西さんとメイアンのお話です。
二人のこういうやり取りを書きたかったのです…←
*attention*
西さんとメイアンのお話です
ほのぼの?なお話です
怪我から回復したメイアンと西さんの話です
ウラヌスさんと一緒の西さんを書きたくて
こういうたわいないやり取りも好きです
メイアンはどういう思いでそれをいったのだろ、と言う話←←おい
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKと言うかたは追記からどうぞ!
綺麗に晴れた青空。
枯れ葉が降り積もる地面……
その上に立つ、一頭の黒馬。
その頭を、黒髪の少年……西は優しく撫でた。
「ウラヌス、元気か?」
大切な愛馬……ウラヌスの頭を撫でながら、西は微笑む。
そんな彼の掌のやさしさに応えるようにウラヌスも嘶いた。
今日は、良い天気だ。
気温は少し低いが、澄んだ空気が心地よい。
そう思いつつ西は金色の瞳を細めた。
そんな彼の後ろから近づく、ひとつの影。
長い金色の髪が風に靡く。
ゆっくりと西に近づいていったその影は、後ろから彼に抱き付いた。
「西ー!」
背中への衝撃。
それに彼は驚いた声をあげた。
「わ……びっくりした……」
そう声をあげながら、西は振り向く。
そして自分の背中に抱き付いている長い金髪の男性を見て小さく息を吐き出す。
「メイアン……」
彼の名前を呼べば、彼はにこりと笑う。
そして抱き付いた西の肩に頬をすり寄せながら、言った。
「やっと外に出てこられたよ」
彼はそういう。
そんな彼の言葉に西はゆっくりと瞬きをする。
そして視線を彷徨わせた後、言った。
「……もう良いのか?」
良いのか、というのは彼の体の事。
先日の任務で重傷を負った彼……メイアン。
傷が完全にふさがるまでは絶対安静ということで、
メイアンは暫しディアロ城の医療部隊の世話になっていた。
もう怪我は良いのか、という意味で西は問いかけたのだ。
彼の問いかけにメイアンは微笑んで頷く。
そして、柔らかな声で言った。
「えぇ。もう大丈夫。
心配かけてごめんなさいね」
そういって、メイアンはすまなそうに微笑む。
西は、彼の怪我をかなり心配した。
彼が、死んでしまうのではないかと……――
その時の彼の必死さを、嘘をつくな離れるなと訴える彼の言葉を、
メイアンははっきりと覚えている。
頷く彼を見て、西もほっとしたように頷いた。
そして、彼から視線を背けつつ、呟くような声で言う。
「……あんまり無茶苦茶するなよ」
彼らの仕事柄どこからが無茶なのかはよくわからないけれど……
この前のようなことはまっぴらだ、と西は呟くように言った。
それを聞いて西はふわりと微笑み、頷く。
「わかったわ。なるべく気を付けるわね」
そういう彼に西は仏頂面をした。
そして、溜め息混じりにいう。
「なるべく、じゃなくて」
そこから先の言葉は続かない。
なるべく、ではなくて……絶対、といってほしかった。
彼に怪我をしてほしくない。
この前のように、死ぬような目に遭ってほしくない。
西は、心の奥ではそう思っている。
……それを表面化できるだけの素直さを、彼は持ち合わせていないのだけれど。
メイアンはそんな彼の性格をよく理解している。
だから、小さく笑って、言った。
「ふふ、わかった」
気を付けるわね。
メイアンは西にそういった。
その言葉に彼は体の強張りを解いた。
彼の力が緩んだところで、メイアンは首を傾げる。
そして、問いかけた。
「何をしていたの?」
こんなに寒いのに、とメイアンは呟く。
西はそんな彼の言葉に頷くと、ウラヌスの鬣を撫でながら、言った。
「ん……ウラヌスと、ちょっと一緒に」
遊ぼうかと思って、と西はいう。
彼の発言に西は緑の瞳を大きく見開いた。
「あら、遊びに行くところだったかしら。ごめんなさいね」
邪魔しちゃったかしら、とメイアンは西にいう。
済まなそうな表情の彼に、西は慌てたようにメイアンにいった。
「い、いや……別に出かけるつもりはなくて……
此処で、障害物訓練でもしようかと思ってただけだから」
大丈夫だ、と西はいう。
メイアンはそれを聞くと嬉しそうに微笑んだ。
「なるほど……
じゃあ、此処で見ていても良い?」
出掛けないのならば良いよね、と彼は言う。
西はそれに一瞬動揺したような表情を浮かべたが、小さく息を履きだしつつ、頷いた。
「……あぁ、構わない……」
観客(ギャラリー)が居るのはいつものことだし。
……それがメイアンであるというのは、いつもと違う状況かもしれないけれど。
メイアンは西の言葉に嬉しそうな顔をした。
「ありがとう」
礼を言う彼。
それを見て頷くと、西はウラヌスの背に跨った。
そして愛馬の首を軽く撫でつつ、いう。
「……行くぞ、ウラヌス」
そういうと、彼はキッと前方の障害物……基積み重ねた薪を見た。
先日の失敗を考えて今日は少し低めにしてあるけれど……
少し緊張しているのは、みているのが彼だからだろうか。
そんな彼の気持ちを感じ取ったのか、ウラヌスは小さく嘶く。
大丈夫、というように。
そんな愛馬の様子に笑みを浮かべると、西は"行け!"と指示を出す。
ウラヌスは一声高く嘶くと勢いよく駈け出した。
そして高く高く、障害物を飛び越える。
心配する必要などなかったのだろう。
ウラヌスは易々と障害物を飛び越えてみせた。
上手く着地したウラヌスとその背で"偉いな"と微笑む西。
その姿を見てメイアンは拍手をした。
「カッコいいわね」
そういってメイアンは微笑む。
心からの称賛に、西は照れたように視線をあちこちに彷徨わせる。
その後、頬を引っ掻きながら彼は言った。
「あ、ありが、とう……」
そんな彼を見て、メイアンはくすくすと笑った。
そして馬から降りた西に歩み寄ると、彼の頬を突きながら、いう。
「……照れちゃって、可愛い」
そういいながら彼はくすくすと笑った。
彼の反応に西はかぁっと頬を赤く染める。
そして金の瞳を瞬かせながら、彼は言った。
「か、可愛いいうな!」
照れて仕方がないという風な彼。
頬を真っ赤にしてそういう彼に、メイアンは目を細める。
そして、西のすぐ傍に居る黒馬を見て、微笑んだ。
「ウラヌスも、お利口なのね……
私はたまにしか乗馬はしないから、あんまりお馬さんと関わったことないのだけれど……」
慣れない馬を勝手に撫でるのは危険だという認識はあるらしい。
メイアンはウラヌスに手を伸ばしこそはしないものの、穏やかに微笑んでいる。
「西と息ぴったりね。凄いわ」
さっきの凄かったわ、とメイアンはいう。
それを聞いて、西は少し得意げに言った。
そしてぽんぽんとウラヌスの背を叩きつつ、いう。
「大事な相棒だからな」
かけがえのない相棒。
馬が相棒なんて、という人間もいるかも知れないけれど……
西にとってはウラヌスが一番の友人であり、相談役であり……
相棒という言葉がぴったり似合うのだった。
メイアンはそんな彼を見て緑の瞳を細める。
「そう……」
本当に似合いだものね、とメイアンはいう。
冷たい風が吹き抜けて、彼は少し驚いたように首を竦めた。
彼のその様子を見て、西は小さく首を傾げる。
「……外に居て大丈夫なのか。寒いけど」
風邪とかひかないか?と西は訊ねる。
メイアンは彼の問いかけにぱちぱちと瞬きをした。
そして、小さく頷いた。
「え?えぇ、平気よ。
寒さにはそこまで弱くないから」
冬生まれだしね、といってメイアンは微笑んだ。
西は彼の言葉を聞いて、小さく笑った。
「そうなら、良いけど……」
そういう西を見て小さく頷くと、メイアンは小さく微笑む。
そして首を傾げつつ、彼に訊ねた。
「ねぇ、一緒にお昼食べない?」
まだでしょう?
メイアンは西にそう問いかける。
その言葉に、西は小さく笑いながら、言った。
「構わない……あ、でも少し待っててくれ……
ウラヌスを厩に返してくる」
「了解。一緒に行く」
そういいながらメイアンは西の隣を歩き始めた。
西はそんな彼を見て瞬きをした後、彼と一緒に歩いていく。
そうして、辿り着いた厩。
西は愛馬をねぎらう言葉をかける。
「……ウラヌス、ありがとうな?
また遠くにもいってみよう」
そういう西の言葉に応じたようにウラヌスは嘶く。
そして、西の手に頭を擦り付けた。
そんな愛馬を見て微笑むと、西は歩き出しながら、メイアンに言った。
「……お待たせ」
行くか、という西。
メイアンは彼と一緒に歩きながら、言った。
ゆっくり歩く二人。
メイアンは隣に居る西を見て、目を細めた。
「ねぇ、西……」
そう声をかける彼。
それに瞬きをして、西は振り向いた。
「?何だよ」
それと同時。
頬に手を添えられて、西は大きく眼を見開いた。
「……っ、メイアン……?」
何?と問う西。
それを見て、メイアンは緑の瞳を細める。
そしていつもより幾分低く、静かな声で問いかけた。
「キス、してもいい……?」
「な……っ」
彼の問いかけに西は大きく眼を見開く。
今、彼は何と言った?
キス?
……何処に?
この状況元……口に?
完全に思考停止する西。
視線があちこちに揺れる。
そんな彼を見て、メイアンはふっと笑った。
いつも通りの笑み。
そして、そっと彼の頬を撫でてから離れた。
「……冗談。
ごめんね、貴方が可愛すぎてちょっと……」
ちょっと意地悪したくなっちゃった。
そういってからメイアンは離れる。
西は瞬きをして、彼を見つめた。
冗談?
……冗談には、聴こえなかった。
「ほら、行きましょ?」
メイアンはそういって微笑む。
そんな彼の表情はいつも通りだ。
西はそんな彼を追いかけながら、彼の言葉の真意を探ろうとしていた。
―― Joke or …? ――
(冗談だと、お前はそういった。
なぁ、それは嘘?本当?)
(何処からが冗談?
お前はどうして、あんなことを言った…?)