赤髪金髪コラボSSです
Twitterで拝見した女装姿のライニさんがとても美人で、つい…←
*attention*
・赤髪金髪コラボです
・ライニさんは夜が似合うなって
・アネットはパーティとかほんと向いてない
・剣術できる騎士ってかっこいい(ぇ)
・試験後の謎テンション
・ナハトさん本当に済みませんでした;;
以上がOKという方は追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
赤髪金髪コラボSSです
Twitterで拝見した女装姿のライニさんがとても美人で、つい…←
*attention*
・赤髪金髪コラボです
・ライニさんは夜が似合うなって
・アネットはパーティとかほんと向いてない
・剣術できる騎士ってかっこいい(ぇ)
・試験後の謎テンション
・ナハトさん本当に済みませんでした;;
以上がOKという方は追記からどうぞー!
「くぁ……眠い」
小さく欠伸をする赤髪の青年。
木に寄りかかったまま、白い騎士服の留め具を指先で弄った。
「こういうかしこまった空間、嫌いなんだよなぁ……
もっとも、賑やかなのは好きだけどさ」
ぼそぼそと文句を言いつつ、賑やかな建物を一瞥した。
中では多くの男女が手を取り合って踊っている。
煌びやかな音楽も、品の良い笑い声も、自分には不似合い。
外で魔獣相手に戦っている方が性にあっているのだ。
それでも、上司からの指示だ。
こういったパーティの賑やかさに付け入って襲撃する魔獣も少なくない。
中に入りこんで大騒ぎになる前に此処で対処するのが彼ら……
炎豹の騎士の仕事だった。
とはいえ、こうもしっかり警戒していれば魔獣とて警戒して寄っては来ない。
だから、アネットは完全に暇を持て余していた。
と、通信機が鳴った。
相手は司令官であるアレク。
『アネット、招待客も帰り始めた。タイミング図って帰っていいぞ』
「了解っす。アレク様もお疲れ様っす」
『おまえは、本当に相変わらずだな……』
アネットの敬語とも言えない敬語にアレクは小さく苦笑した。
そして、"気をつけて帰れよ"といって、通信が切れた。
「ま、何事もないに越したことはねぇけどな」
小さく呟いて通信機をポケットにしまう。
確かに、賑やかさが少しずつ収まりつつある。
少しずつ客が帰り始めているのだろう。
アネットは出入り口の方へ回って客が帰って行く様子を眺めていた。
何事もおきそうもない。
貴族の男性や女性が馬車に乗って去っていくのを見つめていたが、
やがて小さく息を吐いて、呟く。
「帰るかな……こっから襲い始めても、中にいる奴らが叩き潰すだろ」
そういって、城に向かって歩き出す。
裏路地に入ったところでふと、すれ違った金髪の女性。
長い金髪は艶やかで、黒と黄色のドレスがよく似合っている。
しかし立ち振る舞いには隙がなく、貴族の女性にしては珍しいな、と思う。
雰囲気に隙がない女性。アネットが知る中では一人しかいない。
もっとも、"彼女"は、女扱いをすると酷く怒るのだけれど。
そんな女性と至って普通にすれ違ったあと、ぴたりと足を止めるアネット。
「……ラインハルト?」
"彼女"は足を止めない。
普通なら、人違いだろう、と諦めるだろう。
しかし、彼……アネットには、変な確信があった。
だから、だろう。
アネットは反射的に、その手を掴んでいた。
流石に手を掴まれれば、驚いて振り向く彼女。
長い金髪が靡いた。月明かりを反射して艷やかに光る。
振り向いた"彼女"の顔を見て、アネットは目を丸くした。
そして、呟くように言う。
「やっぱ、ラインハルトだ」
「……何故アネットさんが此処に?」
気づかれたのが予想外だったのか、
はたまた彼とこんな形であったのが嫌だったのか、
眉を顰め、"彼女"……基、ハイドリヒは訊ねる。
しかし、もはや彼は聞いてなくて。
掴んでいた腕に力がこもる。
そればかりか両手でしっかりと腕を掴まれた。
「うわー、すっげー!」
耳が痛くなるほどの大声。
静かな夜の路地には似つかわしくない声に、ハイドリヒの眉間の皺が深くなる。
「煩いですよ」
ハイドリヒがぴしゃりと窘めるとアネットは慌てた顔をした。
流石に、五月蝿いという自覚はあったらしい。
「あ、ごめん。……でも、マジでスゲェ。一瞬ほんとに女の人だと思った」
「……だったら何故急に腕を掴んだりするのですか。
騎士として失格でしょう、それ」
無論それは先ほどのアネットの行動を示している。
女性を敬い、守るべき存在であるはずの騎士が、
夜道で女性の腕を掴むなどあってはならないことだろう。
それを彼はさっきいたって普通にやってのけた。
アネットは少しむくれた顔をして答えた。
「だって、お前だって確信あったんだもん」
「……発言が矛盾していませんか?」
「女性だと思ったけど、何となくラインハルトっぽいな、とも思ったんだよ。
結果的にそうだったから問題ないじゃん?」
「そうではなかったら一体……はぁ、もういいです」
諦めたように溜息をついてハイドリヒは言う。
アネットの発言、行動をいちいち指摘したり気にしたりしていてもキリがない。
彼の破天荒ぶりはあまり長いあいだ共にいたわけでないハイドリヒでも十分理解できた。
アネットは暫くハイドリヒの姿を見つめていたが、ふと疑問に思ったように問うた。
「……けどさ、何でそんな格好してんだ?」
「仕事ですよ。この姿の方が都合がいいので」
その返答に、アネットは納得した顔をする。
細かい内容はともかく、ハイドリヒの仕事の概要は彼も理解していた。
「仕事、か。お前らの仕事なら確かにそっちのほうが都合いいの、か?
動きにくくないのか、ドレス」
「えぇ。なれましたから」
なれた。だから、このままでも充分戦える。不便はない。
それに、この姿でいるほうが相手の油断を誘うことができる。
ついでに言うのであれば、今日は戦闘というより単なる調査。
姿をよく知られている"ラインハルト・ハイドリヒ"の姿より、
この姿、女性の姿の方が都合がいいのだ。
「ふーん……スゲェな。俺、絶対無理だ」
「でしょうね……というか、いい加減に手を離してくれませんか」
いつものことですけど、とハイドリヒが言う。
アネットは悪びれた様子なく、その手を握ったまま笑った。
「俺もダンスくらい踊れたらこういうパーティにも行けるかな。
そしたらこういう任務にも来れるかな?」
「……ダンスだけの問題ではないとおもいますが」
彼の普段の振る舞いを見ている限り、そういう場には向いていない。
潜入捜査どころか、社交パーティにいるだけで違和感だろう。
ハイドリヒのリアクションを見て、アネットは小さく笑った。
「だよな。そもそもタキシードとか着たくない」
苦笑気味にいう。
ハイドリヒはそれを一瞥して、目をそらした。
確かに、彼がそういったカッチリした服を着ているところは想像しづらい。
「でもさ、おまえと一緒に仕事してもみたいな」
「は?」
アネットの発言に、
どうしてその発想に至ったんだ、とハイドリヒは怪訝そうな顔をする。
アネットはきょとんと首をかしげて、言った。
「言ったまんまの意味。でも、戦闘部隊と諜報部隊じゃ仕事違うよな」
つまんねぇ、と呟いてから、アネットはハイドリヒの手を離した。
そして、にぱっと笑う。
「まぁいいや。とにかく、スゲェ綺麗だな、ラインハルト」
素直には褒め言葉として受け取れない。
もっとも彼……アネットの性格上、
皮肉やからかいではなく純粋にそう思っていることはわかっているのだけれど。
はぁ、と溜息をついてから無言で歩き出すハイドリヒ。
「あ、待てよ!」
アネットは慌ててそれを追いかけた。
もう一度腕をつかみつつ、笑う。
「せっかくだから一緒に帰ろうぜ?」
「何でですか」
「方向一緒じゃん。いいじゃん、一緒に帰ろうぜ?
それに、そんな格好でウロウロしてたら、
ナンパなり誘拐なりされるかもしれねぇし」
"女性"を守るのは騎士の役目だろ?などと子供っぽい笑みを浮かべるアネット。
ハイドリヒはそれを睨みつつ、答える。
「そんなヘマはしませんよ」
「でも、マジで声かけられそうだもん。ラインハルト、美人だし。
普通に男の格好してる時も綺麗だもんなぁ……」
付き合っていられない、と言わんばかりに歩を進め始めた、その刹那。
後ろに気配を感じ、ハイドリヒは素早く忍ばせていた剣を抜いた。
キンっと高い金属音。
ふわり、と風にドレスの裾が揺れる。
一瞬敵かと思ったが、違って。
蒼い瞳で相手を見据えつつ、ハイドリヒは冷静に問いかけた。
「何のつもりですか、アネットさん」
「おぉ、流石……やっぱ強いな」
ニカッと笑う、ハイドリヒの剣に自分の剣を当てる赤髪の少年。
無論それはアネットで。
小さく震える剣を力で押しつつ、彼は笑う。
「おまえと剣交えるの、やりづらい」
「でしょうね。私とアネットさんでは剣の扱い方に違いがありますから」
短く鋭く突くハイドリヒと、おお振りでぶつけに行くアネット。
以前敵として剣を交えた時もアネットはそれで苦戦した。
軽く剣をぶつけてから、アネットは剣をしまう。
ハイドリヒも彼の目的は何となくわかっていたから、
すぐに剣を収めた。
それを見て、アネットは笑っていった。
「お前みたいなタイプのやつにも勝てるようになりたい」
純粋に戦士らしい表情を見せる彼を見て、ハイドリヒは背を向けた。
アネットはそのまま歩き出す彼を追いかける。
"待てよラインハルト!"と無邪気に声をかけてくる彼を軽くいなしつつ、
ハイドリヒは城への道を歩いて行った。
―― 無邪気さと闘志と ――
(普段の彼と剣を握る彼の表情は違っていて)