今日は部活が午前までだった。

もうすぐ、2月のイベントがある。
あの甘ったるい匂いが漂うイベント。

その為に俺は部活から早く帰り(帰りにスーパーに寄る)台所を占拠した。

まぁ、だいたい使うとしても晩飯までの時間に終わらせればいいし、姉貴はめんどくさいらしいのでこっからは俺の時間だ。


(さて、何作ろうかのう…?)

いつもならもらう側で、作るなんて一回も考えたことなかった
しかし今年はそうもいかないのだ。

(柳生は、何が好きじゃったっけ)

前から好きだった柳生から付き合ってほしいと言われ、両思いだったことを知り
素直になれない俺を柳生はわかってくれていて

申し訳無いようで、でもそれがなんだか嬉しくて

しかし、ブン太からの一言で俺はショックを受けてしまった。



『…ほんと、お前比呂士に愛されてんなぁ』

『当たり前じゃろ』

『でもさぁ、お前、いっつもそんなんだろ?比呂士も大変じゃね?』

『え』

『だから、あんまやり過ぎて、愛想つかれねぇようにな』



その後、俺はどうしたのか記憶がない
それほど、自分にその自覚があり
そして柳生に甘えてたことを知った。


(さすがにやばい)

そう思った俺はとりあえず手っ取り早くこのくっそ甘ったるいイベントに乗っかることにした。

こういうイベント事ならきっと素直になれるし誤魔化しがきくだろう

(…あ、また俺は逃げようとしてる)

なんとなく気がついていてそれでも認められない自分がいて

(こんなん、柳生に捨てられても仕方ないかもしれない)

そう思うと涙が溢れた。

(…って泣いとる暇はない。はよ作らんと)

仕切り直し甘い塊を手に取る
料理なんて作ったこともないしましてやこんなものをどうすればよくわからない
イベントに関連するものを手当たり次第全て買っていったので台所がそのものに埋め尽くされている

(…なんじゃ、どんだけ自分は不器用なんじゃ)

ため息が出る
なにも考えないで動くなんてことこんなに自分が動揺することが滅多になかった

(それほど焦っとるんじゃな)

それほど捨てられたくない
柳生のことが、好き…なんだと


<ピンポーン>

そんなことをうだうだ考えていると誰が来たようだ
こんな時間に来るやつはいない、姉弟はそれぞれ遊びにいっているし両親は遅くまで帰ってこない

(こんなときに誰じゃ)

玄関に向かい扉を開くとそこにいたのは

…柳生だった



「こんにちは」

「…な、んで」

(なんで、来たんじゃ)

こんなときに、何てタイミングよく
驚いた俺の心を読んだかように柳生は説明してくれた。

「貴方が、今日の部活中なにか落ち着かないようだったのが気になりまして、ですが先に帰ってしまって聞くタイミングがなかったんですよ。」

だから、会いに来ました。

そう言って笑いかけてくれる柳生は
いつも紳士と呼ばれる笑顔ではなく俺にしか見せない笑顔だった。










終わったwww
続きがもうなんか無理wwww
このあとはご想像にお任せしますwww