フォルスタでウエディングネタです。
でも、どう言うわけか…深夜テンションになりました…←おい
*attention*
・フォルスタSSです(BL注意)
・ギャグからの深夜テンション
・ウェディングネタです(ぇ)
・スターリンさんは絶対に似合うだろうな、と…
・フォルが久しぶりにSっけ発揮してます
・この色欲堕天使が!!←
・相変わらずの妄想クオリティ
・ナハトさん、こんな謎テンションですみませんでした…!
以上がOKという方は追記からどうぞー!
「ふぅ……やっと終わったのだよ」
スターリンは小さく溜息を吐く。
ぐ、と伸びをすれば固まっていた関節が小さく音を立てた。
彼は今漸く任務を終えて、戻ってきたところ。
小さく欠伸を漏らしつつ、自室に向かった。
いつものようにドアを開ければ、中にいる"彼"の姿。
「あ、書記長様!」
部屋の主……スターリンの帰還にぱぁぁっと顔を明るくするフォル。
その顔を見てスターリンはひくりと表情を引きつらせた。
彼の"この笑み"は大抵とんでもない事を考えている顔だ。
そうでなくとも、彼の後ろ手にちらちらと何かが見える。
「……フォル、その後ろに持ってるもの、何なのだよ……?」
おずおずと、スターリンは訊ねる。
フォルはニコッと笑って、それを掲げた。
ひらり、と広がったそれは……どう見ても、白いドレス。
所謂、ウエディングドレスとか言う奴だ。
スターリンは思わず顔を顰める。
「何なのだよ、それ」
「ウエディングドレスだよ」
「それはわかってる」
「書記長様が聞いたんじゃないか」
フォルはくすり、と笑った。
確かに、スターリンが"なんだそれは"と訊ねたが、質問の意味が違う。
俺が聞きたいのはそんなことじゃない、とスターリンは言った。
嫌な予感が全力でするが、聞かないわけにはいかないだろう。
「それは、一体何のために持ってるのかとききたいんだ」
「無論、君に着せるためだけど?ほら、六月だし。
ジューンブライドって言葉くらい、君も知ってるだろ?」
しれっとして答えるフォル。
予想通りの返答ではあったが……
スターリンは額に刻んだ皺を一層深いものにする。
「俺の性別、わかって言ってるよな……?」
「問題ないよ。君、綺麗だもの」
「そういう問題……――!?」
そういう問題じゃない。
スターリンが言いかけた時。
ふわりと一瞬風が吹いた。
その次の瞬間、正面からスターリンの身体を抱きしめているフォル。
顎に手を当て、くいと上向かせる。
サファイアの瞳とかち合った。
「……君に拒否権があると思う?」
少し低いフォルの声。
怒っているわけではないと、スターリンは知っている。
耳に触れる唇にスターリンは一瞬体を強ばらせる。
顔が熱くなるのを感じながら、スターリンは少し顔をそむけた。
「……っやめ、ろって」
「嫌だよ、僕君の花嫁姿見たいもの」
フォルはそう言いながらスターリンに口付ける。
状況元逃れようと藻掻くも、抱き寄せられたままではそれもかなわず。
華奢な割に力が強い彼の腕からすり抜けることは不可能。
器用に舌を絡めに来るフォルに、スターリンの方が折れた。
「ん、んん……っ」
おずおずとフォルの舌に自分のそれを絡めつつ、
苦しげに息を漏らすスターリンを見て、フォルは少し口を離す。
スターリンが僅かに息を上げているのと対照的に、フォルは余裕の表情。
にこり、と微笑んで彼は訊ねた。
「着る気に、なった?」
「は、……っなるか、馬鹿……っ」
ぎりぎりの理性を保って、スターリンはフォルを睨む。
それを見て、フォルは少し嗜虐的に笑った。
「ふーん……強情」
フォルはそう言いながらスターリンの服に手をかけた。
器用に留め具を外し、服の隙間から手を差し入れる。
ぴくっとスターリンの体が強ばった。
「つ、めた……っ」
小さくスターリンは声を漏らす。
最近ではだいぶ気温が上がってきていた。
挙句フォルのキスの所為で少し高くなったスターリンの体温。
その体に触れるフォルの指は冷たくて。
足に力が入らなくなり、少しずつ崩れ始めるスターリンの体勢。
しかしフォルはそれを許さない。
いつの間にやら壁際に追いやられていて、
彼の体がへたり込まないように支えつつ、
フォルは左手でスターリンの胸元を弄る。
そのまま耳に舌を這わせた。
くちゅ、と濡れた水音が響く度、スターリンの肩がびくびくと震えた。
「ひぅ……っや、め……っ」
スターリンは小さく嬌声を漏らす。
押し殺したようなその声も愛おしい。
フォルはそう言うように目を細めて、いった。
「やめないよ、君が頷くまで」
その言葉にスターリンは目を見開く。
どうやら、"そういう"実力行使に出たらしい。
なんとなく、彼の行動の意味が理解できた。
そこまでして自分にドレスを着せたいか、と問いたいが、
その質問を口にする暇さえ、余裕さえ、フォルは与えない。
耳から首筋に降りていく彼の舌。
半分位ずり落ちた騎士服は肩に引っかかっていて、
顕になった首筋から鎖骨にかけて鮮やかな紅色が散る。
「ん、……っ」
与えられる快楽を、それを甘受する体を否定するように、
ふるふる、とスターリンは首を振る。
頑なな彼の態度に、フォルは小さく笑みを浮かべて……
その首筋に軽く噛み付いた。
「ひ……ぁあっ」
少し強い刺激に、小さく痙攣するスターリンの体。
フォルは楽しそうに笑って、彼の体を弄る。
器用に、甘く、甘く、酔わせていく……
声が一層高くなり始めた頃、フォルはぴたりと動きを止めた。
はぁ、はぁ、と荒く息を吐いてフォルを見上げるスターリン。
その琥珀の瞳は綺麗に潤んでいる。
どうして、と言わんばかりの彼の表情を見て、フォルは小さく首をかしげた。
「着ないと、続きしてあげないよ?」
そう言ってフォルは笑った。
サディスティックに笑う、堕天使。
横暴だ。本当に。
これだけ高められた熱を、自力でどうにかしろと言う方が無謀。
今まで散々に彼に酔わされてきたのだから。
スターリンは涙で潤んだ瞳でフォルを睨みつける。
効果は無論皆無。
―― ついでに言うのであれば……
フォルはいった事を必ず実行するであろうことは目に見えて。
スターリンが拒めばおそらく、本気で放置するだろう。
彼が視線を彷徨わせていれば、フォルは微笑んで、いった。
「もう一回だけ、訊いてあげるよ。
どうする?ドレス着る?それとも、このままでいる?」
どっちにするの、と訊ねながら胸に刻んだ痕をなぞるフォルの指先。
こうして体をいじり、追い詰めるのも忘れないあたりが流石である。
スターリンは深々と溜息を吐いた。
***
―― そんなわけで十数分後。
「ほら、やっぱり凄く似合う」
フォルはそう言いながら自分の前に立つスターリンを見て、笑った。
まだ若干足元が頼りないスターリンの体を支えつつ着替えさせたのも彼だ。
少し崩れていたヴェールをかけ直し、フォルは満足そうな表情を浮かべた。
スターリンは顔を真っ赤にしている。
それは、先刻までの怒りのためか、羞恥のためか、はたまた愛撫のためか……
「ほんとに、このまま式あげちゃいたいくらいだ。
凄く綺麗だよ、花嫁姿の書記長様……」
スターリンの表情はよそに、フォルはそう言いながら彼のヴェールをあげて、唇を塞ぐ。
まるで、本当に誓いのキスをするときのように軽く。
顔を離せば、満足そうに笑う、堕天使。
「これで、気が済んだだろ?!俺は、もう……」
着替えるのだよ、と言いかけたスターリンの腕をやんわり掴むフォル。
にこり、と笑って彼は首をかしげた。
「着替えさせると思う?僕の花嫁様」
「はぁ!?」
スターリンが冗談じゃない、と言う顔をして振り返ると……
ぽす、とベッドに押し倒されるスターリンの身体。
ふわりと広がる白いドレスの布地。
彼のトラウマを知っている以上、追い詰めるような体勢ではないが……
スターリンの上に馬乗りになり、微笑んでいるフォル。
鮮やかなサファイアの瞳がスターリンを見つめる。
「……なんの、つもりなのだよ……?」
「言わせたいの?」
訊ねるスターリンにフォルはくすり、と笑う。
その表情は完全に捕食者のそれ。
枕に広がったスターリンの浅緑の髪をそっと漉きながら、フォルは言った。
「このまま、可愛い可愛い花嫁さんに手を出すな、って方が無理」
軽くスターリンの耳を噛むフォル。
びくっと体を震わせる彼を見て、堕天使は笑う。
スターリンはそんな彼を睨み上げ、いった。
「……っこの、色欲堕天使……っ」
「何とでも言ってよ」
―― 君もまんざらじゃないくせに。
フォルはそう言いながらスターリンを煽ろうとするかのように、
彼の白い肌に痕を刻み込む。
スターリンの口から零れる甘い吐息にフォルは笑って。
"神聖な格好してる君を乱せるのも僕の特権だからね"などと言ってのけた。
スターリンは諦めたように溜息を吐く。
そしてこれから先彼に与えられるであろう快楽を思い、静かに目を閉じた。
―― 答えはYes or Yes…? ――
(NOという選択肢は最初から与えられていない)
(否、最初こそ存在しても途中でその道を断ち切るのが堕天使(フォル)なんだ)
2013-6-2 23:03