主人公コラボでのお話です。
前の、雪狼同僚コラボのお話の続き的なノリで…
どうにも男女逆転なここが好きです←おい
*attention*
主人公コラボでのお話です
ほのぼのなお話です
雪狼同僚コラボの「一件落着?前途多難?」の続きです
どうにも男女逆転なここを書きたくて…←
黒服姿のフィアを見てフォルと勘違いするヒトラーさんを書きたかったんです(^q^)
変に凛々しいフィアがさんざんいってすみません←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
日も暮れた夕方のディアロ城の中庭……
そこで佇んでいるのは亜麻色の髪の少年……フィア。
穏やかな風が吹いて、彼の柔らかい髪を揺らした。
彼はいつも身に付けている白い制服ではなく、
黒っぽいカジュアルな服を身に付けている。
それは、今までいっていた任務のために身に付けたものだった。
街で起きていた事件の調査。
その犯人の捕縛の成功した彼と、一緒に任務を行ったスターリンは城に戻ってきていた。
"女性役"をこなしたスターリンは化粧をおとしたり女性ものの服を着替えなければならない。
だから任務報告はフィアに任せて、早々に部屋に引っ込んだのだった。
フィアはとりあえずルカに報告を済ませて、こうして外に出てきていた。
彼も制服に着替え直さなければならないのだが、
とりあえず少しだけ、休憩したくて……――
スターリンと恋人のフリをして歩くだけの任務。
実質の功労者はスターリンの方だ。
フィアも犯人を取り押さえはしたけれど、それもあくまで仕上げ。
たいしたことはしていない。
しかし……
そうして相手を捕縛するときに現れた堕天使……
基フィアの実兄であるフォルの所為でどっと疲れたのだった。
敵対する存在であるフォル。
彼があっさり姿を現したこと、そしてそれがスターリンのためだとあっさりいったこと。
わかりきったことではあったが、そんなこっぱずかしいことをあっさり言われ、
フィアは精神的に疲れているのだった。
「え?!」
不意に後ろで上がった声に、フィアは驚いて振り向く。
その視線の先には長い黒髪の少年……ヒトラーがたっていた。
吹いてきた風に長い髪が揺れる。
「あ、……フィアか」
驚いた、と呟くヒトラー。
フィアは首をかしげてから自分の姿を見て、頷いた。
「あぁ……俺だと思わなかったのですね」
「すまない、服装が……少し、勘違いして」
ヒトラーはやや吃りつつそういう。
彼は中庭にたっていた影を見て、驚いた。
それが、あの堕天使……フォルに見えたから。
フィアとフォルの容姿はそっくりだ。
亜麻色の髪に青い瞳。
背丈は十センチくらい違うけれど、それは遠目に見たらなんの手がかりにもならない。
服装と髪色で、それがフォルだと勘違いしたのである。
フォルはあっさり姿を現してはいけない存在。
そんな彼がこうしてたっているとしたら驚きで……
ふたを開けてみれば、いつもと違う格好をしているフィアだったのだけれど。
ヒトラーの反応を見て、フィアも彼が何をどう勘違いしたのかわかったのだろう。
小さく息を吐き出しながら、身に付けている服を引っ張った。
「……フォルに見えたでしょう」
「!……すまない」
ヒトラーは慌てて彼に詫びた。
フィアは実兄であるフォルのことが嫌いだ。
そんな彼と間違えたと聞いて、良い気がするはずがない。
しかしフィアはあっさりと首を振った。
そして苦笑混じりにいう。
「構いませんよ。
事実、さっき彼奴に会いましたから」
俺もそっくりだと思いましたしね、とい
いながらフィアは服を引っ張る。
事実、服装を変えてしまえばそっくりだと、フィア自身も思ったのだ。
ヒトラーは彼の言葉にまばたきをする。
会ったのか、という彼の声にフィアは頷いて、いった。
「えぇ……スターリンとの任務のときに」
「あぁ、なるほど……」
ヒトラーは納得した顔をした。
さっき、スターリンにはあった。
お前には見られたくなかったのだよ、と小さく溜め息を吐き出しつつ、
部屋に引っ込むところではあったけれど。
フィアはふっと笑って、ヒトラーにいった。
「スターリンのお陰で早く片付きましたよ」
彼の女装のお陰で、とフィアはいう。
ヒトラーはそれを聞いて苦笑を漏らした。
「それ、本人にいってやるなよ……結構落ち込んでたし」
まさか釣れると思ってなかった、とスターリンは思っていたようだ。
仮にも男であるのに女の格好をして、それで女にイタズラをする男が釣れたのは、
やはり少し……否、結構ショックだったようである。
ヒトラーがそういうと、フィアはくすりと笑った。
そして小さく肩を竦めつつ、いった。
「事実ですし誉めているのですよ。
俺がやっても多分ああはいかなかったでしょうから」
少し危険な目に遭わせてしまったのが申し訳なかったけれど、とフィアはいう。
ヒトラーはそんな彼の言葉に苦笑した。
別にスターリンは危ない目に遭ったことに関してはそこまで何も思っていない。
寧ろ、フィアが守りきってやれなくてすまないと思っているとなると……
「それを聞いたら怒りそうだな、スターリンは……」
ヒトラーはそう呟く。
フィアは小さく首をかしげつつ、"そうですか?"といった。
「仮にも女性であるフィアに守られるとなると……」
「此処にいる以上俺は男ですよ」
仲間を守るのは当然ですしね、といってフィアは微笑む。
その綺麗で頼もしい笑みに、ヒトラーは小さく笑った。
いつものことなのだけれど……
フィアは下手な騎士(おとこ)より頼もしい。
事実、ヒトラーもフィアと組んで任務にいくと、どういう訳か立場が逆になる。
男である自分がフィアを守る立場になろうと思えど、
いざという時に飛び出していくのはフィアの方だ。
「頼もしいな……」
「ふふ、ありがとうございます」
そういって微笑むフィア。
その余裕な笑みは、現在の彼の男らしい格好と相俟って一層凛々しく見える。
それを見て、ヒトラーは小さく苦笑する。
「あぁ、そうだ……フィアもそろそろ着替えてきたらどうだ?
もうそろそろ夕食の時間だろうし……」
ヒトラーが思い出したようにそういうと、フィアも小さく頷いた。
そして軽く服を引っ張りつつ、いう。
「そうですね。
着替えたらスターリンのところによって機嫌窺いつつ、食堂にいきますよ」
「あぁ。私はグストルと先にいって席をとっておくよ」
ヒトラーはそういうと中庭から離れていく。
フィアもそれを見送ると、とりあえず着替えるか、と呟いて、
雪狼の騎士の部屋が並ぶ棟に向かっていったのだった。
―― Masculine ――
(下手な男性より男らしい彼
事実男である私たちからしたらある意味恐ろしいほどだがな)
(騎士として働く以上俺も男だ。
守るべき相手を守るのは当然のことだろう?)