シュタウフェンベルク兄弟のお話です。
こういうほのぼのした朝っていいですよね、って話。
あと個人的にシュヴァイツァーさんが振り回されてるの好き←おい
*attention*
シュタウフェンベルク兄弟のお話です
本家Laurentia!設定のお話です
ほのぼのなお話です
いつも通りの朝のお話
賑やかく騒ぐ兄弟が書きたかった←
ひとり除け者にされて拗ねる大佐殿が可愛い
とりあえずシュヴァイツァーさんごめんなさい(笑)
相変わらずの妄想クオリティ
ナハトさん、本当にすみませんでした!
以上がOKという方は追記からどうぞ!
「ん……」
降り注ぐ朝日と、鼻をくすぐる良い香りにぺルは目を覚ました。
体を起こすと、キッチンに立つ兄が朝食を作っているのがわかった。
「起きたかぺル、おはよう」
すぐ近くで声がした。
そちらに視線を向ければ、制服に着替えているアレクサンダーの姿。
今日朝食を作っているのはベルトルトか。
そう思いながらぺルは"おはよう、アレクサンダー兄さん"と返事をする。
そして、自分の隣を見た。
そこではまだクラウスが眠っている。
昨日は一緒に寝たんだった。
以前の提案以降、兄弟三人全員で一緒に寝ることが増えていた。
……その度ペルはしばしばクラウスに抱きしめられて眠っていたけれど。
抱き枕にされていたのはどうにかはずれていたようだが、朝に弱い彼はまだ夢の中だ。
「クラウス兄さん、起きて」
ぺルはゆっくりと彼の体を揺らす。
しかしクラウスは小さく声を漏らして、もぞりと体勢を変えただけだった。
服の裾がめくれて、何というかあられもない。
「クラウス兄さんんん……」
起きてよぅ、とぺルはむくれつつ少し強い力で彼を揺らす。
すると漸くクラウスは目を覚ました。
「んん……おはよう、ぺル……アレクサンダー兄さん」
ゆっくりと瞬く青の瞳。
彼はふぁ、と小さく欠伸をする。
そんな彼を見て、アレクサンダーは苦笑した。
「おはようクラウス。
ほら、早く起きないと俺が全部朝食食べちゃうぞ」
そういいながら軽くクラウスの額を小突くとアレクサンダーはテーブルについた。
ぺルもまだ半ば寝ぼけている様子の兄の手を引いて、テーブルに向かう。
「起きないと、シュヴァイツァーお片付け出来ない」
そういいながらペルは部屋の一角を示す。
そこにはやれやれという顔をしたお手伝い……シュヴァイツァーがいた。
クラウスが起きないことには、この部屋の片づけが出来ないのである。
「ああ、わかった、起きるから……」
続けざまに小さくあくびをするクラウス。
それを見てベルトルトも"眠そうだねクラウス"と苦笑した。
そして彼は首を傾げながら、弟に問いかける。
「眠れなかった?」
床で寝るんじゃ、と彼は問いかける。
その言葉にクラウスは首を振った。
「いや、ぐっすり寝ていた……でも逆に心地よくて目が覚めなくて」
そういって苦笑すると、クラウスはぐっと伸びをした。
どうやら漸く少し目が覚めてきたらしい。
まったく、と笑いながら、ベルトルトは各々の席に朝食をおいた。
「あれ、黄身が二つ」
ぺルは自分の目玉焼きのプレートを見ながらそう呟く。
アレクサンダーはそれを見て、いった。
「お、双子じゃん」
珍しいなぁ、というアレクサンダー。
それを聞いてペルはきょとんとした顔をした。
「ふたご……?」
自分で料理などしないペルは"双子"の意味が理解出来ないらしい。
それを聞いてベルトルトは微笑みながら、いった。
「時々卵にはこうして黄身が二つ入ってるのがあるんだよ。
それを"双子の卵"って言うんだ」
兄のそんな説明にペルはぱぁっと顔を輝かせた。
そしてほぅっと息を吐き出しながら、いう。
「ベルトルト兄さんとアレクサンダー兄さんだ」
嬉しそうにぺルは笑った。
大好きな、兄たち。
彼らも双子だから"双子"というワードが嬉しかったらしい。
そしてとりあえず食事をしようとしたが、その手を止めた。
そのまま彼はしゅんとした顔をした。
「……食べるの、もったいない」
双子だ、といわれてしまうとなんだかもったいない。
あげく、ぺルがやっとのことで食べようとすると、ベルトルトとアレクサンダーがからかうのだ。
"えー僕の方から食べちゃうの?"とか"おぉ、俺に箸が刺さるー"などというものだから、余計に食べにくいようだ。
ペルは困惑しきった表情を浮かべている始末で……
「…………」
面白くないのはクラウスだ。
双子の兄弟が一番下の弟をからかっているという図では、自分はひとり放置されるのだから。
「早く食べないと遅刻するぞ!」
少し拗ねたようにそういうクラウス。
それを聞いて、兄たちは彼の方へ視線を向ける。
そして顔を見合わせると、にっと笑った。
「クラウスー、一人で寂しいのかぁ?」
そういって笑うアレクサンダー。
いつも一人で置いてきぼりを食らう立場だからか、彼は何だか嬉しそうな顔をしている。
ベルトルトもそんな彼らの様子を見て小さく笑った。
「クラウスが拗ねてる、可愛い」
そういって目を細めるベルトルト。
そんな兄たちの様子を見て、クラウスは頬を赤く染めた。
そして自分の食べていた目玉焼きと兄のを示しながら、いった。
「煩い!
それを言うならこれがペルでこれが私で……ほら、仲良し四人兄弟だ!」
そういってのけるクラウス。
彼を見てアレクサンダーもベルトルトも少し驚いたように瞬きをする。
それから、二人同時に噴き出した。
「っふ、あははっ」
「クラウス可愛いなー!」
愛しい!といいながら、二人はクラウスを抱きしめる。
そんな彼らの反応にクラウスは顔を真っ赤にして、躍起になったように言う。
「う、煩い!兄さんたちが私を無視するから……!」
「ほら、やっぱり寂しかったんじゃないか」
本当に可愛いなぁ、といいながらベルトルトはクラウスの頭を撫でる。
今度は三人の表情にペルがむくれたような顔をしながら、いった。
「……兄さんたち、狡い」
僕を置いてきぼりにしたらやだぁ、といいながら、ペルは兄たちに抱き付く。
それを見て小さく笑うと、アレクサンダーは彼を抱きしめてやった。
「はいはいペルも一緒なー!」
皆一緒だ、と笑うアレクサンダーにペルは満足そうに笑う。
昨日の夜から一緒に居るものだから、嬉しいのだろう。
「兄さんたちと一緒……」
嬉しそうにそういって兄たちに縋るペル。
彼の様子に穏やかに微笑む、兄たち。
そんな幸せな様子……
「……あの」
彼らの様子を見ていたシュヴァイツァーが口を開いた。
そして、小さく溜息を吐き出しながら、時計を見上げる。
「……時計、見えていますか?」
楽しそうですが、というシュヴァイツァー。
それを聞いて三人は視線を上げた。
リビングに置いてある時計を見た彼らは驚いた顔をした。
「げ、もうこんな時間かよ……?」
ありえない、と呟くアレクサンダー。
クラウスも驚いたように固まり、ペルも黒い瞳を瞬かせている。
「あー……時計見てなかったなぁ」
ベルトルトもそう呟いて、苦笑を漏らす。
そして急いで朝食を口に運んだ。
「急いで準備しないとね!
シュヴァイツァー、車の用意お願い!」
「ペルもさっさと食べろよ!」
そういう双子の兄たち。
アレクサンダーの言葉にペルは顔を顰めつつ、言った。
「んんん、勿体ないぃ……」
「またみられると思うから……な?」
クラウスは末の弟をそう宥める。
ペルは彼の言葉に小さく頷いてから、残っていた食事を口に運んだ。
今日もまた、賑やかな一日が始まる。
それを予感して目を細めながら……――
―― 賑やかな朝 ――
(明るく楽しい兄弟でのやり取り。
いつも通りの、穏やかなやり取り…)
(さぁ今日も一緒に過ごそう?
楽しく明るい一日を…)