だだっ広い教室の教壇に立ったとき
目の前にいる初めましての生徒たちに向けて自分は何を言えるのだろうかと迷いながら語りかけていた
被害者の立場も考えられないような、心ない言葉に心底悔しい思いもした
気づいたらわたしは
マイクを通さず
キレていた(わたしとしては特別キレていたわけではないのだが…後に教授からキレてたねと笑われた)
だけど結果的に今までの講演会の中で一番生徒たちが意見を言ってくれたんだよと教授がおっしゃっていたので
それならわたしがあの日、教壇に立ったことは無駄なことではなかったのかもしれないなと思った
講演会が終わって何人かの生徒から声を掛けられた。
別れた彼女が
友達が
兄弟が
自分が…
自分には何もできないのだと
泣いた女の子もいた
優しい子なんだなぁ
何もできないよな、わかろうとしたところで本人の痛みなぞ
その人だけのものなのだから
あなたが、自分には何もできないと泣いてるその痛みもあなただけのものだ
僕等は本当に何もできないんだろうか?
物理的に手を貸してやることは難しいしできないかもしれないし
それでいいのだとも思う
相手のことをただひたすら想う
心配する、気にかける
無関心じゃないことが救いなんだよな
わたしはそう考える
優しいなぁ、いい子だね
どうかそのままでいてほしい