科学者道化師コラボのお話デス。
ムッソリーニさんの勘違い可愛いなって←
*attention*
科学者道化師コラボのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定のお話です
ほのぼのなお話です
カルセと一緒に過ごすムッソリーニさん
頑張り屋さんなとこが可愛いです←
別のものをコン●ームの箱と勘違いするムッソリーニさん可愛いなって←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
穏やかな、月の夜……――
今日は、週末。
明日は学校もなくて、のんびり出来る……そう思いながら金髪の少年は息を吐き出した。
「ふぅ……」
のんびりした時間を過ごす彼……ムッソリーニ。
今日は恋人の部屋……カルセの部屋に泊まることになっている。
こうして恋人と一緒に過ごす休日は久しぶりだった。
大学に上がってからは忙しくて、二人でゆっくり一緒に居ることは出来なかった。
「さて……ちょっとやろうか」
そういってムッソリーニは体を起こす。
そして鞄からノートパソコンを取り出して、ぐっと伸びをする。
「おや、勉強ですか?」
ムッソリーニにそう声をかけるカルセ。
彼の方を向いて、ムッソリーニはにこりと微笑んで、いった。
「今からレポートちょっと進めとこうと思って……」
書かないと、と呟くように言う。
そして暫くカタカタとキーボードをたたいていたが……ふ、と溜息を吐き出した。
「あぁあ、俺馬鹿だからレポートなんか書けないよぉ……」
そういいながらムッソリーニは唇を尖らせる。
そんな彼を見て、カルセは苦笑した。
「はいはい……手伝ってあげますよ」
そういって、カルセは彼のパソコンと、傍に置いてあるレジュメやノートを見る。
"どんな課題なんですか?"と問いかけた。
教えてあげましょう。
そういう彼に、ムッソリーニは少し眉を下げる。
それから苦笑まじりにいった。
「ううん、駄目、手伝っちゃ」
「おや、どうして?」
カルセは不思議そうな顔をして彼に首を傾げる。
ムッソリーニはパソコンを撫でながら、いった。
「ズルは駄目だよ、自分でやんないと……」
そういって小さく息を吐き出すムッソリーニ。
しかし彼は苦笑して、ちらとカルセを見た。
そして小さく首を傾げて、カルセに訊ねる。
「でも……詰まったら助けてくれる?」
そう訊ねるムッソリーニを見て、カルセは微笑む。
そしてこくりと頷きながら、優しく彼の頭を撫でた。
「ふふ、勿論ですよ」
何でも聞いてくださいな、とカルセは言う。
それを聞いて、ムッソリーニは嬉しそうに笑って、頷いた。
***
それから、数十分。
暫しパソコンと向き合っていたムッソリーニは溜息を吐き出した。
「ふぅ……」
彼はぐっと伸びをした。
そして風呂に入る準備をしている恋人の方をみる。
「カルセさんー、おなかすいたー」
ムッソリーニはそう声をかけた。
ずっと作業をしていたのだが、疲れてしまったらしい。
カルセはそれを聞いて小さく笑いながら言った。
「お菓子、棚にありますから食べていいですよ。
もう夜も遅いんですから、食べ過ぎたらだめですよ?」
といっても、湿気っちゃいますか、と彼は苦笑する。
ムッソリーニはそういいながら小さく笑った。
「はーい」
そういいながらムッソリーニはうきうきと棚に向かう。
そしていつも彼が食べている菓子を手に取った。
「ほんとに貴方はあのお菓子、好きですね」
バスタオルを叩きながら、カルセはそういう。
ムッソリーニは蓋を開けた菓子を食べながら、笑顔で頷いた。
「うん!好きだよ!」
満面の笑みでそういう彼。
カルセはそれを見て穏やかに微笑む。
そうですか、と彼が返そうとするより先、ムッソリーニがへらり、と笑って、いった。
「でもね、カルセさんが作ってくれるパスタが一番好きー」
思わぬ彼の言葉。
それを聞いてカルセは目を丸くする。
それから彼から顔をそむけ、呟く。
「……まったく。
それは不意打ちってものですよ」
ぼそり、とした声。
それを聞いて、ムッソリーニはきょとんとする。
「へ?何が?」
彼は別段何か意識してそういったわけではない。
だから、きょとんとしているらしい。
カルセもそれはよくわかっている。
それを聞いて、ふわりと笑った。
「……何でもありませんよ。
じゃあ、お風呂入ってきますね」
カルセはそういってバスルームに向かう。
ムッソリーニは菓子を咥えながら首を傾げていたのだった。
***
カルセが風呂に向かってから少しして、ムッソリーニはふっと息を吐き出した。
そして、少し食べた菓子の蓋を閉める。
「湿気ちゃうかなぁ……テープで留めとこ」
これなら少しマシかな、といってムッソリーニは食べた菓子を片付ける。
と、その棚の箱の一つに目を留める。
と、彼の頬が真っ赤に染まった。
あ、あ、と掠れた声を上げる。
「っ、な、な……」
口をぱくぱくさせるムッソリーニ。
ちょうどその時、カルセがバスルームから帰ってきた。
その方をばっと振り向いて、ムッソリーニはひっくり返った声を上げる。
「っ、か、カルセさ……!」
「何ですか?」
そんな声を上げて、とカルセは小さく首を傾げる。
ムッソリーニはそんな彼を指さしながら、言った。
「何でこんなとこにおいとくんだよっ!」
「?何が?」
怪訝そうな顔をするカルセ。
ムッソリーニは震える指で、自分が見つけた箱を指さす。
「だから、これ……!」
彼の頬は真っ赤だ。
その理由……それは、そこに置かれている箱が"あるもの"だと思ったからで……
しかし、その旨はカルセには良く分からない。
どういうことですか、とカルセはきょとんとしたように首を傾げる。
ムッソリーニはそんな彼に言った。
「お客さんに見られたらどうするのさ!
た、確かにすぐに出してこれる場所だけど……」
使うものではあるし大事なものだけど此処に置くのは……云々。
それを聞いて、カルセは不思議そうな顔をしながらムッソリーニが見ている方をみた。
そしてすっと目を細めながら、いう。
「……お菓子であるグミの箱をキッチンの棚に置くのは何かおかしいですか?」
そう問いかけるカルセ。
それを聞いてムッソリーニはぱちぱちと瞬きをした。
「へ?」
グミ?
そういいながらムッソリーニはおずおずと見つけた箱を手に取る。
そして、良く見れば、それは確かにただの箱で……
「ご、ゴムじゃ、ないんだ」
そう呟いてほっと息を吐き出すムッソリーニ。
それを聞いて、カルセはくすと笑った。
そして小さく首を傾げつつ、訊ねる。
「一体何の箱と勘違いしたんですかね?」
―― ねぇ、ムッソリーニ?
意地悪くそう問いかけるカルセ。
それを聞いて、ムッソリーニは頬を真っ赤に染める。
そうして彼は暫しカルセにからかわれていたのだった。
―― 可愛い勘違いと… ――
(まったく貴方は可愛らしい。
そんな勘違いも、真っ赤になってそれを否定する姿も…)
(俺よりずっと年上の彼。
あぁ、俺はずっと彼には敵わないんだろうなぁ)