普段は滅多に使わない京浜東北線。
末っ子を見送ってがらがらのそれに乗り込んで。
だいすきな歌たちを聴きながらのんびりと帰宅。
時間がゆったり、なんて贅沢。
ああ、好き、大好き。
この低音に乗るその声が好き。
どちらかが欠けたら好きにならなかった
いとおしくてたまらない音ふたつ。
どうか離れませんように、欠けませんように。
どんな不協和音になってしまっても構わないから
どうかこの先、一年、二年、三年、と。
離れないで欠けないでそこに在り続けて。
あたしたちが出来なかった
「人の人生を背負う」を、
その成功の果てに見せてほしいから。
どれだけ相容れなくて、どれほど噛み合わなくて
それでも切れない絆が見てみたいから。
四歳差、バラバラな容姿、似て異なる価値観に、微妙なズレ。
そんな所を重ね合わせて期待を重ねてるから。どうか。
離れませんように、欠けませんように。