2009-3-28 22:09
ぶどう
古来ぶどうは栽培されておらず、野生のぶどうのみ生息していた。
ぶどうは紫色で、毒々しい色であり、毒を持った植物であるとして人々は食べることはなかった。
しかし香りは良かった。
だが、よい匂いの植物に毒は付き物として、人々はやはり食べなかった。
ある時、好奇心旺盛な青年がぶどうの香りに惹かれ、ぶどうを食べてみたいという衝動にかられ、ひとつ食べてみたのである。
甘く、みずみずしい味…
味の他に、青年は幾つか大きな発見をしたのである。
ぶどうに、毒性は無かった。
このことは瞬く間に人々の間に広まり、ヨーロッパの国々でぶどうが食べられるようになった。
次に、ぶどうの利用である。
青年は美味しいぶどうをもっと増やし食べるため、ぶどうを栽培するようになった。
そして、ぶどうを食べるだけではなく、いろいろな賞味方法を考案した。
まず、ぶどうから果汁を搾りジュースにする。
そしてぶどうからとりだされる酵母(ほぼ全ての植物から採取が可能)、果汁が外に出ることによる自然なアルコール発酵で、お酒をつくる。
そしてこれらを樽の中に入れ、発酵させる。(寝かせるともいい、この過程を醸造という。)
月日が経ち、お酒が作られた。
味は良く、近所の人々に評判で、徐々にヨーロッパの人々に広まった。
今日では、このお酒は人々の長寿の秘訣となったり、料理に使われたり、高級な嗜好品とされている。
このお酒ですか?
発見した青年の名前からとって、
「ワイン」と名付けられたんですよ。