ザイス=インクヴァルトさんとリトのお話です。
「わかりやすい…」の続きです。
一緒に遊ぶ二人微笑ましいです←
*attention*
ザイス=インクヴァルトさんとリトのお話です
本家Laurentia!設定のお話です
ほのぼのなお話です
「わかりやすい…」の続きなお話です
リトに誘われておうちに行くザイスさん
そしてそんなリトにほだされてるザイスさん可愛いです←
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
授業を終えて、ザイス=インクヴァルトは言葉通りリトを迎えに行った。
彼は食堂の椅子の一つに腰かけて、近くの購買で買ってきたのであろうアイスクリームをつついていた。
しかしザイス=インクヴァルトの姿を見つけるとすぐにぱっと顔を輝かせる。
リトが飛んできて飛びついてくる前に、彼はリトの方へ歩み寄っていった。
「お待たせしました、リトさん」
「ううん、大丈夫!講義お疲れ様、アルトゥール先生」
リトは嬉しそうに笑う。
あまり此処で"先生"と連呼されてもな、と思いつつ彼はリトに"帰りましょうか"といった。
するとリトは嬉しそうに笑いながら頷いて、置いていたアイスを素早く片付けた。
「よし、帰ろう!」
リトは嬉しそうにそういう。
ザイス=インクヴァルトはそんな彼と一緒に帰路に着いたのだった。
今日は、リトの勉強を見る日ではない。
だから、彼を家に送ってそのまま帰ろうと思っていた。
……思って、いたのだけれど。
「じゃあ、私はこれで……」
そういって引き返そうとしたザイス=インクヴァルトの手を、リトが掴んだ。
驚いて振り向けば、彼が縋るような視線を向けていた。
そして小さく首をかしげながら、いう。
「……折角来てくれたのに、もう帰っちゃうのか?」
そう問いかけるリト。
ザイス=インクヴァルトはそれをきいてまばたきをする。
リトは彼を見つめながら、言った。
「今日は、母さん帰り遅いんだよ……だから、上がってってくれよ、な?」
リトはそういって首を傾げる。
甘えるようなその表情。
それを見て、ザイス=インクヴァルトは戸惑った顔をする。
そうしている間に、リトは彼の手を引いて部屋に上がった。
「な、良いだろ?」
そう問いかけるリト。
じぃっと自分を見つめてくる彼の瞳。
それを見つめたザイス=インクヴァルトはふぅと息を吐き出す。
「……今日は、課題もありませんから……構いませんよ」
ザイス=インクヴァルトはそう答える。
それを聞いてリトは嬉しそうに顔を輝かせた。
「やったぁ!ありがと!!」
そういって、リトは嬉しそうに笑う。
彼のその様子を見て、"あぁ、こう返事をしてやって良かったな"と思う。
自分の返事一つで、彼はこうも嬉しそうにわらうのだ。
ザイス=インクヴァルトがそんなことを考えていると、リトは"はやくはやく!"といって、彼を部屋に連れてあがったのだった。
***
リトは嬉しそうに笑いながら、彼と話をした。
連れていってもらった大学で面白いと思ったこと。
改めてちゃんと大学に行きたいと思ったこと。
それを嬉しそうに語る彼を、ザイス=インクヴァルトは見つめて、目を細めていた。
そうしているうちに、日が暮れてきた。
そろそろ帰ろうか、とザイス=インクヴァルトは思っていたのだけれど、それを察知したように、リトはいった。
"どうせだから、一緒に夕飯食べよう!"と。
「母さん帰ってこないし、俺が夕飯作るからさ……ね、一緒に食べていってよ」
お願い、と彼は強請る。
高校生にもなって随分と幼い彼を見て、ザイス=インクヴァルトはふっと笑った。
「構いませんよ。ですがリトさんだけにしてもらうのも申し訳ないですし、私もお手伝いします」
やってできないことはないと思いますし、とザイス=インクヴァルトはいう。
リトはそれを聞いて嬉しそうに顔を輝かせた。
「ほんと?じゃあ一緒に作ろう!」
リトはそういいながら、ザイス=インクヴァルトの手を握り、キッチンに向かう。
そうして引っ張っていかなくても自分はついていくのに、と思いつつ、彼はリトと一緒にキッチンに向かったのだった。
彼の家のキッチンはザイス=インクヴァルトの家のそれと違って使いこまれていた。
そして色々な食材が棚や冷蔵庫に突っ込まれている。
リトはそれから手際よく色々なものを取り出しながら、言った。
「楽だし、母さんも食べれるし、カレーでいいかなぁ?
今から作っても簡単なのなら行けるよな」
「えぇ、大丈夫でしょう」
ザイス=インクヴァルトは彼に頷いて見せる。
リトは彼の反応を見て嬉しそうに笑いながら、言った。
「じゃあアルトゥール先生、ジャガイモ剥いてくれるか?俺、その間に米研いでおくよ」
リトはそういって微笑んだ。
ザイス=インクヴァルトはその言葉に頷いて、ゴロゴロと転がっているジャガイモを水で洗って、剥きはじめた。
普段やらない割に、彼はかなり手際がいい。
ちらと横目で彼を見たリトは目を細めて、言った。
「……何というか、アルトゥール先生、何でも出来るんだな」
「え?」
きょととした顔をして、ザイス=インクヴァルトはリトを見る。
リトはふぅと息を吐き出しながら、言った。
「勉強も出来て気立ても良くて料理も出来るって……」
そういいながら、リトは息を吐き出す。
"天は人に二物を与えずって言うけどなぁ"といいつつ、彼は米を炊飯器にセットする。
そしてそのまま人参をするすると剥きはじめた。
「リトさんも手際いいじゃないですか」
ザイス=インクヴァルトは彼にそういう。
それを聞いてリトは苦笑を漏らしつつ、言った。
「だって俺はいつもやってるもん。
アルトゥール先生はそうじゃないだろ?それなのに出来るんだもん」
凄いよなぁ、といいながらリトは人参をざるに移した。
ザイス=インクヴァルトも剥いたそばからジャガイモを彼に渡しつつ、言った。
「普段はやりませんが、これくらいなら出来ますよ」
「そっか。……でも嬉しいよ、アルトゥール先生と料理出来て」
そういって、リトは笑う。
それを聞いて、ザイス=インクヴァルトも表情を穏やかに緩めたのだった。
***
カレーが出来上がると、二人は食事をとった。
リトは嬉しそうににこにこと笑いながら、言った。
「俺、いつも食事一人でとってるから……二人で食べるの、嬉しいなぁ」
幸せそうにそう呟くリト。
ザイス=インクヴァルトも小さく頷いて、言った。
「私も、ですよ」
自分もいつも一人で食事をとっている。
何より、外食が多い。
それが、こうして彼と手作りの食事をとれる……それは、彼にとってもうれしかった。
ザイス=インクヴァルトの言葉を聞いてリトは微笑む。
それから、ふっと目を細めた。
そして夢見るような顔をしながら、言う。
「……俺も一人暮らしだったらなぁ」
不意にそんなことを呟くリト。
ザイス=インクヴァルトは不思議そうな顔をした。
「どうしてですか?」
「そうしたら、俺がアルトゥール先生の家に泊まりに行ったり、俺の家に泊まってもらったりできるのに」
彼はそういう。
それを聞いて、ザイス=インクヴァルトは幾度も瞬きをする。
リトは顔を上げて彼を見つめつつ、言った。
「……ねえ、アルトゥール先生。
俺、泊まりに行っちゃ駄目?それか……俺の家に、アルトゥール先生が泊まってよ」
リトはそう強請る。
それを聞いて、ザイス=インクヴァルトは瞬きをした。
そして、ふっと息を吐き出した。
「……私は構いませんよ。
でも、ちゃんと保護者の方にはちゃんと許可をとってきてくださいね」
彼は、そういう。
リトはそれを聞いて、大きく目を見開いた。
「ほんと?ほんとに!?」
興奮した表情で立ち上がるリト。
ザイス=インクヴァルトは"落ち着きなさい"と声をかける。
そして、微笑みながら、言った。
「構いませんよ。
だから、とりあえず落ち着いて食事をとってください」
そういって、リトを落ち着かせる。
リトは嬉しそうに笑いながら椅子に座った。
そして、無邪気に"絶対だからな!"と笑って見せたのだった。
―― Promise and… ――
(また今度、の約束。
それがすごくうれしいんだよ!)
(嬉しそうに、幸せそうに笑う、彼。
その無邪気な笑みが、表情が、可愛らしくて…)