科学者道化師コラボで剣術ネタなお話です。
そういえばこういう話やったことないな、と…
カルセもムッソリーニさんも戦える騎士なのです←
*attention*
科学者道化師コラボのお話です。
ほのぼのなお話です。
剣術ネタなお話です。
あまり戦わないカルセですがそこそこ剣は出来るのです…
ムッソリーニさんを可愛い恋人、としかみてないから戦えるとわかったら少し驚きそうだなカルセ←
カルに子供扱いされてむくれたりすねたりなムッソリーニさん可愛いと思うのです←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
ディアロ城、騎士の棟の一室……
「最近あんまり使ってないなぁ……」
小さな声でそう呟きつつ、自分の武器である剣を磨いているのは、
金髪の少年……ムッソリーニ。
彼の手元にある剣は、ここ最近使われた様子がない。
使っていなくてもたまには手入れをしなければならないため、
こうして手入れをしているのだけれど……
最近目立った任務もないし、あまり剣を使う機会がない。
そう思いつつ、ムッソリーニが軽く剣を振るっていると、
軽いノックの音が響いた。
その音に顔をあげて、ムッソリーニは"どうぞ"と返す。
その声で部屋に入ってきたのは、長い淡水色の髪の男性、カルセ。
彼の姿を見て、ムッソリーニは表情を綻ばせる。
「カルセさん!」
此処数日任務で城を空けていた彼。
否、もう此処の騎士ではない彼が"城を空ける"というのも変な話だが、
ムッソリーニにとってはこの城がカルセと過ごせる空間であるのだ。
ともあれ、数日不在だった彼。
久しぶりにその姿を見た気がして、思わず表情が綻ぶ。
自分の姿を見て嬉しそうな顔をする恋人に、カルセも嬉しそうに微笑んだ。
そしてムッソリーニに歩み寄りつつ、言う。
「お久しぶりですね、ムッソリーニ。
といっても、ほんの数日ですが」
そう言って、カルセはくすくすと笑った。
ムッソリーニもそれにつられたように笑う。
「なんか、一日でも離れると久しぶりって感じするんだよなぁ」
最近はよく一緒にいる二人。
カルセがムッソリーニの部屋を訪ねてくることもあれば、
その逆もまた然りでムッソリーニがカルセの部屋にいくこともある。
そうして一緒に過ごす時間が長くなった分だけ、
一緒にいない時間が少しでもあると、随分長く離れていたような感覚に陥るのだ。
「また貴方は可愛いことを言う」
そういいながら、カルセは藍色の瞳を細める。
そのまま軽く、彼の頬にキスを落とした。
彼はよく、こういった言動に出る。
狙ってやっていない辺りが、可愛らしいというかたちが悪いというか。
そう思いつつ、カルセは笑う。
そして、ムッソリーニが手にしているもの……基彼の剣を見て、
不思議そうに首をかしげながら、問いかけた。
「貴方が剣なんて持ってるの、珍しいですね」
思い返すに、ムッソリーニが剣を握っているところはほとんど見たことがない。
そんなことを言うカルセを見て、ムッソリーニは苦笑混じりに言った。
「俺だって騎士だもん。剣くらい使うよー」
そういう彼。
最近は任務もなくて使っていなかったけれど、
時々外に出掛ける時にはちゃんと持っているし、
魔獣と戦うことだって、もちろん出来る。
そんな彼の言葉に、カルセは"そうですか"と言って、小さく笑った。
自分にとっては可愛らしい恋人であるために、
勇ましい騎士という印象があまりなかった、何て言ったら、
彼は拗ねてしまうだろうか?と思いながら。
それに笑みを返しつつ、ムッソリーニは自分の剣を見て、言った。
「まぁ……
カルセさんの言う通り、久しぶりに剣握ったけどなー」
そろそろ腕も鈍っちゃったかな、と呟く彼を見て、
カルセは何かを思い付いたような顔をした後、スッと目を細めた。
そして、ムッソリーニに言う。
「お付き合いしましょうか、剣術の練習」
「え?」
彼の言葉にムッソリーニは少し驚いた顔をした。
ぱちぱちと、青い瞳が瞬く。
正直、カルセはあまり戦闘をするタイプに見えない。
元医療部隊長と言う肩書きのためだろうか。
医療部隊の騎士はあまり戦闘をするイメージがないのだ。
まず筆頭はアル。
彼は剣術は勿論攻撃系の魔術も一切使えないといっていた。
現在の部隊長であるジェイドは弓術使いらしいが、
実際に戦っているところは、あまり見たことがない。
そんな印象故だろう。
カルセが戦う印象があまりないのは。
そんなムッソリーニの反応を見て、かるせはふっと笑った。
そして、首をかしげつつ、彼に言う。
「意外ですか?私がこう持ちかけたのは」
「え?あ、はい……正直」
そう言って、ムッソリーニは苦笑する。
彼から本心を隠すのは、不可能に近い。
ムッソリーニの反応を見て"まぁ、予想通りでしたよ"と笑った。
「よく言われるんです、意外だって。
これでも剣術は得意な方なのですけどねぇ」
カルセはそういいつつ軽くウインクして見せた。
ムッソリーニはそれを見て青い瞳を瞬かせると、
にこりと笑って、"じゃあお願いしよっかなぁ"と言った。
カルセがどれくらい剣術が出来るのかはわからない。
けれど、そろそろ剣を軽く使っておきたいのは事実だし、
何より数日ぶりに会えた彼と一緒に過ごせるのは嬉しい。
カルセはムッソリーニの返答を聞いて、嬉しそうに微笑んでいたのだった。
***
それから二人は中庭に出た。
すでに訓練で出てきている騎士たちの間を縫って、空いたスペースにいく。
ムッソリーニが剣を構えると、カルセも空間移動術を使って、
自分の武器を取り出した。
それを見て、ムッソリーニは目をまん丸く見開く。
「えっ、二本?」
―― そう。
カルセの手に握られているのは、二本の剣。
同じ形状の、剣が二本。
ムッソリーニの反応を見て、カルセはくすくすっと笑った。
「ふふ、私は二刀流なのでね」
「うわ、ずるいよ二本なんて!」
そう言って、ムッソリーニは少し頬を膨らませる。
カルセは彼を見て楽しそうに笑った。
「これが私のスタイルですから許してくださいな。
ほら、そちらから来ないなら此方からいきますよ?」
そういいつつ、カルセはムッソリーニに斬りかかる。
彼の攻撃に驚きつつ、ムッソリーニは応戦した。
剣が弾かれる高い音。
ムッソリーニは"危ない危ない"といいながら息を吐き出す。
それを見て、カルセは少し驚いた顔をした。
藍色の瞳を瞬かせ、呟くように言う。
「結構強いのですねぇ……」
意外そうにそういう彼。
ムッソリーニは彼の言葉に少しむくれたような顔をする。
「結構ってなんだよカルセさん」
「いえ、貴方もあまり戦う印象なかったので」
ちょっと意外で、というカルセ。
ムッソリーニは少しむくれた顔をしつつ、カルセの剣を強く弾いた。
「失礼だなぁ……
これでも一応ちゃんと戦えるんだからな!」
これでもトップなんだからな!と言うムッソリーニ。
彼の反応に笑みを浮かべつつ、カルセは"それもそうでしたね"と笑った。
とはいえ、二本の剣を扱う人間相手というのは骨が折れる。
踊るように剣を扱い、立て続けに攻撃を仕掛けてくるのだ。
とはいえ、ムッソリーニだって負けてはいない。
カルセの剣を打ち返し、僅かに見える隙に攻撃を加えていく。
二人の剣が太陽の光を反射して煌めく。
そうして、二人は暫し剣をぶつけ合っていた。
どれくらいそうしていたか、というところで、カルセが不意に剣を止めた。
勢い余って転び駆けたムッソリーニを支えて、彼は微笑む。
「そろそろ終わりにしておきましょう?
この炎天下でやり続けて倒れても困ります」
「それも、そうですね……」
降り注ぐ日差しは強い。
ほどほどにしておいた方が良いだろう。
ムッソリーニもカルセの言葉に頷いて、剣をしまう。
そんな彼の頭を撫でてやりつつ、カルセは藍色の瞳を細めて、言った。
「なかなか強いですねぇ、ムッソリーニ……
相手するのが大変でしたよ」
そういうカルセ。
事実、ムッソリーニの剣術の腕前は結構なもので、
手を抜いてやれば怪我をしかねないと思った。
もっとも、そこまで実力差があったとしたら、
ムッソリーニはもう少し手加減してやっていたとは思うけれど。
ムッソリーニはそれを聞いて照れ臭そうに笑う。
「そう言ってもらえると嬉しいな。
また、付き合ってもらえる?」
小さく首をかしげて訊ねる彼に、カルセは微笑んで頷く。
"私でよろしければ喜んで"といいつつ、彼はそっとムッソリーニの頭を撫でる。
そして、彼の頬に軽くキスを落としつつ、言った。
「とりあえず部屋に戻ってシャワーを浴びなさいな。
汗をかいたままにしておくと風邪を引きますよ?」
「あー、それもそうだな……」
そんなに長時間やっていたわけではないが、汗はかいている。
このまま放っておいたら、カルセの言う通り風邪を引くだろう。
一旦戻るかぁ、といいながら歩き出したムッソリーニ。
カルセはそれを追いかけて、彼の耳元で囁くように言った。
「何なら、一緒にシャワー浴びます?」
「っ!何を言い出すかと思ったら」
"俺をからかって遊ぶのやめてくださいよ!"と、
顔を真っ赤にして言うムッソリーニ。
カルセはそれを見て楽しそうに笑うと、優しく彼の頭を撫でたのだった。
―― 意外な一面? ――
(こんなに相手が戦えるなんて正直意外で
でも終わったあとの優しさは相変わらずで)
(可愛い彼の勇ましい一面
それをこうして間近で見られてよかった、なんて)