西さんとメイアンのお話です。
ちゃんと恋人らしくくっつけたいと思えどなかなか上手くいかなくてやきもきしてます←おい
*attention*
西さんとメイアンのお話です
シリアス?混じりの基本ほのぼのです
メイアンはよく西さんのとこに遊びに来てると思うので…←
それを少し心配する西さんならいいかなと
二人の関係が微妙すぎて何だかぎこちない
メイアンは一応ちょいちょいアピールはするんじゃないかなぁ…←
未来を模索中な二人です←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKと言うかたは追記からどうぞ!
穏やかな日の光が降り注ぐ午後の自室。
そこにいる黒髪の青年……西は小さく溜め息を吐き出した。
ベッドに腰かけている彼の隣。
ぴったりと寄り添うように座っているのは、長い金髪の男性……メイアン。
西は何度目になるかわからない溜め息を吐き出しつつ開いていた本を閉じた。
そしてメイアンの方をみて、言う。
「なんで此処にいるんだよ……」
「ん?西と一緒にいたいから、かしら?」
ふふ、と笑ってメイアンは緑の瞳を細める。
理由はといえばそんなもの。
何度聞いてもそんな返事しか返ってこない。
やれやれというように西は肩をすくめた。
今日は、こうして部屋で過ごしていた。
午前中には愛馬ウラヌスと一緒に外で障害物を飛び越える遊びをしていたが、
それをする度にいちいち注目を集めてしまうのがなんだか気恥ずかしく、
午後も続けてやる、ということが出来ずにいたのである。
そんな彼のところに訪ねてきたのが彼、メイアン。
仕事で来たついでによったと、彼はいった。
最近やたら此処に来ているよな、と西が言うと、
メイアンはにっこりと笑って、あっさりと答えた。
「当然じゃない、好きな子に会いたいと思うのは普通でしょう?」
さらりとそういってのけるメイアンに西は少し赤面した。
駄目?と首をかしげた彼に別に構わないと答えれば、
本を読んでいる西の隣にメイアンはこうしてくっつき始めたのである。
別段何かするわけでもない。
時々本を覗き込んだり頬を寄せたりしてはいたけれど、
何か声をかけてくるわけでもなく、何をするでもない……
退屈ではないか、と問いかけてはみたけれど、
全然大丈夫よ、と言う返事が返ってきた。
彼が何をしたいのか、全くわからない。
よって西は何度も"なんで此処にいるんだ"と問いかける結果になるのだった。
換気した方がいいわよ、というメイアンの言葉に従って開けた窓から吹き込む風。
一人でいたら間違いなく早々に閉めていただろうけれど……
今はそこまで寒くないし、と西は窓を開けたままにしていた。
そう、そこまで寒くない。
それがひとえに、自分の隣に寄り添っている長い金髪の男性の温もり故だと、
西自身も、否が応でも気がついていた。
暖かい。
触れた肩も、体も。
時折寄せられる頬や、その度にかかる吐息……――
それが、暖かくて心地よい。
そっと、視線を隣にいるメイアンに向けた。
彼は西が捲っている本に目を向けているようで、彼の視線に気がついていない。
思えば、間近で彼をみるのは、はじめてな気がした。
いつも顔を地下付けられる照れ臭くて視線を逸らしてしまっていたから。
光に透ける、長い金髪。
前髪は少し横に流して、ヘアピンでとめている。
綺麗な緑の瞳を縁取る睫毛は長く、本当にこの人は男性だろうかと疑わしくさえなった。
なんて。
間近で彼を観察するのは初めてで、なんだか気恥ずかしくなる。
それと同時にメイアンが彼の視線に気がついたようで彼の方をみた。
彼と目があって、西は大きく目を見開く。
「っ、……」
「?どうしたの?西」
きょとんとしたように問いかけるメイアン。
西は少し頬を赤くしたままブンブンと首を振った。
「な、なんでもない……っ」
「何、気になるじゃない……」
一体どうしたの?と首をかしげるメイアン。
西はぷいっとそっぽを向く。
そして、少し迷ってから口を開いた。
「……仕事はいいのかよ」
やたら俺のところに来るけど、と西は言う。
思えばメイアンはかなり頻繁に此処に来ている。
そのときに書類仕事をしている様子はないし、任務で、という訳でもなさそうだ。
ちゃんと仕事をしているのか?
ふとわいたのはそんな疑問。
西の問いかけにメイアンはクスッと笑う。
そしてひらりと手を振りつつ、いった。
「ちゃんとしてるよ。
心配してくれてありがとうね、西」
そういうメイアン。
西は彼の言葉にぱちぱちと瞬きをした。
そして、少し吃りつつ、いう。
「い、いや、別に心配した訳じゃあ……
どんだけ暇なんだろう、って思っただけで」
しどろもどろに西がそういうと、メイアンは少し拗ねたような顔をした。
溜め息混じりに、彼は言う。
「暇、って訳でもないんだけどなぁ……
この前いったからわかるでしょう?
あそこから此処までそんなに近い訳じゃないのよ?」
私はあまり空間移動術は得意じゃないし、と彼は言う。
要するに、毎回毎回その道を歩いてきている、というのだろうか。
「……そうまでして此処に来る意味ってなんなんだよ」
西は呟くように言う。
暇じゃない、来るのも簡単じゃない、別段目的があるわけでもない……
それなのに此処に来るのは、いったいどうして?
彼がそう問いかけると、メイアンはふっと笑って、"鈍いのね"といった。
「さっきからいってるじゃない。
貴方に会いたいからよ、西……」
そう言いながら、メイアンは西の頬に触れる。
その手のしなやかさと唐突な彼の行動に西はびくっと体を強張らせた。
間近で自分を見つめる緑の瞳にたじろいだ。
「な、……ん」
「大好きだって、いってるじゃない」
まだ伝わらないかしらとメイアンは言う。
その言葉に幾度かまばたきをした後、西は目を伏せて、呟くようにいった。
「……本気か?」
訝しげな、疑うような声。
その表情。
メイアンは首をかしげて、言った。
「あら、冗談に聞こえていた?」
逆に問い返されて西は口をつぐむ。
冗談には、聞こえない。
けれど……それを本気だと認めてしまうのも、何だか怖い。
好きという言葉を受け入れたことがないからか。
その言葉を覆されるのが怖いからか。
それ以外に理由があるのか、わからないけれど。
「それとも……
私に好意を向けられるのは、迷惑?」
メイアンは西に問いかける。
じっと、緑の瞳で西の金の瞳を見つめながら。
西はその問いかけには首を振った。
「迷惑では、ない……」
想ってくれるのは、内心では嬉しいから。
けれど、それにたいしてどんな言葉を、想いを返せばいいのか、まだわからない。
「そう。なら良いわ……
もし迷惑だというのなら、来る回数も減らそうと思っているから……」
そうだったとしたらいってちょうだいね?
メイアンは西にそういうと、そっと彼の体を抱き寄せた。
暖かい、メイアンの体。
ふわりと香ってきたのはシャンプーのような香りだった。
「……別に、迷惑じゃ、ないけど……」
返す言葉が見つからない。
何を言えばいいのだろう、こういう時に。
西がそう思って悩んでいると、メイアンはそっと彼の頬に口付けた。
柔らかいその感触に西はさらに赤面する。
「ちょ……っ」
「ふふ、照れてるの?可愛い」
メイアンはそう言いながら西の頬を軽く指先でつつく。
西は慌てて視線をそらしつつ、いった。
「てっ、照れて、な……っ」
照れてない、と否定する西。
それをみて、メイアンはくすくすっと笑う。
「でも顔赤くしてるじゃない。
……嬉しいな、西がそれくらい私のこと意識してくれてるの」
そういってメイアンは嬉しそうに目を細める。
彼の言葉を否定しようとした西だったが、やがて目を伏せて溜め息を吐き出した。
意識していないといったら嘘になる。
でも認めることも出来なくて……――
メイアンはそっと西を抱き寄せた。
そして彼の体をそっと撫でながら、いう。
「……大好きよ、西」
ふと、いつもと違う声色で彼はいう。
柔らかくて、甘い声。
それに西はどぎまぎしつつ視線を逃がした。
「う……ぁ……」
何を言えばいい?
ありがとう?
それも、なんだか違う気がする。
どうしよう……
そうたじろぐ彼をみて、メイアンは緑の瞳を細める。
そして優しく彼の撫でてから、離した。
「ふふ、西可愛い」
愛しげにそういうメイアン。
西はその言葉に目を見開く。
「か、可愛いって言うな……っ」
恥ずかしいっ!と西は言う。
メイアンは彼の言葉にくすくすと笑いながら"事実よ?"等といってのけた。
本当に、彼にはペースを崩される。
それでも、もう来るなと言えないのは……――
「ねぇ、西……」
メイアンは柔らかい声で彼を呼ぶ。
何だよ、という表情を浮かべて西は彼の方をみた。
目が合うと、メイアンはふわりと笑って、彼を撫でながら首を振る。
「なんでもない」
「なっ、何だよ……っ」
気になるだろ、と西は言う。
メイアンは悪戯っぽく笑って、ウィンクをした。
「さっきのお返し……」
そういう彼に、西はまた溜め息を吐き出す。
メイアンには到底敵いそうにない。
そう思いながら……――
―― Capacity ――
(その感情を受け止めきれるだけの余裕がない
でも、彼に向けられる表情は決して嫌なものではなくて…
そんな自分が少し、もどかしいと感じるのは何故…?)
(貴方に言おうとしたのはね、貴方が私なしではいられなくしてあげるってこと。
何でいるんだ、じゃなくて何でいてくれないんだ、って言ってほしいのかもね)