クオンとアンバーのSSです。
この二人は何だか不思議な関係だな、と思い。
友達よりは少し近く、
パートナーとは少し違う、そんな関係。
仲良しだけど少し距離がある。
似ている境遇の彼らの関係を少し書いてみたかったのでした。
相変わらずのぐだぐだですがOKという方は追記からどうぞー!
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主に創作について語ります。 バトンをやったり、 親馬鹿トークを繰り広げたりします。 苦手な方は、どうぞ戻ってやってくださいませ! (私のサイト「Pure Rain Drop」) → http://id35.fm-p.jp/198/guardian727/
クオンとアンバーのSSです。
この二人は何だか不思議な関係だな、と思い。
友達よりは少し近く、
パートナーとは少し違う、そんな関係。
仲良しだけど少し距離がある。
似ている境遇の彼らの関係を少し書いてみたかったのでした。
相変わらずのぐだぐだですがOKという方は追記からどうぞー!
「クオン?帰ってないの?」
銀髪の仲間の部屋の前。
アンバーはこんこん、とドアを軽くノックした。
任務は終わって帰ってきているはずの時間。
可笑しいな、とつぶやき、アンバーは首を傾げる。
任務が終わったら用事があるから部屋に来てくれないか、といったのは彼なのに、
一体どういうことだろうか。
そう思いながらアンバーはドアを開ける。
「クオン?居ない……わけないか」
中を覗いて、苦笑する。
ソファに座ったまま目を閉じている、彼の姿。
大凡、仕事が終わって帰ってきて、そのまま眠ってしまったのだろう。
解いたネクタイは床に落ちて、ワイシャツも中途半端に肌蹴ている。
「随分色っぽい格好で居眠りするね、君は」
くすり、と笑ってアンバーはクオンに歩み寄る。
足音を忍ばせて近づいたためか、クオンは目を覚ます様子を見せない。
静かな寝息だけが静かな部屋に響く。
「全く……こんな格好で寝るほど疲れるまで頑張らなきゃいいのに」
小さく呟いて、クオンの前に立つ。
すぅすぅ、と小さな寝息を立てる彼の寝顔は幼く見えた。
"リーダーらしいリーダー"
"神風の奇術師"
"有能な兄の後任"
そんな看板を背負った彼は、いつも、何事にも一生懸命だった。
変身魔術という特殊な魔術を駆使して、任務をこなす"奇術師"。
上手くバランスをとり、生きていく姿。
それが綱渡りをしているかのように危うく見えることもしばしばある。
―― 二十の青年が背負うには、少々重い肩書きなのかもしれないな。
アンバーは密かに、そう思っていた。
何度も、彼の未来を見たことがある。
それは、クオンの魔術とアンバーの魔術の相性がいいから、だろうか。
ぼんやりとした未来ではあったけれど、
時折見るクオンの顔はいつも少し、憂いを帯びていた。
未来は、変わるだろうか。
クオンが心の底から笑い続けることができる未来は来るだろうか。
……きっと、来る。
アンバーはそう思いながら、クオンと共に過ごしていた。
姿を自在に変えられるクオンと未来を見る力を持つアンバー。
形は違えど、人と違う力を持つ彼らは、何処か通じるものがあった。
魔力の相性もあって、共に任務に赴くこともあった。
クオンとアンバーの関係は友人よりは少し近く、パートナーとは少し違う、
そんな不思議な距離感のあいだに成り立っていた。
どちらかといえば、兄弟のような……そんな、関係。
アンバーは目の前で眠る銀髪の青年を心配していた。
また無理をしたの?
また苦しいことがあったの?
大丈夫。君は、君だから。
そんな言葉を、かけることで彼を支えているのは、アンバーだった。
「僕とあんまり年も変わらないのにね」
"苦労するね"などと言いながら、アンバーはクオンに向かってそっと、手を伸ばす。
額にかかった前髪をそっと払ってやると小さく身動ぎした。
「ん……」
「起きて、クオン。そんな格好で寝てたら風邪ひくよ」
「ん、アンバー、か……そんな格好、って……!?」
ぱっと体を起こし、現状を確認するクオン。
中途半端に着替えかけたままだったことに気づき、赤面する。
「あー……またやったか、俺」
「うん、色っぽい格好で居眠りするな、と思ったよ」
「恥ずかし……」
ごしごし、と目をこすって、立ち上がる。
椅子にかけてあった騎士服に手をかけつつ、アンバーの方を見るクオン。
「ごめんな、待ったか?」
「ううん、そんなに。寝てるな、って思ってしばらく見てただけだよ」
「おいおい、それは問題がないか」
服を着替えて、クオンは笑う。
その笑みは、明るいもの。憂いのない、素直な笑顔。
アンバーは釣られたように笑みを浮かべる。
それを見て、クオンは不思議そうに首をかしげた。
「どうかしたか、アンバー」
「へ?何で?」
「否、なんか嬉しそうだから」
「嬉しい……うん、そうだね」
適当に笑って誤魔化すアンバー。
クオンは不思議そうにしつつ、"まぁいいけど"と返答した。
「あ、そうそう用事だけど……」
クオンはそのまま、話し出す。
アンバーはそんなクオンの表情を見つめつつ、思う。
―― 君がずっとその笑顔を保てるように ――
(仲間として、友人として……僕は、それを願っているよ)
性 別 | 女性 |
年 齢 | 29 |
誕生日 | 7月27日 |
地 域 | 静岡県 |
系 統 | おとなしめ系 |
職 業 | サービス |
血液型 | AB型 |