2014-10-6 01:40
〜1日目、夜〜
初めての飛行機の緊張で、マチは疲れていた。
でも修学旅行の夜。そう簡単にゃあ眠れない。
2日目は京都、クラス全員で回るのだ・・・・だるいけど、それが終われば3日目は女子グループとの自由行動だ!
琵琶湖畔のホテルの509号室。
マチ、保坂、ハイ男、金城の4人以外、部屋には誰もいない。他の部屋はリア充どもが集まって消灯時間までバカ騒ぎをするのだろうが、この4人はそういうのとは無縁なのだ。
こういう時テンションの高いハイ男(こと、萬木)は一人で喋っていた。
「いい加減寝ろよ!」とキレる金城。
保坂は、シャワーを浴びている。順番が最後だったのだ。
マチは、布団の中で考え事をしていた。
少し前から、クラスに気になる女の子がいる。修学旅行中に、何か起こるのではないかと、淡い期待をしているのだった。あのへそ曲がりでひねくれている性格のマチも、そういう年頃なのだ。
金城の働きかけ(マチ達の脅し?)のおかげで、その女子のいる美沙季グループと3日目の京都自由行動をすることが決まっている。
※ヤマショー記3参照。美沙季は金城遼太郎の彼女。
マチはその日が楽しみで、ドキドキしていた。
日付が変わる頃には、4人は眠りについていた。何だかんだ、修学旅行の初日の移動は疲れるから。
〜2日目、朝〜
うるさい・・・
保坂よ、早く携帯のアラームを止めてくれ・・・もう2分は鳴りっぱなしだ
金城「ダメだこいつ、アラームの意味ねェ」
金城が"物理的に"保坂の目を覚まさせる。
金城「おはよう保坂!」
保坂「うん・・・・・・・・・zzz」
金城「(゚Д゚)ゴルァアアア」
マチは歯を磨き、髪にワックスをつける。なぜか、萬木の髪にもワックスをつけてやった。
金城「おぉ〜ハイ男ちゃん色気づいちゃって、いいんじゃない?」
ガリ勉メガネの萬木は、爽やかに笑って見せた。決して悪くはない容姿なんだから、いつもそうしてればいいのに。
金城「あと15分で朝食会場に集合だから、お前ら早く準備しろよ・・・あと保坂はいい加減に布団から出ろ!」
朝食会場・大広間前
美沙季「あっ!遼くんたちおはよう!」
金城「おっす」
マチはぎこちなく固まってしまった。その理由は、美沙季の隣にいる背の高い美少女・・・
彼女の名は真奈美。書道部に所属していて、成績優秀。合唱コンクールではピアノの伴奏者賞を取るほどピアノの腕は確かだ。最近だろうか。マチはずっとこの子のことが気になっていたのである。
金城「行くぞ、マチ。」
いけねぇ、危うく置いていかれるところだった。保坂に遅れをとるなんて!
朝食の時間。バイキング形式だが、班の4人は全員ご飯派だった。
とにかく食いまくる保坂。ケータイの画面で自分の頭を見ている萬木。
金城は自分のチョイスした朝食の写真を撮っている。美沙季に見せるのだろうか?
マチは、少し離れたテーブルにいる真奈美をぼんやり眺めていた。デザートのゼリーを保坂に取られたのにも気づかずに。