西ドイツで生まれたハンス・ウィルヘルムがアメリカで出版した


名作『ずーっと ずっと だいすきだよ』


国語の教科書にも載るほど
有名な絵本なので、目にしたことの
ある人も多いかもしれませんね。



この絵本のテーマは
「愛する者との死別」



男の子と愛犬のエルフィーは、
幼い頃から大の仲良しでした。


毎晩、男の子はエルフィーに
「大好きだよ」と伝えます。


しかし、
一緒に大きくなっても、
当然エルフィーの方が
早く年衰えていくのです。


段々昔のように
動けなくなってきたエルフィー。


お別れの日も近くなってきました。


やがて、
エルフィーに死が訪れます。
家族みんなが悲しみにくれる中、
男の子の心は幾分か楽なのでした。


なぜなら、
毎晩エルフィーに
愛している気持ちを伝えていたから。
男の子には、後悔がなかったのです。



すきなら
すきといってやればよかったのに
だれも、いってやらなかった。

いわなくっても
わかるとおもっていたんだね。




伝えることの大切さが この一文に詰まっているのではないでしょうか。

言える時に言っておかなければならない
言葉がある。

日々の中できちんと愛情を伝えないことが後でどれほどの悲しみに繋がるかを、この絵本は教えてくれます。

子どもが読んでも納得できる物語ですが、本作は大人の心にこそより響き、自分の大切な人が思い出されて泣けてくるのです。







次の作品









世界的に有名な
『おやすみなさいのほん』を書いた、
マーガレット・ワイズ・ブラウンと、
カルデコット賞を受賞した画家の
レナード・ワイスガードのコンビが1949年に出版したこの絵本は、

今もなお
世界中に愛され続けている有名な絵本

ずっと大切に取っておいて、孫に読み継いでいる、という家庭もあるかもしれません。


キレイでリズムが心地よい詩的な文と
あたたかみのある美しい絵で、子どもの読み聞かせにピッタリですが、

大人が読んでも改めて大切なことに気付かされる、味わい深い1冊です。



そらはいつもそこにある 

まぎれもなくあおくて たかくて
くうきにみちている

そしてときおり
くもがとおりすぎていく

でもそらにとってたいせつなのは
いつもそこにある ということ




このように、スプーンやひなぎく、雨や草、雪、りんご、風……と身近なものの大切なことを、
1ページ1ページ紐解いていきます。


では、あなたにとって大切なこととは
何でしょう?

読者に本質を見ることの
大切さを伝えてくれるこの絵本は、

心を育てている真っ最中の子どもや、

情報過多で周りが見えなくなっている
大人にこそ


読んでもらいたい作品です。