来年、政令指定都市へ移行予定の神奈川県某市において
特別養護老人ホームの入所待ちの現状が明らかに。
例えば、“要介護5”の“80代”の方で、概ね
““20年待ち””
絵空事でも他人事でもない。
増床計画も実態に追いついていない模様。
“介護疲れ”や“介護うつ”、そして悲惨な事件も頻繁に起きている。
(※新聞テレビ等のメディアに出る記事は、氷山の一角)
超高齢化社会は、すぐそこまで来ているし
絶対に避けては通れない。
本当に国全体で知恵を絞って
意見を出したり、真剣に考えていかないと、
今後、世の中全体であらゆる損失・弊害など
問題が噴出しそうだ。
社説:雇用対策 介護起業のすすめ
失業率は3カ月連続で若干の改善を見ているが、雇用情勢は相変わらず厳しい。来春卒業予定の大学生や短大生の就職内定率は低く、高校生の3人に2人はまだ就職先が決まっていない。年越し派遣村の当時よりも状況は深刻ともいえる。
有効求人倍率が0.44倍(10月)という中で、やはり大きな受け皿として期待されるのが医療や介護である。特に介護現場では慢性的な人手不足に陥っている事業所が多い。いや、急速に進む高齢化に対して介護施設・事業所そのものが不足しているのだ。政府は職業訓練に力を入れ、介護福祉士らの養成学校は訓練生であふれ返っているが、思ったほど就職に結びついていないという。訓練中は失業手当を延長して受けられ、雇用保険未加入でも生活手当をもらえるため、働く気のない人の避難場所になっているというのだ。
しかし、介護を敬遠する理由としては、全産業平均の6〜8割程度という給料水準の低さを挙げざるを得ない。民主党は公約である介護従事者の待遇改善を優先的に実施すべきだ。また、学校やハローワークで「介護の仕事は大変だ」と求職者にブレーキをかける傾向があるともいう。たしかに楽な仕事ではないが、介護を通して得られる感動や専門性に魅力を感じて働き続ける人はたくさんいる。食わず嫌いでいるよりも、まず飛び込み、試用期間中に自分に合っているかどうか見極めてもいいではないか。慣れない人を受け入れる介護事業所は大変かもしれないが、国全体が陥っている雇用危機を救うのは介護しかない。介護をこの国の主産業にする覚悟で臨んでほしい。
支援の質よりも経営を優先する事業所が増え、それに失望して良質な職員がやめていくケースも多いという。こういう人には自ら起業することを勧めたい。訪問系サービスや宅老所ならば多くの準備資金は要らない。20〜30代の若者や企業を定年退職したシニアが狭い事務所や民家を借り上げて介護NPOを設立するケースはいくらでもある。苦労はするだろうが、安定して顧客(高齢者)が増え続けていく成長分野でもある。政府が現在検討している雇用対策には介護を担うNPOの創業支援を柱として盛り込んでもらいたい。
わが国の高齢化率はいずれ40%にもなる。過疎地の限界集落だけでなく、都心部でも高齢者ばかりの団地やマンションが増えてくる。どれだけ施設をつくっても追い付かない。町内全体が特別養護老人ホームのような状況になるのだ。国民全員がヘルパー2級資格を持ち、どの町にも小さな介護事業所がたくさんあるくらいにしないと対応できないのではないか。発想の転換が必要だ。