルスタSSです。
シリアスネタが欲しい今日この頃です(おい)
*attention*
・フォルスタSSです
・多重人格(?)ネタ。
・オリジナルのスターリンさんなのか、なんなのか曖昧(おい)
・フォルは力が強くないので口で勝とうとするタイプ
・とりあえず妄想クオリティで済みません
・スターリンさんナハトさん本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
フォルスタSSです。
シリアスネタが欲しい今日この頃です(おい)
*attention*
・フォルスタSSです
・多重人格(?)ネタ。
・オリジナルのスターリンさんなのか、なんなのか曖昧(おい)
・フォルは力が強くないので口で勝とうとするタイプ
・とりあえず妄想クオリティで済みません
・スターリンさんナハトさん本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞー!
とある、曇天の日の午後。
フォルはいつものように魔術の練習をしてから、"彼"の部屋に戻ってきていた。
空間移動術で戻ろうとしたのだが、疲れていてうまくいかない。
おかしなところに空間移動しても困る、と消費魔力が少なくて済む消身術を使い、
彼の部屋まで歩いていった。
幸い、まだ外で訓練をしている騎士が大半。
さして人ともすれ違わず、彼の部屋まで戻ってくることができた。
中から、人の気配を感じて、僅かに口角を上げる。
驚かしてやろう、と……静かにドアを開けて。
「なんだ、書記長様帰って……――」
帰ってたのか、と言葉を紡ぎかけたフォルに、向けられた剣。
フォルは反射的に躱した。
瞬時に空間移動術で剣を呼び寄せる。
「流石、身軽だな」
くっくっと笑う声に、顔を上げた。
剣を抜いているのは、紛れもなくこの部屋の主。
しかしフォルに躊躇いなくその切っ先を向けるような、人間ではないはずで。
違和に、気づく。
彼は眼鏡をかけていなくて。
「……君は、"誰"?」
目の前にいる彼を見据え、フォルは静かに問うた。
笑っている、目の前のスターリン。
しかし、その笑みはいつもの彼と、違う。
事態の把握は出来ない。
でも、一つだけ言えることは……いつもの、"彼"じゃない。
彼よりも冷たく、残忍で、冷酷な人物……
"スターリン"はフォルの問いかけに答えず笑っていた。
フォルは真っ直ぐに彼を見据える。
そして瞬時に、部屋に結界を張った。
"彼"が此処から出られぬように。
「そこをどいてくれ。俺は此処から出たいのだよ」
フォルは首を振る。
「何でこうなってるのか、僕はわからない。
でも、君を外に出すことは許すわけにいかないから」
ふっとフォルが笑うと、スターリンは顔を顰める。
彼の返答が気に障ったのだろうか。
"出たい"という言葉を拒み、阻もうとしている彼を冷たく見据えて……
小さく、笑ってみせた。
「どうしても出さないというなら……」
刹那、パンッと乾いた銃声が響いた。
フォルの左頬を掠めていった銃弾。
無論それは、スターリンが手にした拳銃から放たれたもので。
フォルは手の甲で切れた頬を拭う。
「……酷いことするね」
「今度は威嚇なんて、生易しいもので終わりにはしないのだよ」
「そっか、君は飛び道具も使えたんだったね。うっかりしてた」
僕は使えないんだよね、と笑ってみせる。
その笑みに、スターリンは答えない。
先刻同様、冷たい表情を浮かべたまま、フォルを見据えている。
フォルのことを、知らぬ人間のように振る舞い、
そして……この部屋を、出ていこうとしている。
それが何を意味するか、フォルも理解しているつもりだった。
「邪魔をする奴に容赦出来るほど、俺は優しくないのだよ」
冷たい声。
フォルはそれを聞いて苦笑する。
「らしくないなぁ……そう言う台詞は、僕みたいなのが言うことだよ。
書記長様のような人が言うのは、似合わない」
「残念だが……お前が言っている"俺"と俺は、違うと思うがな」
ニヒルに笑う、スターリン。
続けざまに放たれた銃弾を魔術で弾いた。
参ったな、とフォルは呟く。
相手が普通の人間であればかなり荒療治ではあるが、
悪魔の魔力を使えば動きや魔術を封じられる。
しかし、スターリンは僅かとはいえ悪魔……基、堕天使の魔力の保持者だ。
それも、フォル自身の魔力を持っている。
そんな彼相手に魔術を使っても、相手の力を増強させるだけ。
氷属性の魔術だって同じだ。
それに、フォルにとっては彼がこの部屋から出ていかないように、
また、この部屋に誰も入ってこられないように、
結界を張り続けるだけで精一杯で。
これ以上魔力を使えば、結界が緩んだ挙句スターリンの攻撃を受けるリスクが高まる。
自分が傷つくのは別に構わなかったが……
それ故に、"彼"が傷つくことが、嫌だった。
フォルは剣を振りかざした。
スターリンは拳銃をホルダーに収め、剣を抜く。
キンッと高い、金属の音。
決して得意ではない剣術で、スターリンに応戦しつつ、
フォルは笑って、言った。
「出ていくことは許さないよ、書記長様。
……約束したもんね。
君が誰かを傷つけようとしたら僕が絶対に止めるって」
―― だから、僕は此処を退く訳にはいかないよ。
フォルはそう言って一度剣を強く弾くと、
そのままスターリンの両腕を掴んだ。
剣術も魔術も彼より劣るかもしれない。
でも、体術だけは……腕力だけは、辛うじてフォルの方が優っていた。
苛立ちを含んだ声で、スターリンは藻掻く。
「っ!離せっ」
「嫌だ」
フォルはきっぱりと答える。
掴んだ腕を駆け上がる冷たい氷。
スターリンの氷属性魔術は性能が良い。
普通の人間ならば、彼も今頃全身氷の彫刻にされていたところだろう。
しかし、フォルは普通の人間ではない。
堕天使であり、氷属性魔術の使い手だ。
凍りつく腕には動じもせず、只々目の前の、彼を見つめる。
「僕だけで終わりにしておきなよ。
"仲間"を傷つけて平気でいられるほど、きっと君は強くない」
真っ直ぐにスターリンを見据え、フォルは言う。
ある意味その言葉は、声は、冷淡な挑発にさえ聞こえたことだろう。
しかし、全て色々考えた末の言動だった。
事実を告げ、姿を消してしまった"彼"に呼びかける意味で。
スターリンはフォルの手を振りほどいて、再び拳銃を向ける。
もうフォルは、動かなかった。
催眠をかけようとするかのごとく、ただスターリンの瞳を見据えている。
そのまま、静かな声で言った。
―― "上司"や"相棒(パートナー)"を手にかけて苦しんでいたのは君。
「同じことを繰り返させはしない」
―― 君は僕を撃てないよ。
そう言うと、もうスターリンのことを拘束するのをやめていた。
ある種、賭けにも似ていた。
この位置で、この体勢で引き金を引かれたら間違いなく命はないだろう。
「撃ちたければ撃てばいい。
魔術をかけた人間が死ねば、魔術の効力は消える。
君が望むように、此処から出ることが出来るよ」
スターリンはその言葉を聞いて、口角を上げる。
ゆっくりと持ち上げられる拳銃。
フォルは抵抗する気がないことを示すかの如くそのまま目を閉じた。
一秒、二秒……
三秒後に、乾いた銃声が響いた。
しかし、痛みは感じない。衝撃さえも。
ただ、立ち上る硝煙の臭い。
「……フォル」
聞こえた震え声に、フォルはゆっくり目を開けた。
カタン、と音を立ててまだ硝煙の臭いのする拳銃が床に落ちる。
目の前にいるのは、あいも変わらず、琥珀の瞳の彼。
しかし、その表情は一転していた。
驚きと恐怖を灯したその顔に、冷淡さはなく。
「俺、は……何を、していた?否……"しようと"していた……?」
絶望にも似た表情。
自分のしようとしていたことに、彼は気づいている。
フォルは小さく溜息をつくと、そっけなく答えた。
「……何もしようとしてないよ。ちょっと僕と喧嘩になっただけ」
「嘘を言うな!」
スターリンは歩き出しかけたフォルの腕を掴む。
その手は、小さく震えていた。
フォルはそっとその手に触れて、解いた。
「……君が気にすることじゃない。
どうしてこうなったのか、僕もわからないけれど」
落ちていた彼の伊達眼鏡を拾い上げて、手渡す。
「大丈夫だって言ったでしょう?僕が君を守るからって」
「でも、お前は……怪我を、してるじゃないか」
フォルの頬についた傷に、スターリンは触れる。
まだ乾かない傷には血が滲み、彼の手を汚した。
「俺が、やったんだろう」
「そうだね」
「……ごめん」
誤魔化しは無駄だと判断したフォルが素直に肯けばうなだれるスターリン。
瞳に宿る後悔と、恐怖の色。
"また"誰かをこうして傷つけるのではないか。
今度は、傷つけるに留まらず、殺してしまうのではないか。
そんな恐怖……
「謝らないでよ。君が悪いんじゃない」
「無意識でも、意識でも……関係、ねぇよ。
俺が、したことに違いは……!」
フォルの肩をきつく掴んで震えるスターリン。
強がっていても、彼の心の中の不安は変わらない。
―― ごめんね、書記長様。
フォルはそう囁くと、彼の額に指を置いて、短く呪文を唱える。
簡単な、催眠魔術だった。
彼がパニックに陥る前に、眠らせてしまおうと。
後で目を覚ましてから、落ち着いて話がしたかった。
倒れ込む、彼の体を支えて、フォルは呟いた。
「……君を、守る術が思いつけばいいんだけど」
"無意識"のうちに、人を殺めること。
それが彼の恐れること。
今は、部屋に入ってきたのが自分だったから大丈夫だった。
もし、力を持たぬ騎士ならば。
もしかしたら、もしかしたら……――
スターリンが危惧しているのは、それだろう。
自分の言葉が一時の慰めにもならぬことくらいはフォルもわかっていた。
不安は、消しされない。
言葉にも、限界があるのだから。
それと同時に、薄らに感じていた。
彼が不安を胸に宿せば宿すほどに、"裏"の彼の力が強くなるのでは、と。
フォルにとっての危惧は、それで。
「……大丈夫」
眠る彼を見つめて、呟く。
"僕が守るよ"と……
眠っている彼の目尻に涙が伝うのを、そっと指先で拭い取った。
―― 消えぬ不安 ――
(強がっていても不安は不安なのだ。
優しくなりすぎた彼は"それ"を何より恐れている)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |