学パロフォルスタのお話です。
ちょっと甘くいちゃついてる二人が書きたくて…←おい
そしてちょろっとノアと絡ませたかったのでした(こら)
*attention*
フォルスタのお話です。
学パロ(本家Laurentia!設定) でのお話です。
ほのぼのなお話です。
フォルのペースに乱されて照れてるスターリンさんが書きたくて…←おい
学パロフォルは一層スターリンさん溺愛です
ノアは基本フォルと親しいスターリンさんを何気敵視してそうだな、と(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKというかたは追記からどうぞ!
放課後を告げるチャイムが響く。
家路についたり部活に赴く少年少女たちの間を縫うように進みながら、
浅緑の髪の少年はアル一ヶ所を目指していた。
いつもならば生徒会室に向かう彼。
「ふぅ……」
浅緑色の髪の少年……スターリンは手に抱えた小さな鞄を抱え直した。
そして彼がたったのは大きな図書館の前。
その階段をスターリンは上っていった。
三階の勉強も出来るスペース。
そこにいるのは亜麻色の髪の髪の少年。
参考書に視線を落としてもくもくと作業を続けている。
「フォル」
スターリンは彼の名前を呼んだ。
スターリンの声に彼……フォルは顔をあげる。
そしてすこし驚いた顔をした。
「書記長様!今日はお仕事なかったの?」
「やることないからそのまま帰っていいって言われてるのだよ」
そう、今日はやることがないためにスターリンはそのままフォルを迎えに来たのだ。
フォルはそっか、と笑った後すこしすまなそうな顔をする。
「ごめんね、ちょっとキリが悪いから待っててくれるかな?」
ちょっと計算途中でさ、といいつつフォルは手元のプリントを示す。
確かに問題が解きかけになっている。
スターリンはこくり、と頷いた。
「あぁ、構わないのだよー」
スターリンがそういうと、ごめんね、といってフォルは作業を続ける。
さらさらとペンが紙の上を走る音が響く。
スターリンはじっっと彼を見つめていた。
珍しくちゃんと勉強しているんだな、といってやろうかと思ったが、
思いの外真剣にやっているため口をつぐむ。
適当に何か本をとってこようかとも思ったが、
興味がありそうなジャンルが手近にない。
自分も勉強しようかな、と思っていれば小さく欠伸が出た。
ここ最近はすこし気温が上がってきて心地よいし、
何より図書館は空調が効いている。
あげく、静かな空間だ。
いつもならば賑やかに喋りかけてくるフォルも真剣に勉強に向かってしまっている。
そんな彼の様子を見ているうち、うとうとと意識が微睡んでいった……
***
ーー どれくらいの時間がたった頃だったか。
すっかり寝入っていたスターリンは体を抱き上げられるような感覚を覚えた。
ふっと意識が浮上して、スターリンは目を開ける。
「ん……」
「あ、やっぱり起こしちゃったか」
声が聞こえてスターリンがまばたきを繰り返せば、視界がクリアになった。
目の前にある、フォルの顔。
悪戯っぽく笑う表情に、スターリンは大きく目を見開いた。
「な、な、何……っ!」
「よく眠ってるみたいだったからさぁ。
起こすの、ちょっと忍びなくってね」
そういいつつ、フォルはスターリンを下ろす。
ほ、と息を吐き出した彼を見て、フォルはくすくすと笑って、言う。
「ざーんねん。目を覚まさないでいてほしかったなぁ……」
「っ、フォル、おま、俺が目覚まさなかったら……」
まさか、とスターリンは呟く。
彼が何をしようとしていたのか、何となく想像がついたのだ。
フォルはそんなスターリンの反応に、にっこりと微笑む。
「このまま抱っこして連れて帰ろうかなあって思ってたよ?」
「!冗談やめろなのだよ!」
何の晒し者だ!?とスターリンは叫ぶ。
フォルはそれを聞いてくすくすと笑った。
「ふふふ、君のそういう反応見たくてさ」
「お前にとって俺は何なのだよ……」
スターリンはぼそり、と呟くように言う。
彼の声を聞いて、フォルは猫のように目を細めた。
「勿論、大事な大事な恋び……っ」
もが、と口をつぐむ。
というのも、スターリンがフォルの口を塞いだからなのだが。
一応、周囲には他の生徒たちもいるし、
一般解放しているこの図書館……一般の人間も多くいる。
そんなこの場で平然とそんな発言をしようとするフォルに、
スターリンは焦った顔をした。
「わ、わかったのだよ、もういいのだよっ!」
「むぅう……ぷは、……!照れなくてもいいのにぃ」
顔を真っ赤にしているスターリンを見て、フォルは楽しそうに笑っている。
スターリンはそんな彼を小突く。
「いいから、帰るのだよっ!」
「ふふ、そうだね。せっかくだから寄り道しながら帰ろうかー」
フォルはそういって、勉強道具をデイパックのなかに片付ける。
スターリンはそんな彼の姿にやれやれ、と溜め息を吐き出したのだった。
***
そうして、二人で校舎の外に出る。
天気はよく、日差しが暖かい。
フォルはぐっと伸びをした。
「気持ちいい天気だねぇ……」
「大分暖かくなってきたからな……
俺としては別に寒くてもいいけど」
「うぅ……これ以上寒い日が続いたら僕、死んじゃうよー」
フォルは露骨に顔をしかめている。
寒いのが苦手な彼にとって、冬の寒さは天敵も良いところ。
早く春になってほしいとひたすらにいっていた。
「今もまだちょっとだけ寒いけどねぇ……」
ほら、といってフォルはスターリンの手を握った。
人通りが多い通りでこれをやられるのは恥ずかしくて、
スターリンは反射的にほどこうとするが……フォルはぎゅうっと手を握っている。
「ちょ、フォル、……っ」
「書記長様の手握ってると安心するんだよー」
「子供か?!っていうか、は、恥ずかしいから離すのだよ……っ!」
スターリンがフォルに向かってそういったとき。
「何をしているんだお前らは……」
呆れたような声が聞こえて、フォルとスターリンは振り向いた。
そこには黒髪の少年がたっている。
フォルもそこそこ背が高い方なのだが、それを越える長身の少年……
フォルと同じ制服を着た彼を見て、フォルはぱっと顔を輝かせた。
「あ、ノアール」
そう、黒髪の彼はフォルの友人であるノアール。
じゃれあっているフォルとスターリンを交互に見て、溜め息を吐き出した。
「相変わらずだな……
白昼堂々道端でいちゃつくな。……ほら、これ忘れ物」
そういいつつ、ノアールはバッグからなにかを取り出してフォルに差し出した。
何やら、プリントが入っているらしいファイルだ。
「明日提出って言われて配布されたものを何故忘れて帰れるんだ……」
「あ、ありがとー。ごめんごめん」
「そのくせまだなおってなかったのかよ、フォル……」
スターリンは苦笑気味にフォルにいう。
フォルはえへへ、と笑いながら頬を引っ掻いていて……
ノアールはそんな二人をちらと見て、溜め息を吐き出した。
「確かに届けたからな。
……じゃれあうのもほどほどにしておけよ」
そういってスターリンを一瞥すると、ノアールは二人から離れていった。
スターリンはそんな彼の背中を見て、溜め息を吐き出した。
フォルはスターリンを見てきょとんとした顔をする。
「?どうかした?書記長様」
「……何か、睨まれた気がする」
ぼそり、とスターリンは呟く。
フォルは彼の言葉に目を丸くして、え?と声を漏らした。
「へ?ノアに?そんな子じゃないように思えるんだけどなぁ……」
フォルはすこし悩むような表情。
スターリンは彼の言動にすこし眉を寄せる。
「……何でそんな仲良さげなのだよ」
「んー。クラス一緒で仲良くなったっていうか……
あの子あんまり人付き合いうまくないからさ。
声かけてたらいつのまにか仲良くなってたんだよね」
「……ふぅん」
スターリンはそう声を漏らすと、黙り込んだ。
何だか、面白くない。
フォルはいつもノアールのことを楽しそうに話すから。
それに、何より人に興味がないと言うフォルが親しくしている数少ない人間……
気にかかるのも無理はない。
フォルは仏頂面をしたままのスターリンを見て、ふっと笑った。
そして、彼の華奢な体をぎゅっと抱き締める。
「もー、可愛いヤキモチだなぁ」
「やっ、ヤキモチじゃ……っ!」
「妬いてくれてないの?」
こて、と首をかしげるフォル。
スターリンは視線を泳がせて、溜め息を吐き出した。
もういい、好きにしろ、というように。
フォルはそんな彼を見てサファイアの瞳を細めた。
「ふふ、可愛い」
愛しそうにそういいながら、フォルはそっと彼の頭を撫でる。
ぷい、とそっぽを向くスターリンの頬はすっかり赤く染まっていて。
「さぁてと、何処に寄り道しよっか……書記長様、何処いきたい?」
「フォルに任せるのだよ……」
照れたように頬を赤らめたまま、スターリンはそう言う。
フォルはそんな彼の体をぎゅっと抱き締めてから、優しく微笑んで見せた。
ーー 愛しい人。 ーー
(大好きだからちょっと意地悪だってしたくなる。
その照れた顔を見るのが好きなんだよね)
(平然としてようと思えども出来ない。
そのくらいには、俺もお前に惹かれているんだろう)