赤髪金髪コラボ&西さん&メイアンなお話です。
メインはアネットと西さんの絡みですかね…
無茶苦茶な気質のアネットとそれに巻き込まれつつ何となくウマが合いそうな西さん可愛いです←
*attention*
赤髪金髪コラボ&西さん&メイアンなお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定でのお話です
ほのぼのなお話です
ともすればギャグ
西さんとアネットが多分メイン
一緒にサッカーな西さんとアネット
アネットの無茶に付き合わされる西さん
それでも西さんが楽しんでくれてたらいいなって
色々ごちゃごちゃしてますが…←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
大分日も傾き始めた、放課後……
広いサッカーのグラウンド。
そこに集まっている、揃いのシャツを着た少年たち……――
いつもならば整然と並ぶ彼ら……サッカー部の部員なのだけれど……
今日はいつもより、かなり人数が少なかった。
その状態を見て、部長である赤髪の少年はひくり、と表情をひきつらせる。
そして、溜息まじりに部員たちを見ながら、いった。
「なぁ、何でこんなに人数少ないんだ?
今日委員会とか行事とかあったか?」
そう問いかける部長。
その声に、部員たちは顔を見合わせる。
そして、一年生の一人がおずおずと口を開いた。
「いや……なんもありません」
そう声を上げる一年。
その言葉に赤髪の彼……アネットは眉を寄せる。
そして、"じゃあなんでだよ"とやや苛立ったような声で言った。
それを聞いて部員たちは顔を見合わせる。
それからアネットの方を見て、いった。
「あのー……ほんとは、部長も知ってるんじゃないっすか?」
そう問いかける部員。
それを聞いてアネットはひくりと表情をひきつらせた。
そして、盛大な溜息を吐き出して、言う。
「知ってるよ!知ってて尚且つ、お前らに確認させるために聞いてんだろうが!」
そういうアネット。
その大きな声に少年たちは顔を見合わせ、溜息を吐き出した。
「……風邪が流行してて」
「うちの部の連中も揃いも揃ってかかったからっす」
そう答える部員たち。
それを聞いて、アネットは顔を歪めて、小さく息を吐き出した。
「そうだよ……
ったく、揃いも揃って……ほんっとたるんでんな!」
そう叫ぶように言うアネット。
そんな彼の頭を何かがべし、と叩いた。
「痛っ」
そう声を上げるアネット。
彼が恨みがまし気に視線を向けた方向には金髪の少年……ハイドリヒが立っていた。
艶やかなな長い髪を揺らして、やや呆れた表情を浮かべている彼。
「なんとかは風邪を引かないっていいますから……
此処に残ったのは揃いも揃って馬鹿ばかり、ということですね」
呆れたようにそういうハイドリヒ。
それを聞いた部員たちは"ひでぇっすよ"と苦笑を漏らす。
アネットもむくれたように唇を尖らせて、いった。
「お前仮にも恋人に向かって馬鹿とか言うか?」
「貴方が馬鹿なのは事実でしょう。
この人数でどうやって部活やるんですか、ミニゲームだって人数ぎりぎり足りないでしょう」
そういって溜息を吐き出すハイドリヒ。
それを聞いてアネットは困ったように赤髪を掻き揚げた。
そして、溜息まじりに言う。
「そうなんだよなぁ……
週末試合だし、出来ればちゃんとしたゲームをやりたいんだけど……」
そう呟くように言ってアネットは困り切った顔をする。
そう。
彼らの部は、今週末に試合を控えている。
だから今日はどうしても練習をしたくてこうして部員を集めたのである。
とはいえ、だ。
ミニゲームをやろうにも、人数が足りない。
一人二人という程度だが、やはり出来る限り本番に近い形で試合をやりたい。
「以前なら、私が混ざってやることも出来ましたけど……」
「そうしたらほかの仕事出来なくなっちまうしな」
アネットはそういって溜息を一つ。
ハイドリヒはそうなのですよね、といいながら手に持ったクリップボードを持ち直した。
「誰か出来そうな奴居ないかな……」
アネットはそういいながらぐるり、と周りを見渡す。
そして、ぱっと顔を輝かせた。
「いた!」
そう声を上げると同時。
アネットはばっと駆け出した。
「えっ」
「アネットさん!?」
ハイドリヒと部員の驚く声を後ろに、アネットは走り出す。
そして彼の足が向かったのは、昇降口の方だった。
そこを歩いていく、一つの影。
それは黒髪に金の瞳の少年……西で。
「今日はどうすっかな……」
西は小さくそう呟く。
交流授業でこの学校に来ていた彼。
今日の授業は終わり。
部活もないし帰ることになっていたのだけれど……
いつも夕飯を作りに来てくれるこの学校の教師……メイアンはまだ仕事。
彼が家に来てくれるまでにはまだかなり時間がある。
学校で時間をつぶそうとも思ったのだけれど、これといってすることも、一緒に何か出来る友人もいない。
だから、完全に暇を持て余す。
そう思いながら、西は小さく息を吐き出した。
と、その時。
わしっと、腕を誰かに捕まれた。
「なっ……」
驚いて反射的に振りほどこうとする。
しかし、振りほどくことが出来ないほどの腕の強さだった。
「な、な、な……」
「居た、救世主!!」
不意にそんなことをいってくる、赤髪の少年……アネット。
西は驚いたようにその少年を見つめる。
赤髪の彼は西に笑いかけながら、いった。
「俺、アネット・ホークルス!
この学校のサッカー部の主将だ!
なぁお前サッカー出来る?」
「はぁ?」
唐突な自己紹介と問いかけ。
それにきょとんとしつつ、西は頷く。
「まぁ、授業でやるくらいには……
普通に出来るけど」
「よっし、ならいいや、来て!」
「え!?」
なんだよ、と声を上げる西を掴んだまま走るアネット。
西はそれに引きずられていったのだった。
***
そうして連れていかれたのは、グラウンド。
驚いた顔をしている西に、アネットは部室から引っ張り出してきたスパイクと練習着を渡す。
「これ!ちゃんと洗濯してあるやつだから!
着て、グラウンド来て!お前……名前は?!」
「え?俺は……西、西竹一」
「西な!よし、お前はAチームな!助っ人頼んだ!」
そういうとアネットは西を部室に置いてほかの部員たちの方へ走っていく。
西が拒否する暇も何もなかった。
「……まぁ、この状況で断れもしねぇけどさ」
そう苦笑しつつ、西は服を脱ぐ。
そして、アネットが用意してくれた練習着とスパイクに着替えたのだった。
そうしてグラウンドに向かうと、アネットに"よし、西来い!"と声を上げる。
西が彼の隣に行くと、アネットは笑顔で彼を紹介した。
「今日助っ人に入ってもらったえっと、西だ!宜しくな!
今日はAチームでやってもらうよ!
じゃあ散れ!試合開始だ!」
張り切ったようにそう声を上げるアネット。
おー!という声と一緒に部員たちは散らけていく。
西もそんな彼らと一緒にボールを追いかけはじめた。
「お、そっち行ったぞ西!」
「おぅ!」
アネットからのパスを西は軽くトラップする。
そしてゴールの方を見た。
ゴールまでの距離を瞬時にはかり、目を細める。
「よっと」
もう一度軽くトラップしたボールをゴールに向かって蹴る。
それは真っ直ぐにゴールに飛んでいった。
思わぬ位置からのシュートだったのだろう。
キーパーも反応出来ず、ボールはゴールネットを揺らした。
「おぉ、ナイッシュー!」
アネットはそういいながら西に手を出す。
一瞬それに驚いた顔をした西だったが、すぐに笑みを浮かべる。
そして彼とハイタッチを交わした。
「んで、お前!止めろよ!」
アネットからキーパーにそんな言葉が飛ぶ。
すんません、とその部員が詫びるのを見てから、アネットは笑顔で言った。
「よし、もう一点とってやろうぜ!」
「お前はどっちの味方だよ」
西は少しおかしそうに笑う。
マイペースで呑気。
でも楽しそうな彼の様子に、つられたように。
***
「はー、今日は楽しかったな!」
部活の時間を終えて、アネットは西にいった。
汗を拭い、着替えた彼は彼の言葉にやや躊躇いつつ、頷く。
「おぅ……いきなりでびっくりしたけどな」
「アネットさんがいきなり誘うからですよ、まったく」
貴方のマイペースぶりには呆れます、とハイドリヒは溜息を一つ。
アネットはむくれつつ"でも部活出来たんだから良いだろ!"という。
西は彼の言葉に苦笑しつつ、いった。
「まぁ、うん……楽しかった、よ」
「へへっ、また暇な時にでも来いよ!やろうぜ!」
俺はいつでも歓迎だ!と笑顔で言うアネット。
ほかの部員たちも寧ろ部に入ってほしいだのなんだのと勝手なことを言っている。
生憎馬術部が忙しいからそういうわけにもいかないけれど、たまにはいいかもしれない。
そう思いながら西は自分の鞄を持った。
「じゃ、またな」
「おぅ、お疲れ!」
西は部室を出る。
それと同時……
「珍しいわね西」
聞こえたのは、恋人の声。
緑の瞳を細めながら、彼は言う。
「びっくりしちゃった。西がサッカーなんかやってるから」
「……誘われたんだよ。人員不足だと」
照れ隠しのようにそういう西。
どうやら自分が終わるのを待っていたらしい恋人……メイアンに彼は"帰るぞ!"という。
メイアンはそんな彼を見てふっと笑うと、彼を追いかけたのだった。
―― Assist… ――
(思わぬ形での、助っ人参加。
明るく無邪気で無茶苦茶なあいつに巻き込まれるのは決していやなことではなくて)
(珍しく団体競技に勤しむ恋人。
その楽しそうな様子に私が笑ってたの、知ってる?)