ちょっぴり息抜きにSSを。
……毎日いくつかいてるやら、ですね(笑)
☆attention☆
・お医者様コラボ(BL風味)
・今回はラブ要素は薄め?
・メンゲレさんがちょっぴり強気
・どことなく、ほのぼのさせたかったけど、撃沈。
・やっぱりナハトさん、ごめんなさい。
以上が大丈夫な方は追記からどうぞ!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
ちょっぴり息抜きにSSを。
……毎日いくつかいてるやら、ですね(笑)
☆attention☆
・お医者様コラボ(BL風味)
・今回はラブ要素は薄め?
・メンゲレさんがちょっぴり強気
・どことなく、ほのぼのさせたかったけど、撃沈。
・やっぱりナハトさん、ごめんなさい。
以上が大丈夫な方は追記からどうぞ!
珍しく、人がたくさんいる、医療棟。
どうやら、炎豹の騎士たちが任務から帰ってきたらしい。
彼らは防御なしで戦う。
そのため、ちょっとした怪我は日常茶飯事。
なのだが、
今回は一部の草鹿の騎士も連れて行くほどに手ごわい魔獣だったようで、
念のため手当をしてもらいに来たらしい。
そんなこんなで、暫し医療棟は大騒ぎだった。
ようやくその騒ぎがひと段落した時、
メンゲレはジェイドに頼まれて医療用具を片付けに行っていた。
医療道具はすべて一括して処置室に置いてあるのだが、
今日は患者の数が多くて部屋に分散して処置をしたため、
持ち出した道具を片付けなければいけないのだ。
「あ、お前……」
と、そこですれ違った茶髪の騎士に呼び止められる。
背の高い、がっしりした体格の騎士。
それは炎豹のセラ、アレクで。
彼にしては珍しく、心配そうな表情で、問いかける。
「ジェイド、平気そうか?」
「え?」
唐突な質問に、メンゲレはきょとんとした。
平気も何も、彼はいつも通りだった。
さっきだって、自分やほかの草鹿の騎士たちと
炎豹の騎士たちの手当てをしていたのに。
メンゲレのリアクションに、今度はアレクが驚いた顔をする。
「え?アイツ、さっきの任務で怪我したから、心配してたんだけど……」
「え……?!」
「いや、さっき俺たちの任務につきあう、って言ってついてきて……
その途中で、怪我したっぽかったから。
……なに?アンタも知らなかった感じか」
驚愕。その一言に尽きる。
そんなそぶり、一度も見せていなかった。
腕を庇ってるようにも見えなかったし、
表情だっていつも通りで……
そんなメンゲレの顔を見てか、アレクが苦笑した。
「やっぱあいつ、隠してやがったのか……」
アイツらしいよ、と呟くアレク。
そういえば、彼は昔、ジェイドのパートナーだったという。
"やっぱり"という、すべてわかっていたという風なアレクの様子をみて、
何となく……負けたような気がして、悔しかった。
「すみません、僕戻りますね」
「おう、手当てしてやって」
にかっと屈託なく笑うアレクに軽く会釈して、メンゲレは元来た道を引き返した。
***
部屋に戻ると、机に向かっていたジェイドが椅子を回して、ドアの方を向いた。
驚いた顔をして、首をかしげる。
「おや、メンゲレ?早かったです……」
メンゲレは"早かったですね"と言いかけたジェイドの腕をつかんだ。
思いがけない行動のために驚くジェイドの表情が、一瞬歪んだ。
掴んだのは右腕。
どうやら、怪我をしている方の手を掴んでしまったらしい。
一瞬すまないな、と思ったが、すぐに思い直す。
こうでもしないときっとジェイドは認めないだろう、と。
ジェイドの性格は、嫌というほどよくわかっている。
「怪我してる、って本当ですか?」
いつもより幾分低い声で尋ねる。
唐突なメンゲレの質問に、ジェイドは目を丸くした。
翡翠の瞳が、揺れる。
「え……?」
「アレクさんに、聞いたんです」
まっすぐに統率官を見つめるメンゲレの視線は真剣そのもので、
ジェイドは珍しく狼狽した様子を見せた。
暫し言い訳を探すように視線を泳がせていたが、
ふっと表情を緩めると、いつものように微笑んでみせる。
「平気ですよ。軽い傷ですから」
気にしないでくださいな、というともう一度机のほうをむこうとするジェイド。
メンゲレはジェイドの腕を掴んだまま、離さなかった。
「…………」
そんな彼の様子を見ていれば、わかる。
もういい加減に慣れた、彼のこの拒絶。
他者に弱みを見せたくない、という彼のプライドによる行動。
他人に対してはそれでもいい、とメンゲレは思った。
―― でも。
自分にまで、そんな態度をとられたことが悔しくて。
「平気か平気じゃないか、の問題じゃないでしょう?」
苛立ちを含んだ声で言うと、
メンゲレは半ば強引にジェイドの白衣を脱がせた。
そして、それで露わになった腕を見て、表情を歪める。
「これの、どこが軽い傷ですか?!」
白衣を羽織って誤魔化していただけのようで、
普段彼が着ているシャツの右腕には濃く血が滲んでいた。
咎めるようなメンゲレの視線に、ジェイドは溜息を吐いて、
自分の腕をつかむ彼の手にそっと触れた。
溜息混じりに、そっと告げる。
「離してください……ちょっと痛いです」
おとなしく認めた彼を見て、メンゲレは少し手の力を緩めた。
これでもジェイドにしてはずいぶんな譲歩だ。
普段の彼ならば絶対に"痛い"などとは言わない。
「……手当てしますから、傷を診せてください」
メンゲレが溜息をついてからいうも、
ジェイドは"平気ですって"と相変わらずに拒否の姿勢。
そのまま資料整理に戻ろうとするのだから、もう目も当てられない。
少々荒っぽいけれど、と思いつつ、
メンゲレはもう一度ジェイドの右腕をつかんだ。
さすがに痛いらしく動きを止めるジェイドの向きを変え、自分の方を向かせる。
そのまま、怒りを含んだ口調で、言った。
「いい加減にしてください、ジェイドさん。
いつもあなたが言ってることでしょう?自分のことも大切にしろ、と」
メンゲレの言葉に、ジェイドが目を見開く。
そう、それはいつも目の前にいる彼が言っていること。
"自己犠牲"がモットーの部隊であるのは事実だが、
自分自身を大切にできないのは感心できない、と。
メンゲレの強い口調に押されたように、
ジェイドは少し瞬きをしてから、小さく頷いた。
その顔にはわずかに苦笑が浮かんでいた。
「……まさか、貴方にお説教されるとはね」
「説教したくもなりますよ……」
まったく、と呟きながら、メンゲレはジェイドに視線を向ける。
ジェイドはおとなしく白衣と上着を脱いで、ワイシャツから腕を抜いた。
一応応急処置程度は自分でしたようだが、
ずいぶんと御座なりで、乱暴にまかれた包帯には血が滲んでいる。
メンゲレはそれを素早く解いて、傷を診た。
爪か何かで抉られたのか、結構深く切れている。
普段肌をさらすことがないため色の白い肌にくっきりと走る赤い傷は痛々しかった。
こんな傷を負っていながら、いつも通りに振舞っていたジェイドに少々呆れる。
「結構深くやられたんですね」
「……少し、油断してましてね」
油断、なんて言葉。
ジェイドには似合わなくて。
「……ジェイドさんのことですから、誰かを庇ったんじゃないですか」
弱めに魔力を当てながら、ちらりと視線を向ける。
腕にうっすら残った、逆十字架の痣。
それが何であるか、メンゲレも一応知っていた。
噂では聞いていた、それ。
以前、戦いの途中にアレクを庇って悪魔族に呪いをかけられたというジェイド。
その痕である痣が残っている、という話は聞いていた。
メンゲレが此方(イリュジア)に来る前の、話。
そんな記憶から推測すると、今回の傷もそうではないか、と思ったのである。
「…………」
沈黙は肯定。
ジェイドは自分でそれを認めるのがよほど嫌らしい。
メンゲレは小さく笑って、ジェイドの傷口にそっと触れる。
「っ?!」
痛みのためか小さく跳ねるジェイドの肩。
悪いとは思いつつ、そんな彼の様子を見るのは、うれしかった。
普段飄々としているジェイドだからこそ、こんな表情はそうそう見せない。
恨みがましそうな目で、ジェイドはメンゲレを見る。
「……やめてください、って」
痛いって言ってるでしょう、と言うジェイド。
その口調がどことなく子供っぽくて、メンゲレは思わず笑ってしまった。
「すみません」
「反省、してないでしょう?」
「すみません、って……!」
大分傷のふさがった右腕で、メンゲレの腕を引き、口をふさぐ。
長時間その体制を保つのはきついのか、
いつもよりは幾分短くキスを終え、軽くその唇をかんでから、ジェイドは笑った。
「やられっぱなしは性に合わないのです……後で、覚悟しておきなさいね」
「恩知らずですねぇ……」
「傷を治してくれたことに感謝してはいますが……それとこれとは、別です」
理屈っぽい彼の、子供っぽい屁理屈。
メンゲレは小さく口元に笑みを浮かべて、
自分の魔術で薄くなったジェイドの傷口に唇を落とす。
―― その行為に含まれるのは、ちょっとした嫉妬と、独占欲。
傷口から、少し上にある十字の痣にもキスを落として。
まるで、過去の彼の呪いをも、消してみようと思うかのように。
「やられっぱなしは性に合わない、って言ってるのに」
「それは、僕だって同じですよ」
くす、と笑って見せながら、天使は言う。
「何時だって守られるだけは嫌ですから。
たまには、力にもならせてくださいよ」
頼ってほしいのだ、と。
さっきだって、怪我をしているのなら先に言ってほしかったのだと、
メンゲレはジェイドに告げる。
ジェイドは「わかりました」と言って小さく微笑む。
その表情は、どこか嬉しそうでもあった。
―― 頼るばかりがうれしいのではない。
頼られるばかりがうれしいのでもない。
力になって。力になってもらって。
傍にいて、傍にいてもらって。
そのバランスが、酷く愛おしいのだと。
純粋に、そう思った。
―― 頼って、頼られて。 ――
(たまには、逆転もありかもしれない)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |