赤髪金髪コラボで音楽ネタなSSをば。
ライニさんはバイオリンが弾ける方なので…こういうネタを←
音楽できる美人さんって良いですよね!(おい)
*attention*
赤髪金髪コラボSS
ほのぼのです
音楽ネタです。バイオリンネタです
ライニさんはバイオリンが出来るお方。
アネットは逆に芸術関連とことん弱いです(笑)
でもたぶんライニさんの演奏奈良こういう反応するだろうなって!(ぇ)
美人さんが楽器弾いてる姿は絵になるだろうな、と思います←
相変わらず妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
ディアロ城の長い廊下を駆ける、赤髪の少年。
外での任務を終えて、報告もきちんと終えた。
そんな彼が目指す場所はただひとつだ。
今日は珍しく仕事がないと話していた金髪碧眼の愛しい人。
もし自分の任務が早く終わったら一緒に遊びにいこうと誘って、
OKをもらったのは昨夜のこと。
彼の承諾に俄然やる気を出したアネットは
早々に任務対象の魔獣を倒して帰ってきたのだった。
そんなわけで、大好きな人……ハイドリヒの部屋を目指していたのだけれど。
「ん?」
アネットは通いなれた彼の部屋の前で足を止めた。
普段ならばノックもなしに勢いよくドアを開けてしまうのだが……躊躇した。
その理由は部屋の中から音が聞こえるからで。
否、音と言うよりは……音楽?
アネットは数回瞬きをすると、そっとドアノブに手をかけて、ドアを開けた。
音をたてないように静かに入室して、部屋のなかを見ると……
「わ……」
アネットは思わず、小さく声をあげた。
ガーネットの瞳が大きく見開かれる。
部屋の主……ハイドリヒはちゃんと部屋のなかにいた。
茶色い楽器を肩に乗せ、音楽を奏でているのは他でもない彼。
どうやら演奏に集中しているらしく、アネットの入室には気づいていない。
決して音楽や美術に精通していると言えないアネットでは曲名等はわからないが、
美しい、繊細なメロディラインや滑らかなリズムに惹かれる。
そして、それに加えて……
美しかったのだ。
音楽以上に、彼の姿が。
初秋の穏やかな光が降り注ぐ窓辺。
風に揺れる白いカーテン。
長い金髪はその穏やかな光に照らされ、風に揺れ……
美しい蒼い瞳の視線は少し伏し目に譜面に落とされている。
まるで、一枚の絵画のようだった。
思わず、声をかけるのを忘れてしまうほどに。
「……アネットさん?」
不意に声をかけられて、漸くアネットははっとした。
顔をあげてみれば怪訝そうな顔をして彼を見つめているハイドリヒ。
いつの間にか、曲が終わっていたらしい。
小さく首をかしげて、彼はアネットに問いかけた。
「何してるんですか、そんなところで」
「へ?……あ」
訊ねられて初めて、アネットは自分の状態に気づいた。
ドアの前に立ち尽くしている格好。
ドアノブには手をかけたままで、
確かに傍から見れば何をしているんだとといたくなるだろう。
怪訝そうな彼に向かって、アネットは慌てて答えた。
「いや、ラインハルトの部屋から音楽聞こえてきたから……
ドア開けたらお前楽器弾いてるし……
綺麗で、見とれた」
いつも以上にアネットの言葉が支離滅裂なのは、
きっと今のハイドリヒの演奏にまだ酔っているからだろう。
アネットの言葉にハイドリヒは碧眼を大きく見開いた。
そしてプイと顔を背けつつ、言う。
「……来たならば来たと言えばよいのに」
少しそっけなく、聞く人が聞けば怒っているとさえ感じそうな口調。
そんな彼の態度は恐らく照れ隠しだろう、とアネットは思った。
アネットは率直にハイドリヒを誉めるが彼はそれを聞くとそっけない態度をとる。
アネットは笑って言葉を続けた。
「だって邪魔したくなかったんだもん。
めちゃめちゃ上手いし……
バイオリン、だっけ?それ」
「バイオリンくらい躊躇いなくわかってくださいよ……」
アネットの知識のなさにハイドリヒは少々あきれる。
バイオリンはピアノと似たり寄ったり有名な楽器だし、
ある程度教養のある者ならば弾ける者も少なくない。
アネットはハイドリヒの指摘と表情にむぅとむくれた。
「だって、バイオリンとにたような楽器たくさんあるじゃねぇか……
チェロとか、ビオラ?とか」
彼の口から比較的マイナーな楽器であるビオラが出てきたのは驚きだが……
ハイドリヒは溜め息混じりにいった。
「大きさが全然違うでしょう」
「そ、そうだっけ?……まぁいいや」
アネットは笑って誤魔化すとハイドリヒに歩み寄った。
出掛ける約束をしていたことを思い出して、
ハイドリヒは手に持っていたバイオリンをケースに戻そうとする。
すると"あ、待って"とアネットがそれを止めた。
ハイドリヒは怪訝そうな顔をして首をかしげる。
そんな彼にアネットは笑顔でいった。
「もっと、何か弾いてよ、ラインハルト」
「は?だって、出掛けるのでは……」
「気が変わった。
ラインハルトのバイオリン、もっと聴きたい」
アネットはガーネットの瞳を輝かせて、彼に言う。
ハイドリヒは幾度も瞬きをした。
彼が音楽好きだなんて話は聞いたことがない。
どちらかと言えばこういう芸術面のことに関してはとことん疎くて、
好きと言うよりはむしろ、苦手そうなタイプなのに。
「……アネットさん、音楽好きでしたっけ」
「いや、あまり。詳しくもないし、自分が歌ったり弾いたりは苦手だよ」
「だったら、何故」
得意でも好きでも詳しい訳でもない音楽を聞くよりは、
外に出掛ける方が好きなアネットだろうに、というように、
ハイドリヒは不思議そうな顔をしている。
アネットはそんな彼に微笑みかけて、いった。
「ラインハルトの演奏だから聴きたいんだよ。
それに……否、これはいいや」
アネットにしては珍しく、言葉を濁す。
―― それに、お前自身もすごく綺麗だったから。
そんなことを言えば、きっとまたハイドリヒは照れるのだろう。
照れている彼の表情も好きなのだが、からかいすぎて怒られるのも嫌だ。
そう思ってアネットは言葉を切ったのだった。
そんな彼の態度にハイドリヒは一層怪訝そうな顔をするが……
ダメといったところで簡単に引き下がらないのがアネットである。
ハイドリヒは小さく息を吐き出すと、"リクエストは?"と訊ねた。
アネットはゆっくりと首を振る。
「俺曲名とか知らないから……
ラインハルトが好きなのを弾いてくれないか?」
「人任せですね……まぁ、いいでしょう」
演奏が綺麗と言われて嬉しくないわけではない。
出掛けるのはまた今度でも良いか、と思った。
ハイドリヒは何を弾こうか、と少し悩んでから弓を弦に当てた。
―― Beautiful melody ――
(もっと聴かせて、と強請れば怪訝そうな顔をする愛しい人。
愛しいお前が奏でる音楽は今まで聴いたドの曲より美しくて
それを奏でるお前の姿もまるで絵みたいに綺麗だったからもっと聴きたいんだ)