「うおー、寒っ」
「布団の中から一歩も出ないような人間が何を言ってるんですか」
「だって寒いんだもー」
雨は降るわ北風はびゅーびゅー吹くわ、冬将軍遠征の足音が聞こえ始めた今日この頃。
ヒュウガは祝日であることを理由に未だに布団の中に引き込もっていた。
『今俺忙しいから朝ごはん作って』
うむを言わさぬ可愛げのないメールにうんざりして行けば…この芋虫め。
あろうことか寒いことを「忙しい」と形容し(本人曰く、寒さと戦っていて手が離せない)そんなことで自分を呼んで飯を作らせているのだ。
……そこで首を横にふらず台所に立っている自分も自分なのだが。
「ほら、ご飯できましたよ」
「ん。ありがとー」
「出てくる気がないんなら全部僕が食べちゃいますけど」
「うーん…じゃ、起きるの手伝って」
はぁ、とため息をつきながら歩み寄るコナツ。
本当に自分って馬鹿だなぁ、と思いながらも自分の愛情の深さに気付かされる。
…そんなこと、本人の前では絶対に言わないけど。
ヒュウガの寝ているベッドの前まで来て布団に手を伸ばした瞬間、
その手をぐい、と引っ張られた。
布団に激突するかと思いきや、何故かヒュウガの腕の中に包まれていた。
「え、ちょ、なにこれ…」
「何って……抱擁?」
「んなことはわかりますよ。せっかく作ったご飯はどうするんですか」
「後で温めればいーじゃん」
人の苦労をなんだと…。
そう思ったが、言う気力も失せたコナツはただ息を吐いた。
すると、ヒュウガがコナツに擦り寄ってくる。
「コナツあったかーい」
「くすぐったいです、少佐」
「…プライベートのときは?」
「っ……ヒュウガ、さん」
「よくできました」
「…で、離す気はないんですか」
「うーん、もうちょっと」
もうちょっと。
その言葉を聞いて「もうちょっと」だったことがない。
あと2、3時間は拘束されることを知りながら無理矢理剥がす気になれないのは、
きっと今日が寒い寒い休日だから。
ぐー。
「コナツって寝るの早いよね…」
つまんなーい。
「あ、でも寝顔可愛い」
げしっ
あれ、コナツ起きてないのに。
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貴方はいつもそんな感じですね 笑。
布団の中でぬくぬくしながら書いてしまった 笑。
だって寒いんだもー ←←
今回のコナっちゃんは料理デキちゃう方です。でも変食家です 笑。
あー、布団がぬくい(−ω−) ←