ワルキューレコンビ&ぺルのお話です。
某映画でのワンシーン再現したくてこうなりました(^q^)←
このお二人とのこういう絡み好きです←←
*attention*
ワルキューレコンビ&ぺルのお話です
ホノボノなお話です
主に大佐殿とぺルの絡みです
某映画でのワンシーン再現したくて…←←
ぺルはこういう頑張りをします(笑)
大佐殿とぺルのこういうぎこちない?ほのぼのも好きです(^q^)
ラストのヘフテンさんとの絡みもやりたくて…←←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
穏やかな風と日差しの中、食堂の机でうとうとと微睡んでいるのは、
紫のマフラーを首に巻いた長い黒髪の少年……ぺル。
彼は左手でペンを握ったまま、小さく寝息をたてていた。
手元には紙。
そこにはまだ少し拙い文字がかかれている。
彼の練習用の紙なのだろう。
色々な単語や親しい人間の名前等が書き記されていた。
文字を書くことが出来なかった彼だが、最近では大分上達してきた。
先生代わりを務めたシュペーアの教え方がうまかったと言うのがひとつ、
ぺルがかなり勤勉であったことがひとつだろう。
事実今も、一人でこうして練習をしていたようだから。
と、そのとき。
彼の方へ近づく影がひとつ。
それはぺルと同じように黒髪の少年……シュタウフェンベルクだった。
書類の仕事をこなす途中。
休憩しようと思ってこうして食堂に来たのだった。
コーヒーか紅茶でも適当なところでノンだら部屋に戻ろう。
そう思って適当に席を探していた時に眠っているぺルに気付いて、
何かかけてやれるようなものはないかと探したのだった。
しかしそれより先にぺルが目を覚ました。
小さく声を漏らして顔をあげる。
「んん……」
ごしごし、と目を擦るぺル。
それを見てシュタウフェンベルクは彼にいった。
「あ……すまない、起こしてしまった、か?」
シュタウフェンベルクはすまなそうにぺルに言う。
ぺルはしばらくぼうっとしていたが、やがてゆっくりと首を振った。
「大丈夫……眠るつもり、なかった」
そういいながらぺルはくぁ、と欠伸をする。
そんな彼を見てそうか、と頷くと、シュタウフェンベルクは彼に問いかけた。
「何か飲むか……?」
自分も休憩に来て飲み物を用意するつもりだった。
ただ、いってから思う。
自分では二人分のカップを持つことは出来ないな、と。
ぺルもそれに気づいたのだろう。
目を擦った後彼は椅子から降りた。
「……手伝う」
僕も、飲み物ほしい。
だから、手伝う。
ぺルはそういう。
シュタウフェンベルクは彼の言葉に瞬きをした。
大丈夫だと彼に言うより先に歩き出しているぺル。
彼を見てふっと表情を緩めると、シュタウフェンベルクは彼を追いかけた。
彼は先にキッチンの方にいっていた。
そのまま二人分のカップをとろうとしているようだが……
カップがある位置が高すぎて手が届いていない。
シュタウフェンベルクはそんな彼を見て小さく笑みを漏らすと、
彼の傍にいってカップをひとつとってやった。
「これでいいか?」
「ありがと、シュタウフェンベルク……」
柔らかい声で彼は礼を言う。
そしてシュタウフェンベルクが自分の分のカップをとると、
それも一緒に受け取ってぱたぱたとカウンターに向かう。
そして背伸びをしつつ、コーヒーメーカーの電源をいれる。
そして自分の分らしいミルクを温め始めた。
ちまちまと動き回る彼。
その様子にシュタウフェンベルクは目を細める。
自分と彼はさして年齢は離れていないはずなのだけれど、
どういう訳かかなり子供っぽく、幼く見える。
今だってそう。
片腕をなくしているシュタウフェンベルクを気遣うようにぱたぱたと動く彼は、
まるで親の手伝いを一生懸命にしようとしている子供のようだ。
……もっとも、シュタウフェンベルクはぺルの父親でも母親でもないし、
そんな年齢でもないのだけれど……――
と、そのとき。
何かが落ちる大きな音がした。
シュタウフェンベルクは慌ててそちらを見る。
と、恐らく近くにあった台にでも乗っかっていたであろうぺルが床に落ちていた。
「な……っ、大丈夫か?」
少し驚いて、慌てて彼に駆け寄る。
ぺルはむくりと体を起こした。
頭からひっくり返したらしい砂糖を被っているもののどうにか無事らしく、
暫し頭を振った後、小さく息を吐き出して"大丈夫……"という。
そんな彼を見てシュタウフェンベルクはほっとした顔をした。
結構な音がしたから驚いたのだ。
彼は溜め息混じりにぺルにいった。
「届かないのなら無理をしてとるな……
やってくれるのはありがたいが、無茶をされて怪我をされても、困る」
同じ台詞をよくヘフテンにも言うな、と思いつつシュタウフェンベルクはいった。
彼も大概そうなのだ。
シュタウフェンベルクを思ってちょっとした無茶なら平気でしようとする。
けれどそれで怪我をされるのは、シュタウフェンベルクとしてもありがたくない。
ぺルにもそんな彼の気持ちはわかったのだろう。
彼はこっくりと頷いた。
そして、長い黒髪に被ってしまった砂糖を手と魔術で払う。
そして気をとり直したように飲み物を用意した。
ちょこちょこと動く彼。
小さな手を長い袖から出して、カップにホットコーヒーとホットミルクをいれる。
手の届かない場所にあるものはシュタウフェンベルクにとってもらいつつ用意して、
彼らは先ほどまで一緒にいたテーブルに戻った。
「……どうぞ」
ぺルは自分が持ってきたカップの片方をシュタウフェンベルクの前におく。
したことなどないが、まるでままごとのようだと彼は思う。
そして彼が用意してくれたカップを傾けた。
ぺルも自分がいれてきたホットミルクのカップを傾けている。
ふーふーと息を吹き掛けて冷ましているが、猫舌なのかあまり飲めずにいた。
そしてふと、彼は視線をあげた。
シュタウフェンベルクはそんな彼を見つめてまばたきをする。
どうした?と問いかけるとぺルは少し迷うように口をつぐむ。
その後、口を開いた。
「シュタウフェンベルク、お仕事の途中で、腕と目、なくなっちゃった、の?」
その問いかけにシュタウフェンベルクは少し驚いた。
その話を振られるとは思っていなくて。
遠方地での任務。
そこで、彼は片腕と片目をなくした。
「あぁ、そうだ」
シュタウフェンベルクが頷くと、ぺルはそう、と小さく声を漏らした。
そしてもう一度カップを傾ける。
いきなりどうしたのだろう、とシュタウフェンベルクは小さく首を傾げる。
そんな彼の方を再びぺルは見つめた。
カップをおいて少し間を空ける。
「?どうした?」
あまりじっと見られると落ち着かない。
シュタウフェンベルクがそう問いかけると、ぺルはすっと手を伸ばしてきた。
「さわってもいい?」
その手が触れようとしたのは、シュタウフェンベルクの眼帯。
シュタウフェンベルクは思わず彼の手首をつかんで、止めた。
ぺルは少し驚いたように目を丸くする。
そんな彼を見つめつつ、シュタウフェンベルクはゆっくりと首を振った。
「……駄目だ」
やめておけ、といって彼は少し困ったような表情を見せた。
見るのも、触れるのも、あんまり、気持ちのいいものではないだろう。
目があるべき場所は空っぽ。
どうしても両目が"ある"ように見せないといけないときには義眼をいれる。
シュタウフェンベルクはしょっちゅう義眼を壊すし、
いれているのも決して好きではないから普段は眼帯なのだけれど……
「……ごめんなさい」
「いや、謝ることではないが……
すまない、いきなり手をつかんでしまって……いたくなかったか?」
シュタウフェンベルクはぺルに訊ねる。
ぺルは大丈夫だよ、と頷いた。
そんな彼を見てシュタウフェンベルクはほっとした表情を浮かべた。
「あ、大佐!」
聞こえたのは聞きなれた副官の声。
それに二人は振り向く。
ぱたぱたと駆け寄ってくる金髪の少年……ヘフテン。
彼はぺルとシュタウフェンベルクとを見るとにこりと微笑んだ。
「休憩中だったんですね大佐。
ぺルさん、こんにちは」
そういって微笑む彼。
ぺルは彼に軽く会釈をして挨拶すると、ヘフテンの服を軽くつかんで引っ張った。
「ヘフテンも、一緒に、休憩……」
何か持ってきて一緒にのもう。
ぺルはヘフテンにそう誘う。
それを聞いて驚いたようにまばたきをした後、
ヘフテンはにこりと微笑んで小さく頷いたのだった。
―― break time ――
(あったかい、休憩時間。
一緒に過ごすともだちの、欠けている場所
もっとしりたいって、そうおもったんだ)
(友人と副官と過ごす穏やかな休憩時間。
こんな時間も心地よいと、改めてそう思った)