海辺シリーズな?お話です。
今回はショタ(顔)組での話です。
ちょっと中途半端で切ったかも?
でもこのメンバーでのやり取りも書くの楽しかったです←
*attention*
ロンメルさん&ペル、ブラン&ヘフテンさんのお話です
ほのぼのなお話です
海辺シリーズでのお話?です
ロンメルさんに世話焼いてもらうペル
ヘフテンさんとライニさんに世話焼いてもらうブラン
ライニさんはショタに優しいらしい←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
降り注ぐ陽射し。
その中、ペルはカナリスが作ったごはんを浜辺に居た全員に配り終えて、戻ってきた。
そこには何処か狐のような風貌の少年(否、年齢的には彼の兄より上だが)ロンメルがいた。
「おぉ、かえってきたのか」
「おきつねさん!」
ペルはぱぁっと顔を輝かせて彼に歩み寄った。
ロンメルにペルはなついているのである。
久しぶりに顔を合わせるということだけあって、随分と嬉しそうな顔だ。
「ひさしぶりだな」
わたしもきたんだ、とロンメルは言う。
それを聞いて、ペルは久しぶり、といって……ぴたり、と足をとめた。
ロンメルはそんな彼を見てきょとんとした顔をしつつ、彼に歩み寄った。
「どうしたんだ?」
そう問いかけるロンメル。
ペルは俯いたまま、掠れた声で言った。
「うぅ、目、いたい……」
そういいながら目をこすろうとするペル。
そんな彼を見て、ロンメルははっとした顔をした。
慌ててペルの華奢な手首を掴んで、止める。
「ごしごしはいけないぞー。
もっといたくなってしまうしめをきずつけてしまうからな」
「うぅう、でも、痛い……」
ペルは涙声だ。
目が赤くなってしまっている。
ロンメルはそんな彼の手首をしっかりと握ったまま、歩き出した。
「あっちにいってめをあらおう。
あっうみのみずはだめだ!よけいにいためてしまうぞ!」
ふらっと海に向かって歩き出したペルにロンメルは言う。
それを聞いて、ペルはおとなしく彼に誘導されるままに歩いていく。
「ほらこのすいどうでめをあらうんだ。
そうしたら、いたいの、なおるよ」
そういうロンメルにペルはこくん、と頷いた。
そしてそのまま目を洗う。
ずっと外にいたから、砂が目に入ったらしい。
暫く水道で目を洗っていたペルは満足したのか、顔を上げる。
ぶるぶると顔を振る彼に、ロンメルはハンカチを差し出してやった。
「ほら、これでふけばいい」
なかなかに世話好きな彼だ。
殊更、部下の弟的存在であり、自分を"おきつねさん"と呼んで慕うペルは可愛らしく見えるのだろう。
「め、なおったか」
そう首を傾げるロンメル。
ペルはぱちぱちと瞬きをしていたが、やがて小さく頷いた。
「大丈夫……治った、ありがと、おきつねさん」
あぁ痛かった、とペルは呟く。
こういった砂地になれていないペル。
砂になれていないのだろう。
対処法もよくわかっていないようだったし……
そう思いながらロンメルは自分がかけているゴーグルを外す。
そしてそれをペルに差し出した。
「え?」
ペルはきょとんとした顔をする。
ロンメルはそんな彼に得意げな顔をして、いった。
「はいらないようにわたしのゴーグルをかしてあげよう、これならだいじょうぶだ!」
これをかけていれば、砂は目に入らない。
そういうロンメル。
ペルはぱちぱちと瞬きをしながら、彼のゴーグルを受け取った。
「ごーぐる……?」
かけたことがないからわからない。
そういうペルのために、ロンメルは彼の目を保護するようにゴーグルをつけてやった。
「……目、痛くない」
「うん!これでもうだいじょうぶだぞ!」
そういって笑うロンメル。
ペルはそれを聞いて微笑んだ。
そしてポケットに手を入れて、何かを取り出した。
「これ、お礼……上げる」
ペルはそういう。
彼の手には、ぱらぱらと飴玉が乗っかっていた。
「これ、あげる……夏には、ちょうどいい……」
「ありがとう」
そういいながらロンメルは飴玉を一つ受け取る。
そして包みを開けて口に飴玉を放り込む。
レモン味の様だが、少ししょっぱい。
しかし決して不味くはない。
寧ろ、美味しい。
「うむ!これはびみだな!」
そう声を上げる、ロンメル。
ペルも一つ飴玉を口に放り込んだ。
そしてもくもくと口を動かしながら、いった。
「お医者さまから貰った……塩レモン、キャンディらしい。
暑いところ行くなら、食べたほうがいいって……」
ねっちゅうしょうぼうし、らしいよ、とペルは言う。
それを聞いてロンメルはふんふん、と頷いた。
「ほうほう、ならわがぶたいにもほきゅうしていただきたいものだな」
きっと役に立つだろう、とロンメルは思う。
彼が働く場所は、暑いわけだから……
ロンメルがそういうとペルは黒い瞳を瞬かせた。
そして、小さく首を傾げながら、いう。
「砂漠……暑い……大変?」
行ったこともないからわからない。
どういった場所なのかもよくわからない。
大変、なのだろうか?
そうペルが問いかけるとロンメルはこくりと小さく頷いた。
「たいへんだぞー、たいさもきたことあるからはなしをきいてみたらいい」
「クラウス兄さんも……うん、訊いてみるよ、おきつねさん」
ペルはロンメルの言葉に頷く。
そしてとりあえず彼にこの塩レモンキャンディを届けよう、と思ったのだった。
***
そんな、一方。
ブランはヘフテンと遊んでいた。
しかしそんな彼の顔は既に真っ赤だ。
ヘフテンはそれに気が付くと、"ちょっと待っててくださいね"といって、一度ブランから離れていった。
「すみませんハイドリヒさんー、ビーチパラソル貸してくださいよぅ」
パラソルの下で寛いでいるハイドリヒの傍に行くと、声をかけた。
それを聞いてハイドリヒは顔を上げる。
そしてちらとヘフテンと、彼と遊んでいた少年とを見て、頷いた。
「ああ、その辺に予備があるので持って行きなさい。
あとそこの空軍少佐からの差し入れのドリンクも良かったら」
どうぞ、というハイドリヒ。
それを聞いて、ヘフテンはぱぁっと顔を輝かせた。
「わーい!ありがとうございますー!」
助かりますよぉ、といってヘフテンはパラソルとドリンクを手に取る。
そんな彼にハイドリヒは"どうぞ"といってアイスを差し出した。
それはおそらく、ブランに渡してやれ、といったところだろう。
ヘフテンはそんな彼の言葉に"ありがとうございます!"と嬉しそうに言った。
そんな彼らの様子を見て、シュタウフェンベルクとカナリスは顔を見合わせる。
そして、苦笑しつつ、いった。
「あの金髪の野獣と普通に会話してる……」
「ヘフテン中尉、恐ろしいですね」
カナリスはそういって、苦笑する。
そして嬉しそうに笑いながらブランの方へ駆け出していくヘフテンの背を見つめていたのだった。
***
そうして、ヘフテンはブランのところに戻った。
休憩しましょう!と声をかけるが、案の定、顔を真っ赤にしたままブランは首を振る。
「まだあそぶー!僕平気だし!!」
そういいながらブランは近くに転がっていたビーチボールを手に取る。
ヘフテンはそんな彼のボールを取り上げつつ、いった。
「はいはい、とりあえず水分補給しましょうねー。
ガーデルマンさん特性ドリンク!きっと美味しいですよぅ。
あとハイドリヒさんからアイスキャンディーも貰いましたから食べましょう?」
「アイス!」
ヘフテンの言葉にブランはぱぁっと顔を輝かせる。
アイスで釣れるあたりが、ブランらしい。
そう思いつつ、ヘフテンは彼にジュースを差し出して、飲ませる。
そうしている間にパラソルを広げることも忘れずに。
「んん、美味しいー」
そういってぱぁ、と顔を輝かせるブラン。
ヘフテンはそれはよかったです、といいながらアイスもどうぞ、と差し出す。
それをペロペロと舐めながら、ブランは嬉しそうな顔をする。
「これで、倒れたりはしないかな……」
そういって、ヘフテンは目を細める。
彼が倒れたのでは、どうしようもない。
そういいながらヘフテンも貰ってきたジュースを口にする。
美味しいですねぇ、と笑うと、ブランも笑った。
そして小さく、"あとでお礼いいにいかないとなぁ……"と小さく呟いたのだった。
―― 子供への思いやり? ――
(小さい子には優しくしよう。
そんな想いが表にあらわれているような空間)
(ほら、そうすれば…
こんなにも明るく、楽しそうな顔が見られるのだから)