シュタウフェンベルク兄弟でのお話です。
皆で一緒に寝るのっていいですよね…♪
大佐殿が可愛いです(笑)←
*attention*
シュタウフェンベルク兄弟でのお話です
本家Laurentia!設定のお話です
ほのぼのなお話です
大佐殿に甘えたいペルにゃ
そしてお兄様たちもそれに便乗してくれたら可愛いなって←
兄弟四人&シュヴァイツァーさんでおやすみなさい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
いつも通りの、静かな夜。
もうそろそろ時間も遅いし、寝る支度をしようか、と思っていた、そのとき。
くい、と服を引っ張られて、隻眼の少年……クラウスは視線をそちらに向けた。
そこにいたのは、小さな弟。
ちまりと自分の部屋着を引っ張りながら、黒い瞳で自分を見上げている。
「どうした、ぺル?」
そう問いかけながら、クラウスは身を屈める。
自分よりずっと背が低い弟。
こうしてやらないと、見下ろしている形になってしまうのだ。
そうして身を屈めてくれた兄を見つめて、ぺルは少し躊躇うように視線を揺らした。
そして、少し小さな声で、いう。
「今日は、ね……クラウス兄さんと、一緒に寝たい……」
そんなちょっとした我が儘。
それを聞いてクラウスは幾度かまばたきをした。
普段、ぺルは自分の部屋で寝ている。
しかし今日は、兄と一緒に寝たくなってしまったらしい。
時々こうして甘えるのが、彼の可愛らしいところだ。
幼い頃に母を亡くした。
一番甘えたい盛りにひとりぼっちになり、寂しい思いをした。
甘えたくても甘えられなくて……
その事をクラウスもよく知っている。
だからこそ、こうしてぺルが甘えてきたときにはなるべく甘えさせてやるようにしていた。
ぺルの言葉に、クラウスはふっと微笑む。
そして優しくぺルの頭を撫でてやりながら、いった。
「もちろん構わない、枕を持ってきたらいい」
そういってやると、ぺルはぱぁっと顔を輝かせた。
決して表情豊かとはいえないようなぺル出はあったけれど、こういう時は本当に嬉しそうな顔をする。
それを見るのが、クラウスも好きだった。
「ありがと、クラウス兄さん!じゃあ、枕とってくる……」
ぺルがそういって部屋に向かおうとしたとき、ひょいとふたつの影がぺルの後ろにたった。
「じゃあ僕も!」
そう声をあげたのは、長兄……ベルトルト。
それに続いて、双子の弟であるアレクサンダーも声をあげる。
「あっ俺も俺も!リビングに布団敷くか!」
そうしたらみんな一緒に寝れるよな!とアレクサンダーはいう。
それを聞いてクラウスは驚いたようにまばたきをした。
「兄さんたちも?」
まさか兄たちまでそんなことを言い出すとは思わなかった。
そういいたげな顔をしているクラウス。
その傍で、ぺルは更に顔を輝かせた。
「みんなと……いっしょ……!!」
嬉しそうに顔を輝かせるぺル。
彼を一度見てから、ベルトルトは"いいよね、クラウス?"と問いかける。
困った兄たちだ。
子供じゃないんだから。
そう思わないでもないけれど……
満更でも、ない。
兄弟と一緒にいるのは、嬉しいのだから。
しかしそれを表に表すのは何だか少し恥ずかしい。
クラウスは少し頬を掻きつつ、呟くようにいった。
「う……ま、まあ私は構わない、が」
別にいいけど、と彼がいうと、三人の兄弟ははしゃいだ声をあげる。
兄たちもぺルと同じようにはしゃいでいるものだから、誰が年上なのかわからないほどだ。
と、そのとき。
はぁ、と溜め息を吐き出す影がひとつ。
「……みなさんその布団誰が片付けると思ってるんです?」
そういうのはこの家の手伝いをしている、シュヴァイツァー。
兄弟は彼の発言で漸く彼の存在に気がついたように顔をあげた。
そしてベルトルトがにっこりと笑って、いう。
「もちろんシュヴァイツァーだよね」
「よろしくな!」
アレクサンダーもそういう。
あっさりとそういってのける双子に一瞬ぽかんとした後、シュヴァイツァーは溜め息混じりにいった。
「はいはい……もうこの際私もご一緒しますよ!!」
自棄になったようにそういうシュヴァイツァーにアレクサンダーは眉を寄せる。
そして、いった。
「やめろおじさん臭い」
却下、という彼。
その発言にシュヴァイツァーはやや大袈裟に驚いた顔をした。
「おじ……!?ひ、酷いですよ年頃のイケメンを捕まえて!!」
あんまりですよ!と声をあげる彼。
しかし兄弟はそっけないものだ。
「シュヴァイツァー鏡って知ってる?」
「シュヴァイツァー、とりあえず布団敷いてくれよ」
そういう双子の兄弟。
「シュヴァイツァー……僕達枕持ってくるから……」
末っ子もそういいながらお布団敷いて?とねだる。
「シュヴァイツァー頼む」
クラウスまでそういうものだから、あぁもう味方などいない。
「わかりましたよ!!もう!!」
ややいじけたようにそういって布団の支度をしに行く、シュヴァイツァー。
彼の様子を見て、四人はおかしそうに笑っていたのだった。
***
その後、四人プラスシュヴァイツァー(ぺルがせっかくだから一緒に寝ようといったのだ)の五人はリビングの布団に転がった。
いつもはベッドに眠る彼ら。
布団で寝るのはなんだか新鮮だ。
少し体を動かして、クラウスは隣に寝ている弟の方を見る。
そして小さく首をかしげて、問いかけた。
「ぬいぐるみないと寂しいか?」
いつもぺルはぬいぐるみを抱いて寝ている。
ぬいぐるみを抱いて、というよりはぬいぐるみに囲まれて、というのが正解か。
しかし今は流石にぬいぐるみを持ち込むだけのスペースはない。
寂しいかと問いかける兄に、ぺルはゆっくりと首を振る。
そして、はにかんだように笑いながら、いった。
「ううん……クラウス兄さんやベルトルト兄さん……アレクサンダー兄さんもシュヴァイツァーもいるから寂しくないよ」
そういって微笑む弟。
その様子を見て、クラウスはふっと笑みを浮かべる。
そしてぽん、とぺルの頭を撫でてやりながら、いう。
「そうか、ならいいんだが……
抱きまくらがなくて落ち着かないなら私に抱きついてもいいからな?」
少しおどけたようにそういう彼。
その言葉にくす、と笑ってぺルはうなずいた。
そして少しクラウスの胸に顔を埋める。
「うん」
ありがと、クラウス兄さん。
甘えるようにそういうぺル。
クラウスは片一方しかない手で彼の頭を優しく撫でてやっていたのだった。
***
それから、少しして。
一緒に眠る兄弟の寝息が重なる。
そのなかでぺルはもぞり、と少しだけ体を動かした。
と、いうのも。
自分をしっかりと抱き締めている兄……クラウスの腕を感じるからだ。
自分に、落ち着かなかったら抱きついてもいいといっていた兄。
それが、自分の体をしっかりと抱き締めているのである。
クラウスはクラウスで、穏やかに眠っていた。
小さな弟の、暖かい体。
すぴすぴと眠る彼の規則正しい寝息を聞いていると、落ち着いた。
―― 落ち着く。
そんなことを思っているうちに、いつのまにやら眠ってしまったようだった。
少しして目を覚ましたぺルは僕が抱きまくらになってる……と 気づいた。
少し戸惑いはしたけれど、嫌な感じはしない。
暖かくて、落ち着く。
彼の胸に顔を埋めれば、彼の鼓動が聞こえた。
―― 暖かくて、落ち着くな……
ぺルはそう思いながら目を細める。
そうしているうちに、うとうとと微睡んでいったのだった。
―― 落ち着ける場所は… ――
(兄さんの腕に抱かれて、眠る。
それはとても落ち着ける場所なんだ)
(可愛い弟と、愛しい兄さんたちと。
たまにはこんな穏やかな眠りも良いかもしれない)