*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋8』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の第8章です⇒
story.28:『志願』
ドスッ!
クリスタルの灰皿が、男性の頭に直撃した。
男性:「うっ…!た、助け……っ------------」
ドスッドスッ!
男性の制止を聞く間もなく、男性に跨がる体勢で、男は大きく灰皿を頭に打ち付け続けた。
やがて男性がぐったりと動かなくなっても、男はまだ灰皿で男性を殴り続けた。
数分後、ようやく男は手を止めて変わり果てた男性を見た。
男:「………ハッ!」
男は、おかしそうに笑う。
独り暮らしをしているという男性に招待され、男は男性が住む高層マンションへやって来た。
男は、ずっと男性に強い恨みがあった。
男性と2人。その憎しみが勝り、気持ちが抑えられず、殺害してしまった。
ピピピピピッ!
男のケータイが鳴った。
男がケータイをポケットから取り出すと、マンションのベランダから兎の仮面の女こと、雪見が現れた。
開かないベランダの外で立ち尽くす雪見を無視して、男はたった今、届いたメールを確認した。
『話は、雪見から聞いてます。
第8の槐事件が終わったからって、気が早くありませんか?
1人で、これからどうするつもりだったんでしょうか。
このまま出て行ったら、貴方の復讐は終了してしまいますよ。
ですが、安心してください。
雪見と協力して、この場をどうにか乗り切りましょう。
というわけで。
次は、貴方が槐-エンジュ-です。
貴方の恨み、晴らしませんか?』
その内容を見てから、男はベランダへ向かい、戸を開け放った。
------------ガラッ!
男:「さぁ、協力してもらおうじゃないか雪見。」
男は、不敵に笑っていた。
男:「次は、俺が槐だ…」
雪見:「はい……9代目様。」
雪見は浅く頷いて返事をすると、部屋のなかへ入り、早速行動を開始したのであった。
--------------------------…
警察署に、水嶋が駆け足でやって来た。
すると早速、刑事課フロアーで姫井に話し掛けられた。
姫井:「水嶋!私を資料室に入室する許可をして!」
水嶋:「……行けばいいだろう?
お前の得意分野の場所だし…」
姫井の申し出に、水嶋は思わず後退りながら許可をする。
すると、姫井の後ろから石塚が言ってきた。
石塚:「ダメだ。姫井は槐事件と関係のない事件を調べようとしているんだ。
今はそんな時じゃないと水嶋からも言ってくれ」
水嶋:「事件と関係ないこと?」
水嶋の疑問に、姫井が言う。
姫井:「『廃倉庫未成年少女誘拐殺人事件』よ。」
水嶋:「えっ…」
姫井の口から出た言葉に、水嶋は一瞬びっくりした。
第8の槐事件直前に高柳たちが志願した事件の捜査を、今度は姫井が志願してくるだなんて。
水嶋:(関係あるのか、2つの事件は…)
水嶋がそう思った瞬間、突然体調が悪くなった。
水嶋:「うぅっ…」
石塚:「水嶋…!」
倒れそうになる水嶋に、石塚が駆け寄り支えた。
姫井:「水嶋!大丈夫?」
姫井も駆け寄り、水嶋を心配するが、水嶋は心臓の辺りを抑えながら頷いて言った。
水嶋:「だ、大丈夫だ。え、えーと、姫井。
資料室には出入りしても構わないが高柳たちにも、捜査最優先って言ったばかりなんだ。槐事件に集中してくれ…」
姫井:「……分かった。
でもなるだけ迷惑掛けないようにする。」
「ああ、そうしてくれ」と、水嶋が言うと、石塚は重いため息を付いた。
そして困ったような顔を浮かべながら、石塚は諦めた様子だった。
姫井は、その表情を見逃さなかった。
すると、水嶋が思い出したような顔をして言った。
水嶋:「…そうだ!今、自宅に戻ったら直弥くんがマインドコントロールで眠りから覚めてないことが分かったんだ」
石塚:「それは本当か!兎の仮面の……加藤智秋が絡んでいるのだろうか」
水嶋:「それは、分からない。
歩美ちゃんの話では、病院の方でも何かあったらしいから、これから病院にも行って来る」
水嶋は支えてくれていた石塚の手をどけて1人で立ち、また外出するために背を向けると、自動販売機から帰って来た高柳たちが水嶋に近寄る。
高柳:「水嶋先輩!戻ってたんですね。」
水嶋:「ああ。だが、これから病院へ行く。直弥くんが眠りについたまま目が覚まさないんだ。」
高柳:「え!なら、僕も行きます」
白波:「私も行きます!」
高柳と白波の志願を聞いて、水嶋は2人を連れて警察病院へ向かおうとした時だった。
石塚:「いや、高柳と白波は残れ。姫井、休んでたんだ。水嶋と病院へ行くんだ。」
姫井:「なっ…」
水嶋:「姫井。言うこと聞いておけ、一応…」
姫井:「分かった……」
そう言って、姫井は水嶋の後をついて病院へ向かった。
警察署の外へ出て、車に乗り込んだ時、水嶋が言ってきた。
水嶋:「姫井。俺にも教えてくれ。どうして過去の……あの事件について知りたいのか」
姫井:「……うん。じゃあ、運転しながら、ね。」
水嶋の問い掛けに、姫井は応えて、なぜ『廃倉庫未成年少女誘拐殺人事件』のことを知りたいのか。
そのきっかけと休暇中のことを先ほど石塚たちに話したことを『阿岐名葉月』の名前を伏せて、水嶋にも話した。
だが、やはり水嶋は鳥の仮面の男こと、城之内凛太の事件の時に聞いた話を覚えていなかった。
姫井は、悟った。
やはりこの槐事件は、『阿岐名葉月』が関係している。
あの日の若月里沙と葉隠真紀の話に、確信を得た姫井だった。
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