久々にフォルスタのお話です。
寒がりなフォルなので学パロ設定だとこうなるかな、と…
何だかんだラブラブなフォルスタ大好きです←
*attention*
フォルスタでのお話です
本家Laurentia!(学パロ)設定のお話です
ほのぼのなお話です
寒がりなフォルなのでこういうのもありかなと…
スターリンさんのいうことならちゃんと聞くと思いますフォルも←
何だかんだでらぶらぶな二人
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
放課後を告げるチャイムが鳴り響く。
今日は生徒会の用事もなく、そのまま帰れる日。
浅緑の髪の少年……スターリンはいつも恋人と待ち合わせをしている場所、図書館に向かった。
いつもならそこに来て待っている彼……フォル。
しかし今日はその姿がない。
まだ来ていないのだろうか?
そう思って暫し待ってはみたけれど……
彼は一向に来ない。
追試や居残りを命じられたのだろうか。
でもそれにしても彼はいつも連絡をくれる。
それをする暇がないくらい急なものだったとか?
そう思いつつ電話をかけたが彼は応じない。
メールを送っても返事はない。
「……出ねぇし返事はねぇしどうなってるのだよ……」
スターリンはそう呟いて携帯をポケットに突っ込んだ。
気が気じゃない、というのが正解だ。
彼が来ないというのは、それくらい珍しいこと。
ましてや一切連絡が来ないなんて……――
心配になってきた。
どうしようか、そう悩んだ末……スターリンは一つのことに気が付いた。
「そうだ……フィア、なら」
スターリンはそう思った。
フォル本人に連絡が付かないのならば、彼の実妹であるフィアに聞けばいいだろう。
そう思って、スターリンは携帯を再び取り出して、フィアに電話をかけた。
一回。
二回。
三回。
四回目のコールで、フィアが応じた。
『もしもし?』
「フィアか?あの……フォルを知らないか?」
何だか変な感じがする。
フィアに改めてフォルの居場所を聞くことなんてそうそうなかったから。
フィアもそうだったのだろう。
一瞬驚いたような間が空いた後、フィアは応えた。
『どうして?』
何故か帰ってきた返事はそんなこと。
スターリンは少し困惑したような声色で言った。
「いや……いつもは此処に来てるのに、居ないから……」
そう。
いつもは此方に来ているはずの彼。
その姿がないから心配で妹のお前に電話をかけたのだと、スターリンは言う。
フィアはそれを聞くと小さく溜め息を吐き出した。
そして呆れたような声色で呟いた。
『……多分、まだ部屋だな』
「は?」
スターリンは思わず間の抜けた声をあげた。
家?
まだ?
どういうことだ……?
そんなスターリンの反応にフィアは再び溜め息を吐き出しつつ、言った。
『彼奴、最近寒さがきついみたいでな……
下手したら学校来ないんだよ。
まったく……今の段階で寒いとかいってたらこれからどうなるやら……』
呆れたようなフィアの声。
スターリンも溜め息を吐き出す。
「寒がりにもほどがあるのだよ……」
何だ、そんなことか。
少しほっとすると同時に呆れた。
寒いって。
その所為で学校に来ないって。
「……ったく」
『お前からも何かいってやってくれ……
お前が何か言えば多少は改善されるだろうから』
妹の私がいっても無意味なんだ。
フィアはそういっていた。
今からバイトなのだというフィアに別れを告げて、スターリンは電話を切る。
そしてそのまま図書館を出て、彼の……フォルの家を目指した。
***
そうして辿り着いた彼の家。
鍵は多分かかってないとフィアがいっていた。
物騒な、と思ったけれど……このあたりはかなり平和だ。
だから大丈夫、なのだろう。
そう思いつつスターリンはドアに手をかけた。
ノブを捻れば簡単にドアが開いた。
本当に開いてる。
そう思いつつスターリンはドアを開けて、室内に入った。
慣れた、フォルの部屋。
そこまでいって、軽くドアをノックする。
すると半分寝ぼけたようなフォルの声が返ってきた。
「フィア?おかえりー……」
その声は力ないが、体調不良で、という風ではない。
その事にとりあえずホッとしつつ、スターリンは部屋のドアを開けた。
「この怠けもの」
ドアを開けると同時にスターリンがそういうと、ベッドで丸くなっていたフォルが勢いよく体を起こした。
そして驚いたようにサファイアブルーの瞳を見開く。
「え、書記長様?!」
何で此処に?
そう訊ねる彼は完全に覚醒した様子。
スターリンは彼の傍まで歩いていくと、その白い額を指先で弾いた。
「いたっ」
「馬鹿フォル。
寒くて家から出られないってお前どんな体してんだよ」
やれやれ、というようにスターリンは言う。
フォルは彼の行動にぱちぱちと瞬きをした。
それから苦笑気味に言う。
「フィアから、聞いたんだ」
「そうなのだよ……
まったく、図書館に来ないからどうしたのかと思って……」
フィアに聞いてみればこんなこと。
全く、とスターリンは呟く。
フォルはそれを聞いてふっと笑った。
そして、彼に問いかける。
「心配して、来てくれたの……?」
「!!し、心配……て、いうか……」
スターリンは途端口籠る。
フォルはそんな彼を少し期待するように見つめた。
そんな彼のサファイアの瞳から逃げるように暫し視線を彷徨わせた後、
彼は小さく溜め息を吐き出しつつ、呟くような声で言った。
「……いつもいる人間がいなかったら、誰だって心配するのだよ」
ぼそり、と呟くように言う彼。
それを聞いてフォルはふわりと笑う。
そして……
「わ?!」
スターリンは驚きの声を上げる。
というのも……
ベッドに座っていたフォルに腕を掴まれて、そのままベッドに引き込まれたから。
フォルの体温が移った布団は暖かい。
スターリンは一瞬固まっていたが、すぐにはっとした。
「ば、馬鹿フォル!何するのだよ?!」
驚きの声を上げる彼。
それを聞いてフォルはくすくすと笑う。
そしてベッドの中に引き込んだスターリンの頭を優しく撫でる。
「ふふ……書記長様が来てくれたのが嬉しくてね」
―― 一緒に寝たくなっちゃった。
フォルはそういいつつ、ぎゅっとスターリンを抱き締める。
暖かい彼の体。
それを感じる。
一緒に寝たい。
そう甘えられて少し嬉しくなってしまったけれど……
今はそれどころではないと、スターリンはフォルに言った。
「一緒に寝る、って……こら!
俺はお前をしかりにきたのだよ!
仮にも受験生が寒さに負けて欠席はまずいのだよ!!」
「えー……だって寒いんだもん」
そういいながらフォルは布団に包まる。
比較的寒さには強いスターリンにとっては少し熱いくらいだ。
「あーもう!
学校来ねぇっていうなら一緒に帰りもしねぇからな!
どのタイミングで学校来てるかわかんない奴と一緒に帰ったり出来ないのだよ!」
スターリンは最終手段を使った。
こういえばフォルもいうことを聞くだろうと思って。
案の定効果覿面だった。
はっとしたように体を起こして、フォルはいう。
「や、やだよ!書記長様と一緒に帰る!」
「だったら……」
「ちゃんと学校行くから!」
そう懇願するフォル。
スターリンはそれを見てやれやれと溜め息を一つ。
「わかったなら良いのだよ……ほら、はなれろ」
暑い、とスターリンが言うと、フォルはおとなしくスターリンを離す。
どうやら先程の一言がかなり効いたらしい。
わかりやすい。
そう思いつつスターリンは苦笑を洩らす。
それも、自分のためというか、自分と一緒に帰りたいからという理由。
それは少しだけ、嬉しい。
「わかったなら、明日から学校ちゃんと行くのだよ」
「わかった……だから、今は一緒に居させて?」
フォルは甘えるようにそういって、スターリンに再び抱き付く。
スターリンはまぁそれくらいは良いか、というような顔をしつつ、それを甘んじて受けたのだった。
―― 君の言葉 ――
(君の言葉。
それが何よりも僕にとって重いもの)
(俺と一緒に居たいからという彼。
それを聞くと何だかくすぐったいような気分になるのだよ…)