本能


本は好きですか?





ただ読み流したつもりでも
記憶に残ってないつもりでも





良くも悪くも
必ずいつかは貴方に作用します











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処理能力不足

ニ冊読む、



気分転換に本屋行く、



面白そうな本を見つける、



三冊買う、を繰り返しているうちに…。



処理が間に合いません。時間が足りません。
全部を今読みたい。








お金持ちになったら自分用に
ガストとブックオフを買って、


本を読んで、
ドリンクバーして、
本を読んで、
ハンバーグとか、
ステーキとか、
グラタンとか、
ピザとか、
山盛りポテトとか、
日替わりスープとか食べたり飲んだり、


そんで、
また本を読んで、駄目な生活を送りたい。











処理前

10ヶ条




本日は、お日柄もよく  原田マハ



この本は冒頭1ページ目に
スピーチの極意10か条が書いてあります。




1.スピーチの目指すところを明確にすること


2.エピソード、具体例を盛りこんだ原稿を作り、
全文暗記すること


3.力を抜き、心静かに平常心で臨むこと


4.タイムキーパーを立てること


5.トップバッターとして登場するのは極力避けること


6.聴衆が静かになるのを待って始めること


7.しっかりと前を向き、左右を向いて、
会場全体を見渡しながら語りかけること


8.言葉はゆっくり、声は腹から出すこと


9.導入部は静かに、徐々に盛り上げ、
感動的にしめくくること


10.最後まで、決して泣かないこと




小説は、主人公の二ノ宮こと葉の幼なじみの披露宴での、吉原家の社長のスピーチから始まります。

それは、こと葉が思わず舟を漕ぎスープ皿に顔を突っ込んでしまうくらい退屈なものでした。




そして、もう一つのスピーチにも出会います。
それは会場の全員を惹き付け、あたたかな気持ちにさせ感動の涙を流させるものでした。


そのスピーチをした人こそ、やがて主人公の人生をも変えていく言葉のプロフェッショナル、
スピーチライターの久遠久美でした。



こと葉は、友人の披露宴でスピーチをすることになり、原稿を書いてもらおうと久遠久美を訪ねます。


そして、その友人の披露宴の当日、またまたあの吉原家の社長と遭遇します。

しかし、社長のスピーチは前回の退屈なスピーチとは打って変わって素晴らしいものになっていました。

余裕すら感じさせる落ち着き、エピソードに込められたユーモア、スピーチの長さもさることながら、何よりも話の中に登場する人物、つまりは新郎新婦が魅力的に輝いているのです。


なぜ…?


そこにはやはりスピーチライターの存在がありました。





私はこの本を読むまでスピーチライターという仕事を知らなかったのですが、単純にスピーチの原稿を作る専門家ではないのです。

相手の心に寄り添い、相手が思っていることや訴えたいことを引き出し、言葉の持つ限りない可能性を信じ、人の心をゆさぶる言葉を紡ぎあげていく。スピーチライターとは、そんな仕事です。


この本には披露宴の祝辞、弔辞、企業の社長の挨拶、選挙演説、さらには総理大臣と野党党首の党首討論など、心があたかかくなったり、思わず膝を打って納得したり、涙を誘われたり、心を打たれるスピーチがたくさん出てきます。


その中に印象深い指摘があります。

アメリカの大統領選挙の時の、オバマ前大統領とヒラリー候補の演説について。

当初圧倒的に不利だったオバマが、ヒラリーに勝つことができたのは、
とにもかくにも演説の力です。



オバマの「Yes, We can」はあまりにも有名ですが、その時彼が言い続けたのは
「we=私たち」でした。


一方、
ヒラリーは「I=私」と言い続けたそうです。



聴衆は「we」の中に自分も含まれていると確かに感じ取った…というくだりがあります。

そして、もう一つのキーワード
「c・h・a・n・g・e=チェンジ=変わる」。


この「change」の「g」を「c」に変えると、
そう「chance=チャンス」になるのです。


人間は自分を、そして国をよりよく変えたいという願望があると思います。

前オバマ大統領は「we」と「change」を
見事に自分の「chance」とし、
国民の気持ちを鼓舞し、歴史的な結果を残したと言えるのではないでしょうか。


物語の後半は、怒涛の展開が待っています。


政治家や政治の裏側、そこで影武者のように動き火花を散らす大手広告代理店社員とスピーチライター。私は読み終わったあとに、潜在的に人間が持っている豊かな感性を改めて感じ、それを言葉にできた時、その言葉が持つ力に感嘆しました。



読み終わったあとに、きっと冒頭1ページ目のスピーチの極意10か条を見直し、二度読みしたくなると思います。この本を読めばスピーチマスター間違いなしです。

私は人前に出るのがとても苦手なので
生涯スピーチすることはありませんが、
言葉の大切さを勉強できました。


感謝の一冊です。


不敗

雨ニモマケズ



風ニモマケズ



雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ



丈夫ナカラダヲモチ



慾ハナク



決シテ瞋ラズ



イツモシヅカニワラッテヰル



一日ニ玄米四合ト



味噌ト少シノ野菜ヲタベ



アラユルコトヲ



ジブンヲカンジョウニ入レズニ



ヨクミキキシワカリ



ソシテワスレズ



野原ノ松ノ林ノ蔭ノ



小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ



東ニ病気ノコドモアレバ



行ッテ看病シテヤリ



西ニツカレタ母アレバ



行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ



南ニ死ニサウナ人アレバ



行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ



北ニケンクヮヤソショウガアレバ



ツマラナイカラヤメロトイヒ



ヒドリノトキハナミダヲナガシ



サムサノナツハオロオロアルキ



ミンナニデクノボートヨバレ



ホメラレモセズ



クニモサレズ



サウイフモノニ



ワタシハナリタイ










現代語に直すとこうなります。


雨にも負けず 風にも負けず

雪にも夏の暑さにも負けず

丈夫な体を持ち

欲はなく決して怒らず

いつも静かに笑っている

1日に玄米4合と味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを自分を勘定に入れず

よく見聞きし 分かり そして忘れず

野原の林の下の蔭の

小さな萱ぶきの小屋にいて

東に病気の子供あれば

行って看病してやり

西に疲れた母あれば

行ってその稲の束を負い

南に死にそうな人あれば

行って怖がらなくてもいいと言い

北に喧嘩や訴訟があれば

つまらないからやめろと言い

日照りのときは涙を流し

寒さの夏はおろおろ歩き

皆にデクノボーと呼ばれ

ほめられもせず 苦にもされず

そういうものに私はなりたい








自分のことだけを考えるのではなく、人を思いやって生きていく素晴らしさは、

今の世の中で見かけることは少なくなってきているのではないかと思います。




そして、この詩には宮沢さん本人のこういう人になりたいとは思っているけど

なかなかなれない自分がいるという、
理想と現実のギャップから生じる葛藤を
強く感じます。



雨ニモマケズには
実はモデルがいたのです。


実は「雨ニモマケズ」にはモデルがいるとされています。



その人の名前は斉藤宗次郎という人。
斉藤さんはクリスチャンなんですが、

この頃と言うのはクリスチャンは迫害されていました。


彼の娘は
エスカレートしたクリスチャンの迫害によって死んでしまいました。



それでも彼は

くじけることなく神に祈り続け、

子供に会ったらアメ玉をやり、
仕事の合間には病気の人のお見舞いをし、励まし、祈り続けました。



彼は雨の日も、風の日も、雪の日も
休むことなく、

町の人達のために祈り、
働き続けたそうです。



彼は「でくのぼう」と言われながらも、

最後までFOR YOU精神を貫き、
彼は花巻を去って

京に引っ越すことになったとき、
駅には自分のことを迫害していたはずの大勢の人が見送りに来ていました。



「御心がなりますように」と神を信じ、人を愛し続け、

当たり前のように人のために行動できる斎藤宗次郎。



こんな人と
関わりを持っていた宮沢賢治は

こういう人になりたいという
願いをこめて、

この「雨ニモマケズ」を書いたとされています。



人という生き物は、自分の身の回りの環境や人にとても左右されます。

尊敬する人がいて、その人の生き様に多かれ少なかれ影響を受けています。



































勝テズトモ 負ケナイ人間ニ

私ハ ナリタイ





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1西9独4絵9本






西ドイツで生まれたハンス・ウィルヘルムがアメリカで出版した


名作『ずーっと ずっと だいすきだよ』


国語の教科書にも載るほど
有名な絵本なので、目にしたことの
ある人も多いかもしれませんね。



この絵本のテーマは
「愛する者との死別」



男の子と愛犬のエルフィーは、
幼い頃から大の仲良しでした。


毎晩、男の子はエルフィーに
「大好きだよ」と伝えます。


しかし、
一緒に大きくなっても、
当然エルフィーの方が
早く年衰えていくのです。


段々昔のように
動けなくなってきたエルフィー。


お別れの日も近くなってきました。


やがて、
エルフィーに死が訪れます。
家族みんなが悲しみにくれる中、
男の子の心は幾分か楽なのでした。


なぜなら、
毎晩エルフィーに
愛している気持ちを伝えていたから。
男の子には、後悔がなかったのです。



すきなら
すきといってやればよかったのに
だれも、いってやらなかった。

いわなくっても
わかるとおもっていたんだね。




伝えることの大切さが この一文に詰まっているのではないでしょうか。

言える時に言っておかなければならない
言葉がある。

日々の中できちんと愛情を伝えないことが後でどれほどの悲しみに繋がるかを、この絵本は教えてくれます。

子どもが読んでも納得できる物語ですが、本作は大人の心にこそより響き、自分の大切な人が思い出されて泣けてくるのです。







次の作品









世界的に有名な
『おやすみなさいのほん』を書いた、
マーガレット・ワイズ・ブラウンと、
カルデコット賞を受賞した画家の
レナード・ワイスガードのコンビが1949年に出版したこの絵本は、

今もなお
世界中に愛され続けている有名な絵本

ずっと大切に取っておいて、孫に読み継いでいる、という家庭もあるかもしれません。


キレイでリズムが心地よい詩的な文と
あたたかみのある美しい絵で、子どもの読み聞かせにピッタリですが、

大人が読んでも改めて大切なことに気付かされる、味わい深い1冊です。



そらはいつもそこにある 

まぎれもなくあおくて たかくて
くうきにみちている

そしてときおり
くもがとおりすぎていく

でもそらにとってたいせつなのは
いつもそこにある ということ




このように、スプーンやひなぎく、雨や草、雪、りんご、風……と身近なものの大切なことを、
1ページ1ページ紐解いていきます。


では、あなたにとって大切なこととは
何でしょう?

読者に本質を見ることの
大切さを伝えてくれるこの絵本は、

心を育てている真っ最中の子どもや、

情報過多で周りが見えなくなっている
大人にこそ


読んでもらいたい作品です。














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