久々に赤髪金髪コラボメインの話です。
カナリスさんもちらっと。
こういうノリが好きなのです←
*attention*
赤髪金髪コラボのお話です
本家Laurentia!設定のお話です
ほのぼの?なお話です
ちらとシリアスちっくなのかも
カナリスさんとライニさんの関係に不安になるアネット
カナリスさんとライニさんの関係も好きですよ←
ライニさんがああいう風に思ってくれていたら萌えます(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
強い夏の陽射しが降り注ぐグラウンド。
そこを走り回るサッカー部の部員たち……
「ディフェンダー!前出すぎだ!」
指示を飛ばす、鮮やかな赤髪の少年……アネット。
彼は額に流れてきた汗を拭った。
ボールがラインから出て彼は足を止めた。
そして首から下げていたホイッスルを吹く。
「休憩!ちゃんと水飲むんだぞ!」
そう声を飛ばす主将(キャプテン)。
それを聞いて、部員たちは日陰に置いてあるボトルのところに戻った。
「そういやさぁ、アネット」
水を飲みながら部員の一人が主将……アネットに声をかけた。
その声にアネットは視線を上げて首を傾げた。
「ん、何だよ?」
そう問いかけるアネットに、部員はにやりと笑みを浮かべる。
そして、"昨日のことなんだけどさぁ"とやや焦らすような声で言う。
アネットはそれを聞いて顔を顰めつつ、"さっさといえよ"と焦れたように言う。
「昨日、お前の恋人見たぜ?」
「へ?ラインハルトを?」
アネットは彼の言葉にきょとんとした顔をする。
それを見ていかにも、と頷きながら少年はいった。
「あぁ、俺昨日部活でないで帰っただろ?
んで、駅前で見たんだよなぁ。
随分大人っぽい人と歩いてたぞ?」
そういう、部員。
彼の言葉にアネットは大きく目を見開いた。
そのガーネットの瞳に揺れる、動揺の色。
そんな彼の反応を見て、彼を動揺させた当人は笑みを浮かべた。
「随分大人っぽい人だったなぁ……
背はちょっと小さかったかもしれないけど」
何せ一緒に歩いていたのがアネットの恋人である白皙の美少年……ハイドリヒ。
彼はアネットよりも尚背が高い。
そんな彼の隣にいれば、大体の人間は小さく見えるだろう。
……もっとも、遠目に見ても彼の隣にいた人間は小柄に見えたのだけれど。
彼がそういうとアネットは思い当たる人物がいたのか眼を丸くした。
それからあぁ、と小さく声を漏らして、いう。
「カナリスさんか……それならまぁ、納得かな」
そう呟いて溜息を吐き出すアネット。
それを聞いて少年はきょとんとする。
「あれ?知り合いか?」
「あぁ、多分……黒髪の人だろ?綺麗な金色の目の」
そう問いかけるアネットに彼は小さく頷く。
アネットはやっぱりか、と溜息を吐き出した。
カナリスは、ハイドリヒの旧友だ。
正式には、カナリスが教育実習生時代にハイドリヒに出会ったらしいのだが、どちらかというと友人に近い関係らしい。
家も隣同士で、家全体での関係もあると聞いている。
小柄、なんて特徴でわかったといったら多分彼は落ち込むだろうな、と思う。
背が低いのは気にしている様子だったから。
そんなことを考えつつも、アネットは複雑そうな表情だった。
相手がカナリスであったことは一つ安心要素ではあった。
見知らぬ男と恋人が一緒に居たとなると、それは心配以外の何物でもないから。
しかし……
気持ちが晴れるかといわれたら、答えは否だった。
「……お似合いだった、だろうな」
アネットはそう呟く。
それが聞こえたのか、少年はくっくっと笑いながら、言った。
「ああぁ、確かにお似合いだったなぁ……
美男同士だったし……
ま、ハイドリヒさんは女性っぽいけど?」
そういって笑う仲間。
それを聞いてアネットは苦笑を漏らしつつ、いった。
「それ、ラインハルトにいったら怒られるよ……
にしても、そうかぁ……」
お似合いだったかぁ、とアネットは声を漏らす。
そして溜息を吐き出した。
何となく、他人にそう見える理由は分かる。
確かにハイドリヒもカナリスも、とても綺麗な顔立ちだ。
並んでいたら、さぞ似合いだろう。
そう思うと、自分で想像した癖に凹んだ。
「……おーい、部長?」
「そろそろ休憩終わりじゃないっすか?」
そう問いかける部員。
それを聞いてアネットははっとする。
そして時計を見上げて"それもそうだな"と溜息を吐き出す。
「そろそろ、やるかぁ」
そう声を上げるアネット。
彼の表情は、何処か沈んだままのそれだった。
***
放課後……――
「……アネットさん、どうかしたんですか」
部活を終えて迎えに来た金髪の少年……ハイドリヒは彼に問いかけた。
アネットはその声に顔を上げる。
そしてへらりと笑いながら、いった。
「いいや、何でもねぇよ?どうして?」
そういいながら首を傾げるアネットに、ハイドリヒは眉を寄せる。
どうして、といわれても……
「様子がおかしいからですよ。
さっきから随分静かだし……」
静か、というのは一番の指標だ。
アネットがおとなしくしているのは違和感しかない。
それがおかしくて、ハイドリヒはアネットにそう声をかけたのである。
アネットは彼の質問に目を伏せた。
それから、小さく息を吐き出す。
「んー……煩いのは、なぁ、って……」
ごにょごにょと呟くアネット。
ハイドリヒはそんな彼の態度に溜息を吐き出すと、軽くアネットの頭をはたいた。
「いてっ」
「はっきりいいなさい貴方らしくもない。
一体何がどうして黙っていようなんて思ったんです?」
彼のことだ。
どうせ、何か変な勘違いでもしているのだろう。
そう思いながら、ハイドリヒはアネットを見つめた。
アネットは視線を揺らす。
それから小さく溜息を吐き出して、いう。
「ん……ラインハルトに似合いの男になろうかなってさ」
そう呟くように言うアネット。
それを聞いてハイドリヒは蒼い目を見開いた。
少々予想外だった発言。
似合いの男?
「一体何がどうしてそんな思考に至ったんですか……」
「ん……実は」
アネットは部活中のことを語った。
カナリスがハイドリヒと一緒にいたのを見た仲間がいたこと。
それがとても似合いに見えた、といわれたこと。
逆に、お前には勿体ないくらいだよなぁ、ともいわれた。
それにアネットは少なからず、落ち込んでいるのである。
彼の言葉にハイドリヒはゆっくりと瞬きをした。
そして、昨日のことを思い出す。
昨日は、アネットが部活を終えるのが遅くて、ハイドリヒは先に帰った。
その途中で仕事を終えたカナリスに会ったのだ。
近くに住んでいるとはいえ顔を合わせるのは久しぶりで、久しぶりに昔話でも、と二人で出かけたのだった。
どうやらそれをアネットの仲間が見ていたらしい。
「それで、貴方は私に似合いの男になろうと?」
「あぁ……カナリスさんみたいになればいいのかな、って」
アネットがそういうとハイドリヒは瞬きをする。
それからふぅ、と息を吐き出した。
「……馬鹿じゃありませんか?」
ハイドリヒの口から紡がれたのはそんな言葉。
それを聞いてアネットは目を丸くする。
そして、眉を下げつついった。
「どういう意味だよラインハルト」
小さく呟くように言うアネット。
ハイドリヒは流れてきた前髪を軽く払いながら、溜息まじりに言う。
「貴方がカナリス先生に勝てるはずがないでしょう」
そういって溜息を吐き出すハイドリヒ。
アネットはそれを見て、顔を顰める。
「うっせぇよ、わかってるよ……」
凹ませること言うなよなぁ、と肩を落とすアネット。
ハイドリヒはそんな彼を見ると、軽く頭をはたいた。
「……貴方はそのままでいいでしょう」
どうせどんなに頑張ったってカナリス先生には勝てないんですから。
そっけなくそういって、ハイドリヒは歩き出す。
アネットが後ろから慌ててついてくる気配を感じた。
―― 貴方が楽しそうで何よりですよ、ライニ。
昨日一緒に話していたカナリスの言葉を思い出す。
彼は、自分をよく見てくれている。
自分のことを大切に思ってくれている。
それはこそばゆかった。
けれど……
「……恋人と思っているのは、貴方ですよ」
ハイドリヒは小さく呟く。
しかしアネットにはそれが聞こえなかったようで、小さく首を傾げた。
「なんだよ、ラインハルト」
そう問いかけるアネットの声。
それに首を振りつつ、ハイドリヒは"早く帰りますよ"と彼に声をかける。
遅れがちな彼の手首を掴みながら。
―― 似合いの… ――
(お前の隣にいるのは不似合だと思われるかもしれない。
でも俺は、確かにお前のことが好きなんだよ……?)
(そんな貴方の気持ちがわからないほど私はおろかではありませんよ。
…どうやら貴方にはそれが伝わってはいないみたいですけれど)