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かわいそうだね/綿矢りさ

話題:本の感想

かわいそうだねと言うことばをどう受け取り、活用していくのかが問われているように感じた。かわいそうと言われたり、使う時に用事深くなるのは、このことばがそれだけ、捉え方次第で印象を変えるから。かわいそうと言うことばについてよく考えさせられた。


亜美ちゃんは美人。これは、とてもよかった。読み進めていくと止まらなくなる。綿矢りさらしさが散りばめられ、弾けいていた。女が二人でいれば、それぞれの役割があり、担わなくてもいいのに周りからの無言の圧力がそうはさせない。つれなくされないと愛せない亜美ちゃんの気持ちに激しく共感した。だれからも愛されることが役割の彼女は、それゆえに孤独で美しい。愛してくれる人よりも自分が愛すことできる人を必要とし、ようやく、見つけた時、恋を知らなかった彼女の美しさが失われる。 恋は、そんな彼女の孤独から生まれた美を奪い、劣化させてゆく。だけど、恋を知らないで永遠に孤独でいて美しさを保っていてと言うのは、彼女を愛する側にいる人間の意見にすぎない。彼女は、美しいまま生きていたいなんて言っていないのだから。ただ、この世界に生まれ落ちた時、彼女の役割が決まっていて、それを途中で放棄しただけの話なのだ。隣の芝生は青く見えたけど本人たちからしたら、こっちの方が青く見えていた。そんな作品。


今年は、去年よりも本を読もうと思う。
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