大人数で海ネタなお話です。
…たぶん、ほのぼのです←
あと多分続きます(笑)
*attention*
大人数でのお話です
メインはヒムラーさん、アイヒマンさん、アネット…あたり?
ベーメさんダリューゲさん空軍さん辺りも
ほのぼのなお話です…たぶん。
ある意味ギャグかも?
ビーチバレーで強化訓練!!
ライニさんが容赦なければいい←おい
アネットも涙目
というかみんな涙目
色々すみませんな謎テンション←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
じりじりと照り付ける陽射し。
打ち寄せる波の音。
それを聞きながら、赤髪の少年……アネットは伸びをする。
「んー!久しぶりにきた!」
晴れ晴れとした表情でそういうアネット。
彼とは対照的に、近くにいた赤紫髪の青年と黒髪の少年はややげんなりしたような表情で、いった。
「なんで、海なんですか……」
「暑いです……」
そう声を漏らすヒムラーとアイヒマン。
くるりと彼らの方を見て、アネットは笑った。
「戦闘訓練っすよ!
あんたたち二人とも、運動神経鈍いって聞いたから、ちょっとでもましになるように!
とりあえず遊び感覚で出来れば、って……
な?ラインハルト」
そういいながらアネットは視線を美しい金髪の少年……恋人であるハイドリヒの方へ向けた。
彼の言葉にハイドリヒはゆるりと頷く。
「えぇ。でも私は面倒なのでここから見てます」
さらりとそういってのけた彼にアネットは目を見開く。
彼らの戦闘訓練のために、ハイドリヒを読んだのに……
「えっ?!じゃ、誰がコーチするんだよ」
残念そうな声を上げるアネットをちらとみてから、ハイドリヒは視線を他所に向けた。
そこにいる二人の少年はすすっと前に出てくる。
その姿を見て、アネットは目を見開いた。
「ベーメ、ダリューゲ?!」
そう。
ハイドリヒの部下であるその二人がいたのである。
どうやら、彼らがコーチ代わりらしい。
まぁ、運動能力的には十分だ。
寧ろ、ハイドリヒほどの実力者にやらせたら危険か。
アネットはそう思いながら、二人に"宜しくな!"という。
ベーメとダリューゲは顔を見合わせた。
それからにぃ、と笑みを浮かべる。
「ボールはまずはこれですね!」
そういいつつベーメはボールを出す。
そのボールを見てアネットは目を見開いた。
「おい、それ、ビーチバレーのボールじゃ……」
「ありませんよ?」
そう。
彼が出したボールはビーチバレーのボールではない。
固い、革のボールだ。
「いやそれレシーブしたら腕骨折しますよ!?」
そう悲鳴を上げるヒムラー。
それを聞いてハイドリヒはふん、と鼻を鳴らす。
「したらいいじゃないですか。
ていうかしませんよどんなに貧弱なんですか」
馬鹿じゃありませんか、とハイドリヒは言う。
それを聞いてヒムラーは既に泣き出しそうな顔だ。
相変わらず部下に大事にされていないなぁと思いつつ、アネットは苦笑した。
アイヒマンはふと落ちた影を見て空を見上げる。
そこには魔獣に乗った仲間……スコルツェニーの姿があって。
「あのー……スコルツェニー中佐は何を……?」
恐る恐る、といった具合に彼はスコルツェニーに問いかける。
それを聞いて空中に浮かぶ彼はに、と笑って答えた。
「ああ、俺は上から落とす係だよ、避けろよー痛えぞー」
ほら始めるぞ。
そんな合図と同時に、ボールがびゅんびゅんと飛んできた。
ヒムラーとアイヒマンは悲鳴を上げて逃げ惑う。
「っちょ、これ、バレーじゃねぇだろ!」
そう悲鳴を上げるアネット。
"避けてどうするんですか"とハイドリヒから声が飛ぶ。
そこに追い打ちをかけるように、ベーメがボールを打ち込んできた。
……危険極まりない。
「こいつら……殺しにかかってる……!ってうわっ!?」
不意に足元をすくわれて、アネットは驚いた声を上げた。
いきなりなんだ?
そう思って視線を向ければ、そこにはもう一人の少年……ダリューゲの姿があった。
彼はにっこりと笑って、いう。
「下から足払いに狙ってますから注意ですよぉ」
そういいながら足元を狙う彼。
アネットはそれを躱しつつ身をひるがえす。
足払いをかけられたのか、ヒムラーは砂浜に潰れていた。
「ったく!」
こんなんバレーじゃねぇよ!といいつつ、アネットは飛んできたボールをとりあえずレシーブする。
しかし思いの外重たく、痛い攻撃にアネットは悲鳴を上げる。
「いってぇ……!」
じわりと視界が滲む。
涙目で手首を擦る彼を見て、外から笑い声が聞こえた。
それは、外から見ているルーデルのものだった。
「そんくらいで涙目になるなよアネットー!」
情けねぇぞぉ!とヤジが飛ぶ。
空中からも"どんどんいくぞ!"とスコルツェニーの声。
アネットはそれを聞いて悲鳴じみた声を上げた。
「人外のアンタらと一緒にしないでください!!」
普通に死にますって!!と声を上げるアネット。
それを聞いてもルーデルは豪快に笑うばかり。
アネットは"他人事だと思って……"とぼやきつつ前を向いた。
やられっぱなしは性に合わない。
そう言いたげにガーネットの瞳を煌めかせる。
「ほら、いくっすよヒムラーさん、アイヒマン!」
「無理ですぅっ!こんなのできるはずないです!」
殺される!と悲鳴を上げるヒムラー。
彼は、この三人の中で一番位が高いはずなのだが……
運動能力的には底辺といっても、良いのかもしれない。
「ボールに当たったんでもなく自分でスっ転んだだけであの傷とは……
本当に、救いようのない運動音痴ですね」
ハイドリヒが冷たく笑う声が聞こえてヒムラーは更にがっくりと肩を落とす。
アネットは"元気出してくださいよぉ!"と声をかける。
そして擦りむいただなんだと騒いでいるアイヒマンの背中を叩いた。
「ほらお前もぴぃぴぃいってないで立つ!戦え!」
「無理ですって!」
嫌です!と声を上げるアイヒマン。
彼も大概、戦闘向きの人間ではない。
それ故遊びがてら訓練すればいいと思ってこうして連れてきたのだけれど……
これでは、カンペキに戦闘訓練だ。
一体どうなっているんだ、とアネットは溜息を吐き出す。
「これくらいでいたいのなんのっていってたら前線に出られねぇぞ?」
外からルーデルの声が飛んできた。
完全に面白がっている様子のその声にアネットは顔を上げて、叫ぶ。
「アンタらと一緒の基準で考えないでくださいって!
マジで普通の人間なら死にますって!」
「防御するってことは考えられないんですか長官」
ほんとに無能ですね、と金髪の少年からもヤジが飛ぶ。
……もっともそれが向かうのは一点ではあったけれど。
「あ、そうか、防御……
って、この炎天下そんなにもつはずないですよぉ!!」
悲鳴を上げつつ、ヒムラーは降り注ぐボールを自分の防御魔術で防ぐ。
一個二個ボールが当たっただけで氷の髑髏は砕けるが、自分の足で走り回るよりマシだ。
「お前は逃げる!俺と一緒だ!」
アイヒマンにアネットはそういう。
彼は防御という防御はしない、出来ないから仕方あるまい、と。
「もういやですよこんなの!」
そう声を上げつつも、止まっていればベーメかスコルツェニーのボールの餌食になる。
さっき避け損ねて一つ掠めたが、痛かった。
当たったらどれだけ痛いだろう、と思う。
「あんなの当たったら骨折れちゃいますよ、ほんとに」
「折れはしねぇよ!……すげぇいてぇけど」
「それフォローになってませんアネットさん!」
もうやだこの人たち!とアイヒマンはボールを逃げながら声を上げる。
そんな彼らを容赦なく固いバレーボールが狙い続けたのだった……
―― 夏の強化訓練はまだ終わらない……?
―― Special lesson! ――
(こんな強化訓練、きいてない!
というか、もはや完全に実戦訓練並では?)
(遊びがてらと思ったのに何故か死にかけてる。
この状況を誰か説明してくれ…!)