「貴女は何にでも当てはまる」

「え?」


碧と翠のオッドアイが振り向けば、赤と青のオッドアイが視線を返して微笑んだ。


「貴女は太陽のように明るい」


彼は明るい声音でそう言った。


「かと思えば、雨のようにどうしようもなく悲しみを漂わせる」


次は低く静かな声音で目を伏せる。


「なのに、雲のようにふらふらとしていて、霧のように誰にも掴ませようとはしない」


それは彼女自身の話か、心の話か。


「そして時に、嵐のように怒り狂い、雷でも宿らせたような激しさを見せる」


そうして伏せた目を開ける。
視界に入ったのは、微妙な表情で笑う彼女。


「貴女は守護者達が持つどの属性にも当てはまる」

「あはは、それって性格の話?
でもそれだったら誰でも持ってると思うよ?」

「そうでしょうか?」

「そうだよ。
骸だって、太陽になれる」


首を傾げた彼に、彼女はニコリと笑って言った。
その、見る者の心までをも温かにしていく笑みは、彼の心をも優しく照らした。


「…それはそれは、ありがとうございます。
ですが、やはり僕に太陽は似合わない」


そして彼女は、どれにでも当てはまっていながら、そのどれにも似合うとは思わない。

太陽のような快活さも。
雨のような静寂も。
雲のような気まぐれも。
霧のような不透明さも。
嵐のような激しさも。
雷のような鋭さも。

彼女には、似合わない。


「僕に太陽が似合わないのは、霧であるから。
そして貴女にその全てが似合わないのは、」


透明な双眸。
その背には見えない翼。
映し出したのは、空の色。

―――彼女は、大空へと翼を広げる天使。


「骸?」

「…空羽、」

「うん?」


きょとんとした表情で彼女が首を傾げる。
その姿に思わず額に手をやって苦笑した。
嗚呼、貴女という人は…。


「何でもありませんよ」

「ホントに?」

「ええ、本当に。…クフフ」


今はまだ、内緒にしていてもいいでしょう。

そう心の中で呟いて、彼はいつもの調子で笑みを浮かべた。





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我が家の復活夢主空羽ちゃんと骸の会話です
というか復活とか久々過ぎて骸の口調とかわかんない!←
空羽の名前とか一回しか言ってないよ骸ww
とりあえず属性はどれも合ってるんだけどお似合いの人物は大空の人だという話←
そして骸が意地悪だというオチ←