シュタウフェンベルク四兄弟のお話です。
こうして弟の課題を手伝うお兄さんたちもいいかな、と…←
素敵ですよね兄弟って(^q^)
*attention*
シュタウフェンベルク四兄弟のお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定のお話です
ほのぼのなお話です
お兄さんたちに宿題を手伝って貰うペル
こういう課題なら張り切って出来るだろうな、と…
そしてお兄さんたちも楽しんで手伝ってくれたら嬉しいなと←
また何処か連れて行ってあげてください←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
いつも通りの、穏やかな夕方。
ベルトルトがキッチンで食事を作り、クラウスやアレクサンダーは各々の席でコーヒーを飲んでいる。
「あれ?ペルは?」
ふと気が付いたように、クラウスが声を洩らす。
他の兄達も周囲を見渡す。
姿が見えない、末っ子。
さっきまでそこにいたはずなのに、とクラウスが呟いた、その時。
リビングのドアが開いて、姿が見えなかった末っ子……ペルが入ってきた。
「あ、ペル。何処に行っていたんだ?」
クラウスはペルにそう問いかける。
するとペルは兄達をじっと見つめた。
そしてちょこりと首を傾げて、言う。
「あのね……兄さんたちのことを、教えてほしいんだ」
唐突な弟の言葉。
兄達は一斉にきょとんとした顔をした。
「え?」
「僕たちのこと?」
どういうこと?というように首を傾げる兄達。
ペルはそんな三人に何かを差し出した。
それは一枚のプリント。
クラウスがそれを手に取り、視線を巡らせる。
「課題か?
社会科のようだな……」
「うん……歴史の、宿題で……ね。
歴史上の人物について調べてくるように、言われたんだ」
ペルはそう説明する。
それを聞いて、クラウスたちは納得した顔をした。
「なるほど、それで僕たちに……」
そう呟くベルトルト。
ペルはこくりと頷いた。
そして、三人の兄を見つめて、言う。
「だから……教えて、くれる?」
そう問いかける、ペル。
その言葉に兄達三人は顔を見合わせた。
それから、穏やかに笑って、頷く。
「私たちは勿論構わないさ」
「あぁ!んで、誰に関して?
この課題見る限り、一人分で良いみたいだけど……」
アレクサンダーはそう問いかける。
ペルはその言葉に少し悩む顔をした。
それから、兄達を見つつ、言う。
「時間があれば、と思ったから……
三人とも居るなら、誰に教えてもらおうかな、って悩んでた、の」
ペルはそういう。
その言葉にベルトルトが小さく笑った。
「そっか。
じゃあ僕は?もう夕飯の支度は終わるし……」
「いやいや、まだ準備中だろ?
此処は俺が……」
その言葉にアレクサンダーが待ったをかける。
ベルトルトはそんな双子の弟の言葉に少し眉をよせ、"もう終わるし!"と反論した。
此処までは、いつも通りのやり取りだ。
しかし今日はいつもと少し違っていた。
「いや、此処は歴史的資料も多い私が教えよう」
珍しく、シュタウフェンベルク家の末っ子、クラウスも参戦。
そんな兄達の様子にペルは少しだけ困ったような顔をする。
アレクサンダーとベルトルトがクラウスの取り合いをするのはよく見ていたし、
自分とだれが遊ぶかという話もちょいちょいしていたけれど……
こういった状態で兄達が争って(とはいっても、ちょっとしたものだが)居るのを見るのは初めてだ。
「……あの」
ペルが三人に割って入る。
彼の声に兄達は顔をあげた。
ペルはそんな三人を見てはにかんだように笑うと、言った。
「僕……兄さんたち、三人ともの事……知りたい、な」
一人じゃなきゃダメとは言われてないし、とペルはいう。
その言葉にクラウスはなるほど、という顔をした。
そしてふっと微笑むと、ペルの頭を撫でてやりながら、言う。
「そうだな……
私たち兄弟、三人のことを調べて出してくれたら嬉しいな」
クラウスがそういうと、ペルはぱぁっと顔を輝かせる。
そして何度も頷きながら、言った。
「うん!兄さんたち、手伝って、くれる?」
そう問いかけるペル。
ベルトルトとアレクサンダーもその言葉に笑顔で頷いた。
「勿論!」
「じゃあ、ベルトルトが夕飯の支度終わるまでは俺とクラウスで見てようか」
アレクサンダーが"それでいいだろ?"とベルトルトに問いかける。
それなら異存はない、というようにベルトルトも頷いた。
「夕飯が終わったら僕が見ればいいね」
「うん、お願いします……」
ぺこり、と頭を下げるペル。
そんな弟の姿を見て、兄達は微笑ましげに笑ったのだった。
***
とりあえずは手が空いているクラウスとアレクサンダーから、ということで話はまとまった。
ペルは二人が居るダイニングテーブルにつきながら、彼らの話を聞いていた。
「に、しても……納得いかないよなぁ。
兄弟三人の中で、俺だけやたら資料が少ないのはさ」
そういって唇を尖らせるアレクサンダー。
"ベルトルトでさえもうちょっとあるのに"と小さく呟く彼を見て、クラウスは苦笑する。
「致し方ない、としか……」
「そりゃクラウスが多いからそういう事言えるんだろ」
そういいつつ、アレクサンダーは溜め息を一つ。
そんな彼らの様子を見てペルはくすくすと笑った。
「確かに……
クラウス兄さんのは、図書館にも、たくさんあった……」
「だろ?もう……なんだかなぁ」
俺の方が年上なのに、とぼやくアレクサンダー。
クラウスはそんな兄のようすに微笑んでいる。
「でも、アレクサンダー兄さんから直接、色々聞けるから……良い」
資料、必要ない、とペルはいう。
その言葉にアレクサンダーは一瞬目を丸くした後、嬉しそうに笑った。
そして"それもそうだな"という。
「良いレポートがかけそうか?」
「うん……」
ペルは嬉しそうに頷く。
と、ベルトルトが準備が終わった料理を持ってやってきた。
そして少しむくれたように唇を尖らせながら、言う。
「僕抜きでどんどんすすめないでよね……」
何か楽しそうにやってるけどさぁ、と少し拗ねた様子のベルトルト。
そんな彼を見て、ペルはちょこり、と首を傾げる。
「ベルトルト兄さんのも、書く、よ?」
「ふふ、ありがとう。
さ、とりあえず一旦片付けて?夕飯だよ」
そういう彼にペルは頷いて、いったん片付けに行く。
そんな彼の表情は楽しそうで、ベルトルトもふわりと笑ったのだった。
***
そうして、何とか課題は完成した。
普通中学生はそこまで知らないだろう、というところまで書けたのも、
全ては当人たちがペルに教えてやったからで……
ペルは意気揚々とそれを提出したようだった。
その提出日から数日後……
その日は兄達の帰りがペルよりも遅かった。
なるべく早く帰ってやらなくては、と思いながら帰る。
「ただいまペル、遅くなってごめん!」
ベルトルトがドアを開けながらそういう。
リビングのドアを開けるのと、同時。
ペルが何かを持って三人に駆け寄ってきた。
そして嬉しそうに笑いながら、言う。
「先生に、褒められた……!
はなまる貰った……見て……!」
そういいながらペルが掲げるのは、先日のレポート。
彼の言う通り、レポートには確かにはなまるが付いている。
小さく書かれた先生からのコメントと思しき赤い文字でも、
"良く調べてありましたね"と書いてあり、かなりの高評価であったのがわかる。
それを見たベルトルトは笑顔を浮かべて、ぎゅっとペルを抱き締めてやった。
「やったじゃんペル!」
「凄いなぁ」
アレクサンダーもわしゃわしゃとそんな彼の頭を撫でてやる。
ペルは嬉しそうな表情でそんな兄達を見ていた。
クラウスも横からペルの頭に手を置いてやりながら、言う。
「凄いな、ペル」
「ふふ、兄さんたちの、お陰……ありがと」
はにかんだようにそういうペル。
ベルトルトは彼を離してやりながら、言った。
「これは、お祝いしないとね?
ペルのために御馳走作るよ」
今日は無理だから明日だけど、といってベルトルトは笑う。
アレクサンダーもペルを撫でながら、言った。
「何か欲しいものはあるか?
ご褒美に、買ってあげるよ」
「ううん、ほしいものは、ない……
でも、兄さんたちと一緒に、お出掛け……したい、な」
そういうペル。
彼からすれば、その方がよほどうれしいご褒美らしい。
そんな弟の言葉に兄達は嬉しそうに笑う。
そして"じゃあ何処にいこうか"と彼に声をかけたのだった。
―― Homework ――
(宿題で、大好きな兄さんたちについて調べられる。
それは、僕にとってはすごくうれしいことだったよ)
(それに、兄さんたちも褒めてくれて、とても嬉しかったんだ。
今度は、何処に一緒に遊びに行けるかなぁ?)