西さんとメイアンのお話です。
車やバイクがお好きな西さんなので…
こういうちょっとずれたところある西さんが愛しいです(笑)
*attention*
西さんとメイアンのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
車ネタなお話です
免許を持ってないメイアン
免許取れる年になったらすぐに免許取りそうな西さん
高級志向な西さん可愛いです(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
月明かりが降り注ぐ中……
歩いていく長い金髪の男性……メイアン。
彼は腕にはめている時計を見て、目を細めた。
「すっかり遅くなってしまったわね……」
メイアンは顔を顰めた。
そして、溜め息を吐き出しながら足を速めた。
彼が向かっているのは恋人である西の家。
いつも夕飯を作りに行っている恋人の家……――
いつもならばもう少し早く着くことが出来るのだけれど、今日は仕事が多く残っていて遅くなった。
もう既に、恋人……西は家に帰ってしまっていることだろう。
「寂しがってなきゃいいんだけど……」
そう呟きながらメイアンは西の家を目指す。
大きな、広い広い屋敷。
通い慣れた、そこ……――
やっと着いた、とメイアンは息を吐き出す。
そしてドアを開けた。
「西、ただいま!」
そういいながらメイアンは西がいるであろうリビングに向かう。
西はソファに寝そべって寛いでいた。
「ただいまってなんだよ……」
西の少し拗ねたような声。
やはり、少なからず寂しかったらしい。
そう思いながらメイアンは苦笑する。
「ごめんなさい、思ったより時間がかかっちゃって」
「確かに今日は仕事で遅くなりそうだとか言ってたけどさ……」
そうぶつくさとぼやく彼。
それでも絶対に"寂しかった"とは言わないあたりが、西らしい。
「腹減ったんだけど」
飯は?と問いかける西。
しかし彼は本気ですぐに夕飯を作れといっているわけではないらしいということが分かった。
こうしてかえって来てくれたことにほっとして、もう暫くこうして居たいという感情を感じた。
「そうして服を掴まれていちゃあごはん作ることは出来ないわよ?」
メイアンはそういってくすくすと笑った。
西はその言葉を聞いてはっとした顔をした。
そして慌ててメイアンの服を掴んでいた手を離す。
「べ、別に、そういう意味じゃ……!」
「そういう意味ってどういう意味よ……
まぁ、良いわ。
あら、これ……」
ふと視線を移したメイアンは少し驚いたような顔をする。
そして、ソファの上に散らばっていたそれを手に取った。
「車の雑誌じゃないの。
西が買ってきたもの?」
「それ以外に何があるんだよ」
メイアンの問いかけに彼は苦笑する。
俺が買ってきたんだよ、という西。
ふぅん、と声を上げたメイアンはその雑誌を拾い上げて、ぱらぱらとめくった。
「わぁ、カッコいいわねぇ」
そう声を上げるメイアン。
そんな彼の姿を見て、西は意外そうな顔をする。
「カッコいいとか、メイアンでも思うんだな」
そういう西。
それを聞いて、メイアンは少しむくれたような顔をした。
「失礼ねぇ……
私だって一応男よ?」
こういうものに興味だってあるわよ、という彼。
しかし頬を膨らませてむくれている彼を見るに、"男らしい"とは到底言えない。
西は苦笑を漏らしつつ、言った。
「でもなんか、メイアンの口から車やらなんやらに興味あるなんていわれるとなぁ……」
何か違和感あるんだよな、と西は言う。
メイアンはその言葉にむくれたような顔をしながら、いった。
「良いじゃない、こういうの……
ねぇ、このしるしがついているのはなぁに?」
メイアンは捲っていた雑誌を見て、いう。
彼の指先が示す雑誌。
そのページには、いくつかしるしがついている。
それには何か意味があるのかとメイアンは西に問いかける。
それを聞いて、西は瞬きをした。
それから、ふっと笑って言う。
「あぁ、それ?俺が欲しいって思ったやつ」
そういう西。
メイアンはそれを聞いて瞬きをした。
「え?欲しいって……」
「俺、十八になったらすぐに免許取るから。
そしたら買いたいなぁって車だよ」
今からめぼしつけてんだ、と西は言う。
それを聞いてメイアンは改めて雑誌に視線を向けた。
「これ……高級車ばっかりじゃないの」
いろんな国の車が載ってるけど、とメイアンは言う。
西が読んでいた雑誌。
それにつけられたしるし。
それはあらかた、高級車にばかりついていた。
ドイツ、イタリア、アメリカ……
色々な国の車。
その写真を見ながら、メイアンは目を細める。
「これが欲しい車なの?」
そう問いかけるメイアン。
西はその言葉に金の瞳を瞬かせる。
そして、こくりと頷きながら、いった。
「そうだよ。
どうせ買うなら、良い車の方が良いだろ?」
そう首を傾げて見せる西。
あっさりとそういい放つあたりが、彼らしい。
普通の人間からしてみれば、免許をとったばかりの十八の少年が買うような車ではない。
「貴方という子は、まったく……」
貴方らしいといえば貴方らしいけど。
メイアンはそういって苦笑した。
西は彼の言葉に少しむくれた顔をする。
そして、肩を竦めながら言った。
「どうせ乗るなら、カッコいい車の方が良いだろ?
そう思うのはおかしな事じゃないだろうがよ」
そういう西。
メイアンは"確かにそうだけど……"といってから、ふっと息を吐き出した。
「……まぁ、いいわ。
貴方らしいとは思うし」
そういうメイアン。
西はその言葉に"なんだよその言い方……"と呟いた後、ふと何か思いついたような顔をした。
そして小さく首を傾げながら、いう。
「そういや、メイアンは免許もってないんだっけ?」
そう問いかける西。
メイアンはそれを聞いて小さく頷いた。
そして、苦笑を漏らしつつ言う。
「とる時間もなかったし、取ろうとも思わなかったし……」
とれる気もしなかったのよ、というメイアン。
それを聞いて、西は苦笑を漏らしつつ、言う。
「お前は確かに鈍いもんな……」
「失礼しちゃうわね……でも強ち否定できないわ」
そういいながらメイアンはふっと息を吐き出す。
西はそんな彼を見ながら、いった。
「俺がお前だったら即行で免許とって車乗り回すのに。
二十歳越えてるのに免許もとらねぇとか……」
勿体ねぇな、と西は呟く。
メイアンはその言葉に苦笑を漏らしつつ、いった。
「無理なのよ、私は……だから」
ふ、と目を細めるメイアン。
彼はするり、と西の頬をなぞりながら、首を傾げる。
そして驚いた顔をする彼に問いかけた。
「私を西の車に乗せてくれる?」
貴方の運転する車に、とメイアンは言う。
それを聞いて、西は幾度か瞬きをした。
それから、ふっと笑って言う。
「俺は構わねぇけど?」
「あ、安全運転で頼むわね」
くれぐれも、と思い出したようにメイアンは言う。
西がバイクでもかなり飛ばすことはよく知っていた。
「ちぇー……
ある程度スピード出るのもカッコいいんじゃん」
「貴方の言う"ある程度"は犯罪レベルなのよ」
まったくもう、と頬を膨らませるメイアン。
西はそんな彼に"はいはい"と苦笑して見せた。
「わかったわかった。
ほらメイアン、飯ー、腹減った」
そういう西。
メイアンは誤魔化すようにそういった恋人に"仕方ない子ねぇ"と笑いつつ、キッチンに向かったのだった。
―― Mark ――
(雑誌につけたしるし。
それは、俺がいつか欲しいと思うもので)
(貴方はそういうものが好きよね。
いつか、その車の隣に私を乗せてくれるかしら?)
2015-4-30 15:01