話題:期待外れだった映画

思っていたような映画ではなかった、という意味でね。
農夫が自主制作ロケットで宇宙を目指すなんて、コメディ映画って思ってちゃったから…。
笑いに笑かして最後はほろりとさせるのかなって思ってたんですけど、全然違くて、ただ淡々と夢を追う男の姿を描いていました。
これはこれで私は好きです。ただ、その日の気分には合わなかったってだけ。コメディが見たかったの。

チャーリー・ファーマー(ビリー・ボブ・ソーントン)は宇宙飛行士を目指す男だった。宇宙に飛び立ちたい…その夢を追って生きてきたファーマーだが、父の急死でやむをえず宇宙飛行士を辞め、農場を継ぐ。しかし宇宙に飛び立つ夢は捨てられなかった…。

「いつの頃からか、なんでもできると信じることはやめました。だが夢を失ったら何も残りません」

夢を追う男と彼を支える家族を描く、ファンタジックファミリームービー。

夢とは、夢を掴むために必要なものとは?
考えさせられるストーリーでした。
そこまでするかというほど夢に固執するファーマーの姿は、私には理解し難いものですね。

「家を失ったらどうやって生活するつもり!?家族の安全はどうなるの!?」

まさしくその通りです。
どれほどその夢に価値があっても、あまりに現実を蔑ろにしすぎるのはどうかと思う…。
できないことはできることだと思うけど、そのためにそれだけの努力が必要だってことを忘れちゃいけない。そして年齢を重ねれば重ねるほど、自分が背負うものが自分だけではなくなっていく。その中で、夢だけに拘って生きてはいけないと思う。
この映画はそうした現実的な側面も忠実に描き出しています。

…かと言って夢を持つこと、追うことを否定するのでもない。
その温かな視点は、ファーマーがそれまで目を背けてきた現実を受け入れた後半以降に広がりを見せます。

「夢は叶うってことを見せてあげてほしいの」

そう言って奥さんが差し出したものは…。

夢を叶えるために必要なものは、もちろん根性や情熱や絆など精神的なものもあるけれど、それだけじゃない。それだけではない。
「法を犯さずに買わないとな」、と言うファーマーにかっこいいな!と思いました。

…まぁ、私はここまでするのはどうかと思うんですけど。
でも、それでも、やっぱり夢って大事なことよね。現実も大事だけど、空想の世界も必要なように、人生に夢はやっぱり必要なんだと思う。
ただそこにはそれなりのリスクがあり、打破しなければいけない諸々の問題があり、私たちは常にそれを理解して夢に挑まなければならない。その点を強く浮き彫りにしたこの作品は、非常に好感の持てるものでした。

あえてそこに“未確認の打ち上げ”を持ってきたのもいいねw
絶対にありえんてぃーだもんw飛ぶわけないじゃんwって感じだしw
でもあそこまで非現実的なところに、現実的な諸問題を取り入れていくところが、この作品のテーマである“夢と社会性の共存”を表しているのだろうな。

おもしろくはないけど、興味深い作品でした。
多少前半は間延びするかな。でも観る価値はある。気が向いたらどうぞ。