愛したいの、ただあなたを。
いつからか、人に対しての好きという感情が私の中から消えてしまった。
そんな感情などなくてもセックスはできる。
寧ろそんな厄介な感情や事情を含まない方が、深く愛せる。
たった数時間の間、あたしはありとあらゆる思考を巡らせ、目の前にいる君をどう愛せるかに心血を注ぐ。
決して言葉にはしない。
ちょっと笑ったりして、急に冷たい眼差しになったり、驚いた顔をしたり。
もっと愛してあげるから、可愛い声を聞かせて欲しい。
急かさないのよ。
触れた舌も、指先も、何もかも急がなくていい。
生ぬるい海中にいるような、そんな感覚を味わって欲しい。