ラヴェントとチェーザレさん、ミケーレさんの話です。
こういうやり取り好きです…←
*attention*
ラヴェントとチェーザレさん、ミケーレさんのお話しです
ほのぼのなお話しです
ラヴェントは出張するならお二人にこういうかなと
ついてきてやってください←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
一仕事終えて、ラヴェントはいつも通り帰路についた。
家に帰れば、一緒に本などめくっている二人の少年……チェーザレとミケーレ。
彼らはドアが開く音で顔をあげた。
チェーザレは軽く手をあげる。
ミケーレは笑顔を浮かべて、"おかえりなさいっすー"といった。
彼ららしい反応だ。
そう思いつつ、ラヴェントは目を細めて、ただいま、といった。
しかし彼の表情は少々浮かないもの。
それを見て、チェーザレは怪訝そうな顔をした。
「どうした、暗い顔をして。
またあのピンクの髪の部下になにか言われたのか?」
「ピンク髪の……?」
ラヴェントの部下を知らないミケーレはきょとんとする。
チェーザレはそんな彼を見て"騎馬隊長の、いけ好かない部下の一人だ"といった。
ラヴェントはそれを聞いて苦笑する。
そして、彼の言葉を否定しながら、いった。
「違うよ。……二人に、少し話があって」
真剣な声色で、彼はそういう。
それを聞いて、二人はきょとんとした顔をした。
「一体どうしたんだ」
「どうしたんすか?」
不思議そうに首を傾げるチェーザレとミケーレ。
ラヴェントはそんな彼を見つめて、言った。
「ちょっと、出張でこの街を離れることになってさ……
それにあたって、お前たち、どうするかなぁ、って……」
彼はそういって目を伏せる。
チェーザレたちは彼の姿を見た後顔を見合わせた。
そして、おかしそうに笑う。
「何を言い出したかと思えば……」
やれやれ、と言いたげにチェーザレが肩を竦める。
ラヴェントは彼の反応に眉を寄せて、"どういう意味だよ"と呟くように言った。
チェーザレはそんな彼を見つめて、言った。
「ついていく。構わんだろう」
私たちだって戦えるのだし。
あっさりとそういうチェーザレに、ラヴェントは少し驚いたように目を見開いた。
「え……良いのか?」
負担になるんじゃないか。
そう問いかけるラヴェント。
チェーザレはそれを聞いて、"当たり前だろう"といった。
「家主が仕事で家を空けるのにそこに居座るような図々しさはないぞ」
「俺は、ご主人が行くってならついてくっすよ!」
ミケーレもそういって、とんっと胸を叩く。
チェーザレはそんな彼を見て、目を細めた。
"ミケロットもこういっているが?"と言って首を傾げるチェーザレ。
ラヴェントはそれを聞いて幾度か瞬きをした。
そして、ふっと笑う。
「ちょっとお前らのことなめてたみたいだな」
一緒にいけるなら、俺も嬉しいよ。
そういって、ラヴェントは嬉しそうに笑う。
彼を見て、チェーザレは目を細めながらいった。
「そうだな。それに、お前はわかりやすいというかなんというか」
顔に出るよな。
そういって、チェーザレは口角を上げる。
ミケーレもそんな彼を見て、"ラヴェントの旦那はわかりやすいっすねぇ"と笑ったのだった。
***
そんな夜。
いつも通りに、ミケーレは部屋に戻っていった。
ラヴェントとチェーザレも風呂に入って、ベッドに入った。
出発は明後日。
明日はその準備のために休みにしている。
出張先では、軽い研修がある。
そのほかにも、研修先での仕事の手伝い。
そんな仕事である。
仕事先は、国内でもかなり遠方。
寒い地方だと聞いているから、かなり心配している。
けれどそれを話したところで、チェーザレもミケーレも構わないといった。
ラヴェントはその言葉を甘んじて受け入れて、一緒に出掛けることにしたのであった。
ベッドに寝転びながら、チェーザレはふっと息を吐く。
そして、隣に寝転んでいるラヴェントの方を見た。
からかうような笑みを浮かべて、言う。
「なぁ、騎馬隊長。
むしろ私をお前の部隊の傭兵として雇って貰えばよかったな」
そう言い出すチェーザレ。
ラヴェントはそれを聞いて瞬きをする。
そして、"ああ、そういえば"と笑った。
「俺も、何でそれが先に思いつかなかったんだろうな」
ラヴェントはそういう。
最初から騎士団に行くことを勧めたが……今思えば、警察にくるという手もあっただろう。
自分たちのような騎馬隊もあるわけだし……
ラヴェントがそういうと、チェーザレは目を細める。
そして得意げに口角を吊り上げながら、言った。
「ああ、少なくともお前よりはまともに部隊を動かす自信はあるぞ?」
そういって首を傾げるチェーザレ。
ラヴェントはそれを聞いて唇を尖らせる。
そして溜息を吐き出しながら、言った。
「酷いなぁ……まぁ、事実だけどさぁ」
そうぼやきながら、ラヴェントは少し体勢を変える。
"でもさ"と前置きながら微笑んで、言った。
「でも、お前を今更でもお前を傭兵として雇うのはアリだな、と思うよ。
そうすれば、一緒に居られるし……
ミケーレも強いなら、二人でいれば安心だ」
どうかな?と首を傾げるラヴェント。
チェーザレはそれを聞いてにやりと笑みを浮かべる。
そして、ラヴェントの茶の瞳を見つめながら、言った。
「ほお、傭兵の身分としては騎士団より多くの金さえ払ってくれるのであればいつでも鞍替えしてやるぞ?
お前のところの部隊はどれほどで私を雇ってくれるのかな?」
チェーザレはそう問いかける。
ラヴェントは彼の言葉に思わず噴き出す。
「はは、報酬次第、か……
あいにく俺も雇われてる身だから上の人間に聞かないとな…
でも騎士団とは違って固定ではいるからなー」
いつも仕事はあるわけだから。
ラヴェントがそういうと、チェーザレはそれを聞いてふっと息を吐き出す。
そして肩を竦めながら、言った。
「昼間は暇でかなわん、忙しいくらいの方がしょうにあっている」
だから、仕事が多いのは構わんよ。
チェーザレはそういう。
ラヴェントは彼の言葉に目を細めて、言った。
「そうか。
だったら……本気で、検討してくれるか?
報酬は……知らないけどさ」
そういって小さく笑うラヴェント。
チェーザレはそれを聞いて首を傾げた。
「まぁ、それは後で良しとして……仕事の内容は?」
そう問いかけるチェーザレ。
ラヴェントは彼の言葉に少し考える顔をしてから、言った。
「俺たち騎馬隊は巡回が主かな。
馬に乗って、街の中を回るんだよ」
ラヴェントはそういう。
そのほかにも犯罪者の捕縛とかいろいろあるけど……
彼の言葉に、チェーザレは得意げに言った。
「巡回か、馬にも乗れるし領主だったころは領地の巡回などもしておったし任せろ」
慣れている、と言って得意げな顔をするチェーザレ。
それを聞いてラヴェントはふ、と笑みを浮かべた。
「そっか、それは頼もしいな」
本気で、頼みたい。
そうすれば、一緒に居られるし、さ?
少し照れたような顔で、ラヴェントは言う。
チェーザレはそれを聞いて"まあ、相談して決めよう"といいながら少し体勢を変えた。
「そろそろ寝ないと、明日が辛いぞ。
移動するのだろう?疲れていて落馬、なんてことが起きないようにな?」
そんなことがあったら本気で部隊を譲りうけるぞ、騎馬隊長殿?
そういって首を傾げるチェーザレを見て、ラヴェントは笑う。
「困るな、それは。
そろそろ、寝るとしようか」
そういいながら、ラヴェントは布団をかぶり直す。
そして隣に寝ているチェーザレを少し抱き寄せるようにしてから、目を閉じた。
「おやすみ、チェーザレ」
「あぁ、おやすみ」
チェーザレも、ラヴェントの肌のぬくもりを感じながら目を閉じた。
「……明日から、手間かけるよけど……宜しくな」
申し訳なさそうなラヴェントの声。
それを聞いて小さく溜息を吐き出しながら、"気にしていない"と心の中で呟いて、眠りについたのだった。
―― With… ――
(一緒に居たい、一緒に来てほしい。
そう思ったけれど、受け入れてもらえるか心配で…)
(そんなつまらない心配はするものではない。
私は私なりに、この生活を楽しんでもいるのだから)