フォルスタSS設定でフォル一人。
復活後設定だからちょっと本編中とは性格違うかも。
というか、フォルは一回一回の短編でだいぶ性格が違ったりしますね(笑)
根底で変わらないのは「今が良ければそれでいい」という思考。
とりあえず、今回のふぉーちゃんはおとなしめです。
珍しく単品で切な目シリアスになりました。
なんでもOK!という方のみ追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
フォルスタSS設定でフォル一人。
復活後設定だからちょっと本編中とは性格違うかも。
というか、フォルは一回一回の短編でだいぶ性格が違ったりしますね(笑)
根底で変わらないのは「今が良ければそれでいい」という思考。
とりあえず、今回のふぉーちゃんはおとなしめです。
珍しく単品で切な目シリアスになりました。
なんでもOK!という方のみ追記からどうぞー!
漆黒の、空の下。
ふわりと、地面に降り立つ影。
「此処がコトス村、か」
小さく、呟く。
亜麻色の髪の彼は、よく目立ってしまう。
かつて、彼の"弟"が来たことがあるこの村だから、
目立つ天使の容姿の自分の姿を見られるのはまずいかと思い、
彼……フォルは、黒いローブをかぶっていた。
何故この村に来たのか。
それは、彼自身わからなかった。
気がついたら足が向いていたのだ。
「平和な村、だね」
呟いた声は、宵闇に消えた。
―― 平和、平穏。
かつて彼が一番憎んだもの。
かつて彼が破壊を望んだもの。
今でこそ、彼の傍にある"平穏"を崩したくないが故に、
この村の平和を壊そうとは思わないが、
何故だろう……少しだけ、"切なさ"に似た感情を抱いた。
「僕、感化されたんだろうなぁ……フィアに」
感情は捨てた。失ったはずのものだった。
けれど、彼の中には確かに今、存在する。
"怒り"も"悲しみ"も。
快楽と欲望しかなかったはずの自分がそんな思いを抱くなんて、
正直、思ってもいなかったけれど。
そうでなかったら、"彼"に対して抱く感情は、なんなのだろうか。
虚像、というには少しはっきりしすぎていた。
ある種、彼に抱く感情も"欲しい"という感情と同じなのかもしれないけれど、
それとは明確に違う、何か……――
そう、人間(ヒト)が"愛しさ"と呼ぶのに似た感情を、彼も確かに抱いていた。
おかしいな、などといってゆっくり歩き出す。
「あ」
小さく、声を漏らした。
傍に咲いていた、一輪の花。
この村の周辺でしか咲かないという固有種の花だった。
それを手に持っていた黒衣の部下を思い出す。
「ノアール」
小さく、名を紡いだ。
彼を恋しいと思ったわけではない。
何だか、少し懐かしくなったのだ。
その花を摘み取って、くるりと回した。
甘い、甘い香りがする。
自分には不似合いだな、と思って苦笑した。
「ノアール、ロシャ、ブラン、シャム、ペル……懐かしいな」
久しぶりに紡いだかつての部下たちの名前。
奪うことにはなれていた。
だからこそ、色々なものを奪い、壊してきたのに。
今は、それが少しだけ……怖かった。
奪うことが、ではない。
"奪い返されること"が、怖かった。
一度手に入れた"大切なモノ"を。
―― "怖い"
その感情を彼は明確には理解していなかったけれど、
恐らく、自分が抱いているのはそう言う感情なのだろう、と
それを感じることが出来るようにはなっていた。
「……書記長様のおかげ、というべきなのかな」
ぽつり、と呟いた。
はじめはそう、好奇心で。
頑なに拒まれ、意地になって、絶対に手に入れると思って、
……いつの間にか、その目的はすり替えられていた。
"欲しい"という感情は"守りたい"という想いに。
"所有欲"あるいは"独占欲"に。
それが多少歪んだものであることは彼自身気づいていたが、
それを曲げる気は、到底なくて。
ただ、今が楽しければいい。
今、彼が傍にいてくれればいい。
根本的な性格は変わっていないようではあったが、
ひとつ、明確にいえること。それは……
―― もう二度と、手放すようにはならない、と。
かつて妹を奪い返された時のように奪い返されるのは、
絶対に、嫌だと。
もちろん。
そもそもの話、悪いのはお前だろうと言われれば、否定するつもりはなかった。
けれども、今"彼"と一緒にいるのは、自分だ。
歪んだ独占欲。
歪な、所有欲。
彼を傍につなぎとめておきたいという願い。
"願う"だなんて曖昧なこと、かつての彼には考えられなかった。
欲しいものは欲しいと。
どんな手を使ってでも、手に入れてきた。
願っても手に入らないことは知っていたから。
けれど。
あの日、忠臣が自分の前から姿を消した時のように、
"彼"が自分から離れていくことを考えると、少なからず、心がざわついた。
だから、"願って"しまう。
彼が、永久にともにいてくれることを。
例えそれが、罪であり、隠れてでないといけないとしても。
一生"認められぬ存在"として生きる運命(さだめ)であっても。
"彼"の傍にいられるのならば、それでいい、と思う。
―― 嗚呼、自分は。
少し、人間らしくなりすぎているのかもしれない。
そうなることを喜んでいいのか……否、"彼"は喜んでくれるのか。
それだけが少し、気になって……――
「……馬鹿みたい。こんなこと考えてるのも、僕らしくないか」
堕天使はくすりと笑って、花を宙に放り投げた。
宙でばらばらになった白い花弁がひらひらと、散る。
「帰ろ!」
そろそろ書記長様も任務が終わる頃だよね、と呟きつつ、
彼は空間移動の魔術を使う。
―― 空っぽの器に ――
(少しずつ灯り始めた人間が"感情"と呼ぶもの。
ねぇ君は、僕の傍にいることをこれからも望んでくれる?)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |