見えない分岐点
「で、どこ行く?」
昼食を食べた後、出掛けることになった。しかし、特に行きたい所がある訳でもなく。
「え…と、とりあえずスーパーで安売りしてるんで」
「すっかり主夫だね…」
呆れ気味にそう言いながら、嫌がらないところを見ると異論はないらしい。
二人は昼過ぎの、ゆったりとした町並みへと繰り出した。
***
「あ、ちょっといい?」
だいたいの買い物も終わった頃、ヒュウガが近くのホームセンターを指差して言う。
すぐ終わるから、ということで、特に用事もないコナツは入口で待つことにした。
***
しばらく待っていると、とことこと一人の青年が向こうから歩いてきて、目の前で止まった。
何かまずいことでもしただろうか、と少し気まずめに顔を上げると、その青年はにっこりと笑う。
「こうして会うのは初めて…だよね?」
内心驚きつつも、会ったことはないのに何故か知っているような感覚が否めない。
「はじめまして、プロフェです」
「え、」
思わず出てしまった声に、慌てて口を押さえる。
なんとなくそんな予感はしていたけれども、どうしてここに…?
「僕としてはどちらでも良かったんだけど、一応本人の口から聞こうかと思ってね。ずばり、人間の彼と猫の彼、どっちがいい?」
本当にずばりだな…と呆れつつ。はて、改めて聞かれると、何とも。
人間は人間でかっこいいし、猫は猫で可愛いし。正直、選び難い。
「ま、いいや。また後で」
青年がそう言って背を向けた瞬間、後ろから肩を叩かれた。
「コナツ、お待たせ」
「遅かったですね、今、プロフェさんと…」
そう言って元の方へ向き直ったが、青年の姿はなかった。
***
まだ終わらないっ!←
ゴールは目の前だ、つっこめー!←←