――― すぐ、ワイも白石を抜いたるからな!
そんときは … ―――
そう言った小さな彼は、今年で中学を卒業し高校生になる。
――――――――
「なんやもう金太郎が高校生とか全然感覚ないっちゅー話やで」
「ほんまやなー」
「謙也さんはいつまでも変わんないっすけどね」
なんやと?!、隣でぎゃいぎゃい喧嘩を始める謙也と財前。
今日はその金太郎の誕生日で中学のときのテニス部メンバーで祝うため張本人を呼びに行く途中だった。
「他の皆はもう用意しに先いっとるし大丈夫やんなー…」
「そやなー」
「…てか部長人の話聞いとりますか?」
いつまでも部長と呼ぶのが抜けきれない財前は怪訝そうな顔で白石を除きこんだ。
「…!なんや財前どないした?」
「いやいや!どないしたやないわ!人の話聞けや!」
尽かさず謙也が白石にツッコミをいれる。
それを聞きながら財前はため息をついた。
「部長、もしかして…」
そう財前が言いかけたとき
「あ!白石ーっ!ざいぜーんっ!謙也ーっ!」
大きく手を振り走ってきた赤い髪の少年…というよりは青年は、昔小さくて可愛らしかった 遠山金太郎だった。
勢いよく飛び付いてきたその巨体は昔なら受け止められただろうがさすがに皆よろめく程度大きくなってしまったようだ。
ぎゅーっと3人纏めて抱き締める金太郎は凄く嬉しそうだった。
謙也は抱き締められながら爆笑している
財前は離せや、と言いつつもされるがままで、
白石は、とりあえず金太郎をぽんぽんっと宥めた。
「金太郎ほんまでかなったよなー!ホンマ俺ら軽く抜かれたやん!」
やっと離れた金太郎を見上げながら歩く謙也。
そう、昔はこの3人の胸辺りしかなかった身長が誰よりもおっきくなってしまったのだ。
「そやでー!ワイやって延びんねんから!てか小さなった?」
歩きながら誕生日会を開催する場所に向かっている途中、謙也と金太郎は少し前に歩いて財前と白石それに続いて歩いていた。
前で謙也と金太郎は話しているなか白石は思いふけていた。
「部長…」
ふとそんな白石に財前が話しかけた。
「なんや財前」
「…金太郎のこと、」
「…」
「アイツは本気っすよあんときも今も。」
変わらず、やから部長も本気の気持ちで受け止めてやってくださいね。そう呟いた財前は白石を置いて謙也を押し退けて先に誕生日会を開催している部屋に入っていった。
謙也たちもそのあとに続いて入っていく。
「本気の気持ちで受け止める…か…。」
ぼそりと呟いた白石も急いで部屋に入っていった。
―――――
「んじゃ、今日はかいさーん!」
ワイワイ騒いでた皆も片付けを適当に済ませある程度のとこまで一緒に歩いて、金太郎に誕生日おめでとう、と別れ際に一言言ってやり帰っていった。
気付けば白石と金太郎二人っきりになっていた。
「白石」
そう呼ばれ金太郎の方を振り向く。
あぁ、随分大きくなったんだなぁ…と関係ないことをぼんやり思いながら金太郎に耳を傾けた。
「白石、覚えとる?ワイが昔中1んとき白石に言ぅたこと」
金太郎は立ち止まり周りが少し暗いせいか表情がわからない。
「ワイ、あんときに言ぅた通り白石を追い越したで。
やから、
約束聞いて、な…?」
そう震える声で喋る金太郎は白石の眼をしっかり捕らえた。
金太郎の昔も今も変わらないあの大きく純粋でまっすぐした眼。
白石は逸らせないまま金太郎の眼にとらわれていた。
「 ホンマはな、あんときまだワイも小さかってどうしたらええかわからんかってん…。
やからあんな風に言ってもうたけど…
でも、あんときからずっと変わらんと 白石のこと思っててん…。」
白石から目を離さずそこまで話して一息いれ、白石の顔を両手で優しく包み込んだ。
「 好きや、白石 」
そう言った金太郎の顔は泣きそうな笑顔だった。
心臓がぎゅぅ、と締め付けられ気がした。
「…金ちゃん、は、ずるいわ…」
やっと絞り出せた声は泣いているような声で
凄く情けない声だったけど
それでも伝えなければ、そう思い
必死に言葉を紡いだ。
「俺になんか勿体無いほど…」
「金ちゃんは、俺には眩しすぎんねん」
そう言ったとたん白石から涙が落ちた。
白石驚いて拭こうと思ったが金太郎はそれを許さなかった。
「…白石は昔っから難しく考えすぎやねん
そんな考えんでええねんで
白石のホンマの気持ち聞かせて?」
そのとき、あの後輩の言葉を思い出す。
――― 部長も本気の気持ちで受け止めてやってくださいね… ―――
ストン、と気持ちが楽になった気がした。
「…金ちゃん」
「?」
「ホンマごめんな?」
「…」
「俺も、金ちゃんのこと大好きや」
「…え」
「好きやで、金太郎」
花が飛んでるような笑みで言ってやると金太郎はこれ以上ないほどの満面の笑みで至極嬉しそうに白石のことを抱き締めた。
「大好き!白石!!」
そう言うと金太郎は白石にキスをした。
真っ赤になりつつも今この幸せを噛み締めながら白石は金太郎に抱き付いた。
随分月日が流れてしまったけど
これからは二人で、一緒に歩いていこう。
手を繋いで、焦らなくたっていい
どんなときもあなたのそばにいるのだから…
(金太郎さんはホンマ小さくてかわえぇなぁ)
(なんや小春!浮気かっ!)
(ワイそない小さい?)
(そやなー)
(俺おっきなる!すぐ、ワイも白石を抜いたるからな!そんときは、約束聞いてや!)
(えーどんな?)
(白石よりおっきなってな!白石に言いたいことあんねん!)
(そーなん?今じゃあかんの?)
(今はあかんねん!ワイがもっと強くなって白石守れるほどなったら!)
(…え?)
(まぁー!金太郎さんかっこいい!)
(小春ーっ!!)
4/1
HappyBirthday Dear 金太郎――――――――――――――
あとがき
ここまで読んでくださってありがとうございました!!!
今回は金蔵です!!
ものすっごくマイナーです(笑)
ですが大好きです!!!ww
同士様増えろー!!!!!!!!!
またごったごたのはちゃめちゃ文ですがなんとか書き終ったorz
なんかまぁほんととりあえず申し訳ありませんでしたーっ!!!!
光がいいやつ!!
光パネェ!!!(笑)
光も白石のことも大切な人やと思ってくれとって金ちゃんの気持ちも知っとったから影ながら応援してたんですよ!
とりあえず蔵ノ介と光が絡んでくれたから満足←
金ちゃんまじハッピーバースディ!
大好きやで!!!